【55歳ユミの場合】夜の営みも夫の気分次第

【3】セカンドパートナーの沼!夫から格下に見られ

公開日:2024.11.02

55歳ユミの恋愛ルポ第3話。最近耳にすることが増えた「セカンドパートナー」という関係。不倫とは違うと言いつつ…ハマってしまう人も多い。第二子が生まれた後も性生活には義務感が付きまとい、夫からは格下に見られて悶々とする日々が続く。

前回までのあらすじ

前回の話はコチラから。ユミ(55歳)の恋愛談を紹介しよう。姉にコンプレックスを抱きながら育ったせいで、自己肯定感が低い性格となってしまったユミ。バブル崩壊後に会社で出会った夫と結婚したものの……妊娠中に浮気され、心を閉ざしながらも母親業にいそしむ日々が続いていた。

義務感が付きまとう、夫の気まぐれで行われるセックス

naka / PIXTA

長男の育児も落ち着かないまま、その3年後に長女が産まれた。夜の夫婦生活は定期的ではなく、夫の気まぐれにユミさんが付き合わされる形で行われていた。

セックスは相変わらず楽しいとは思えず「義務感」が付きまとった。そこに彼女の意志はなかったし、歩み寄って積極的にセックスを楽しもうとも、まったく思わなかったという。

子どもが2人居る「標準的な家庭」ができあがった

 すとらいぷ / PIXTA

「長女が生まれた後は、それでも子どもが2人居る標準的な家庭ができあがって、夫は仕事が忙しくなり、私は家事育児に必死になりました。
 
子どもたちが小さい頃は、夏休みや冬休みには旅行もしたし、時には子どもたちがわがままを言って夫を怒らせたり、夫が気まぐれのように子どもたちの勉強を見たり。とにかく『普通の生活』でしたよ、本当に」
 
もしかすると夫は不倫を続けていたかもしれないが、家庭がうまく回っていればそこを深く追及する気はなかった。

常に付きまとう「夫から格下に見られている感覚」

 beauty-box / PIXTA

「ただ、私はいつもどこかで夫から『格下に見られている』と感じていました。はっきり口に出して言われたわけではないけど、『どうせおまえは家事くらいしかできない、つまらない人間なんだよ』と思われているような感じ。
 
でも子育ては、命を育てることでしょう。とっても大事な仕事だと思うんです。夫にとっては直接お金を稼ぐ経済活動の方が、ずっと価値が上だったんでしょうね」
 
専業主婦をしたことがある人は、みんなどこかで、お金を産まない日々に焦燥感を感じることがあると思うんです。それは、夫や世間からの、そういう目をなんとなく意識しちゃうからなんじゃないかな」
 
ユミさんの友人は、夫に家事を手伝ってほしいと言ったら、「俺と同じだけ稼いでこれる?俺が家事をする時間分だけ稼いでくるなら手伝うよ」と言われたそうだ。

家庭を整え、命を育む日々を、あまり重く見ようとしない夫という種族が不思議でならないとユミさんは、少しだけ怒りを含んだ声を出した。

そんな悶々とした気持ちを抱きつつ……「子どもが大きくなるまでは」と呪文のよう唱えながら、心を殺して日々の生活を送っていた。

だがいずれ、子育ては終わる時がくる。

亀山早苗

東京生まれ。明治大学卒業後、フリーランスのライターとして雑誌記事、書籍の執筆を手がける。おもな著書に『不倫の恋で苦しむ男たち』『復活不倫』『人はなぜ不倫をするのか』など。最新刊は小説『人生の秋に恋に落ちたら』。歌舞伎や落語が大好き、くまモンの熱烈ファンでもある。

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