【55歳ユミの場合】子育ては一段落したのに

【4】セカンドパートナーの沼!夫婦関係はギクシャク

公開日:2024.11.09

55歳ユミの恋愛ルポ第4話。最近耳にすることが増えた「セカンドパートナー」という関係。不倫とは違うと言いつつ…ハマってしまう人も多い。子育てが一段落したものの夫婦関係はギクシャク。パート仲間に愚痴ったところ秘密を知ってしまうことに…。

前回までのあらすじ

前回の話はコチラから。ユミ(55歳)の恋愛談を紹介しよう。姉にコンプレックスを抱きながら育ったせいで、自己肯定感が低い性格となってしまったユミ。

バブル崩壊後に会社で出会った夫と結婚したものの……妊娠中に浮気され、心を閉ざしながらも母親業にいそしむ日々が続いていた。

夫は性的にも発言的にも自分勝手でモラハラな部分が目立ったのだが、子育てを優先し我慢する日々が続いた。

更年期に悩まされつつ、子育ては一段落したけれど…

 jessie / PIXTA

長男が大学を卒業して就職し、長女が遠方の大学に入って子育てが一段落したのは、ユミさんが50歳になる手前だった。
 
「結婚してから20年以上たっていました。子どもたちには、自分を信じなさい、信じた道を自由に行きなさいと口を酸っぱくして教え込んだつもりです。それ以外に私が教えられることはなかった。

幸い、長男は希望した会社に就職しました。でもこの先、転職や起業を考えているようです。長女はできれば大学院まで行きたい、と。どこまでサポートできるかわからないけど、私もパート仕事を増やしたんです」
 
40代半ばから、ひどい更年期症状に悩まされていたが、資格も取得したため仕事をがんばることができた。決して収入は高くはないが、娘のために貯金を続けるつもりだという。

仕事がうまくいかない夫。イライラが募る生活

 polkadot / PIXTA

ただ、夫と二人きりの時間が増えた生活は味気ないとユミさんは苦笑した。そもそも話題がない、会話は続かない、いざとなると「おまえは社会性がないし、世の中をわかっていない」などとモラハラ発言もチラホラ見受けられるようになった。
 
夫は夫で、職場では思うようにいっていないらしい。2年ほど前、とうとう出向だと知らされた。しかも転籍で給料も減った。
 
「夫は仕事ができる人だと思っていたけど、『仕事ができる人』イコール『会社にとって大事な人』というわけではなかったんでしょうね。
 
もしかすると夫も男性更年期なのか、体調のすぐれないことがあるみたいで、急にイライラしたり元気なくふさぎ込んだりすることが増えました。
 
お互いに今までのことを話し合いながら、老後も協力していきたいと思っていたけど、夫は私が体調を心配しても『心配してるって押し付けるのは、自分が安心したいっていう偽善者のエゴだ』とひねくれたことを言うんです。だったら心配なんてしてやらない。そうなりますよね」

パート仲間と夫の愚痴大会。ふいに秘密を知ることに

 mits / PIXTA

パート先で親しくなった仲間の一人に、面倒見がいいハルカさんという同年代の女性がいた。ポジティブでサバサバした性格の彼女となぜかウマが合い、つい夫の愚痴を言ってしまうことが増えた。
 
ハルカさんは黙って聞いてくれ、「夫婦仲なんてどこも冷めてるわよ。うちの夫は60歳近くなって、いまだにあちこちの女に粉をかけているの。スマホを見れば一目瞭然。本当に男って奴は何歳になってもバカよね」と吐き出した。
 
いずこも同じかとユミさんが落胆していると、別の女性が「うちも同じ。夫婦なんてしょせん他人だもの。結婚生活が長くなればなるほど、期待もしないから失望もしない。でも、なんでこんな人と結婚しちゃったんだろうって、いまだにビックリすることもあるわよね!」と言い、3人は顔を見合わせて笑った。

ハルカさんは「ふふふ。夫は本当にひどいけど、世間にはマシな男性もいるもんよ!私たちが出会えてないだけかもね」

含みのある笑いに…まさか秘密が隠されているとは。

亀山早苗

東京生まれ。明治大学卒業後、フリーランスのライターとして雑誌記事、書籍の執筆を手がける。おもな著書に『不倫の恋で苦しむ男たち』『復活不倫』『人はなぜ不倫をするのか』など。最新刊は小説『人生の秋に恋に落ちたら』。歌舞伎や落語が大好き、くまモンの熱烈ファンでもある。

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