横山タカ子の「信州・四季の手遊び」・10
豆を飾って鬼やらい。赤カブで作る椿に思う、春の訪れ
豆を飾って鬼やらい。赤カブで作る椿に思う、春の訪れ
公開日:2020年11月19日
鬼を払って、春に向けて準備を始める季節
信州の2月は凍てつくような寒さが続きます。庭木には、藁(わら)を帽子のように編んだ「藁ぼっち」をかぶせて雪と寒さ除けを。凍しみて割れやすくなる石の水鉢も、藁ぼっちですっぽり覆います。
餌を求めて飛んできたメジロやらヒヨドリが藁ぼっちの上でちょこんと休憩。ガラス越しにそんな庭の冬景色を見ながら、火鉢で花豆をコトコトと煮るのが、この時期の私の好きな時間です。
夫と二人暮らしになった今、節分の豆まきは「鬼は外!福は内!」なんて張り切ることもなくなりました。それでも、家の中には大豆と青大豆、柊(ひいらぎ)、目刺し、そして魔除けの唐辛子を飾って、鬼やらい。
立春は、これから訪れる春に向けて準備を始める頃。黄色や桃色に色づく春の庭を待ち遠しく思いながら、縫い物や大根の寒干し作りなど、家仕事に精を出します。
今月のお茶うけ:赤カブ漬け
食卓に彩りが少なくなるこの季節。漬けて色づいた赤カブを花弁に見立て、くるくると巻いて椿の形に整え、椿の葉を添えて盛り付ければ、食卓の華やぎに。
信州で赤カブといえば、御嶽山のふもと・王滝村で育った王滝カブが有名。漬け物やサラダに使われ、冬の食卓を彩ります。
【赤カブ漬けの作り方】
赤カブ(小1個)をスライスし、2%の塩でもんで30分置く。水100mL、酢75mL、砂糖大さじ3と1/2、塩大さじ1/2を混ぜて甘酢を作り、そこへ水気を絞った赤カブを10分ほど浸す。甘酢に浸す時間を長くすると、カブの赤色が濃くなる。
■執筆者プロフィール
横山タカ子さん

よこやま・たかこ 1948(昭和23)年、長野県大町市生まれ。長野の郷土食の知恵を生かした家庭料理や保存食を提案。NHK「きょうの料理」などテレビ・ラジオで活躍。年に300日は着物で暮らし、古きよき生活の知恵を取り入れたライフスタイルも人気を集めている。著書に『四季に寄り添い 暮らしかさねて』(信濃毎日新聞社刊)など。
撮影=小林キユウ 構成=野田有香(ハルメク編集部)
※この記事は雑誌「ハルメク」2019年2月号に掲載したものを再編集しています。
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