生理前の頭痛はなぜ起こる?症状・原因・治療法・よくある質問【医師監修】
生理前の頭痛はなぜ起こる?症状・原因・治療法・よくある質問【医師監修】
公開日:2025年10月15日
この記事3行まとめ
✓生理前の頭痛は女性ホルモンの変動が主な原因で、特に閉経が近づく50代は症状が変化しやすいです。
✓症状を和らげるには、痛みの種類に合わせたセルフケアと、ホルモンバランスを整える生活習慣が大切です。
✓つらい症状が続く場合や、更年期症状との区別が難しい場合は、婦人科など専門医への相談が推奨されます。
生理前の頭痛の正体は?
生理前になると決まってやってくる、ズキンズキンとしたり、頭を締め付けられるような不快な頭痛。これは「月経前症候群(PMS)」の代表的な症状の一つです。
月経前症候群とは、生理の3〜10日ほど前から始まり、生理が来ると症状が和らいだり消えたりする、心と体のさまざまな不調のこと。その中でも頭痛は、多くの女性を悩ませるつらい症状です。
特に50代の女性は、閉経に向けて女性ホルモンの分泌が大きくゆらぐ「更年期」と重なるため、症状がより複雑になったり、これまでとは違うパターンの頭痛に悩まされたりすることがあります。「いつものことだから」と我慢せず、ご自身の体の変化と向き合い、正しい知識を持つことが大切です。
よく見られる身体的症状
生理前の頭痛は、大きく分けて2つのタイプがあります。ご自身の痛みがどちらに近いか知っておくことが、適切な対処への第一歩です。
片頭痛(へんずつう)タイプ
- 頭の片側または両側が「ズキン、ズキン」と脈打つように痛む
- 体を動かすと痛みがひどくなる
- 吐き気や嘔吐を伴うことがある
- 光や音、においに敏感になる
緊張型頭痛タイプ
- 頭全体がギューッと締め付けられるような、重苦しい痛みが続く
- 肩や首の強いこりを伴うことが多い
- めまい感を伴うことがある
- 温めたり、体を動かしたりすると楽になることがある
50代では、これらのタイプが混合して現れることも少なくありません。
心理的な変化
生理前の不調は、頭痛だけでなく心の状態にも影響を及ぼします。
- イライラしやすくなる、怒りっぽくなる
- 気分が落ち込み、憂うつになる
- 不安感が強くなる
- 集中力が続かない
こうした心の不調が頭痛をさらに悪化させることもあり、心と体の両方からケアすることが重要になります。特に更年期は、ライフステージの変化なども重なり、心が不安定になりやすい時期。一人で抱え込まず、信頼できる人に話したり、専門家を頼ったりすることも考えてみましょう。
統計データ(厚生労働省調査より)
厚生労働省の研究班の調査によると、月経のある日本人女性のうち、何らかの月経前症候群(PMS)の症状を持つ人は約70〜80%にのぼると言われています。
その中でも、頭痛は腹痛や乳房の張りと並んで、多くの女性が経験する症状です。また、PMSによって仕事のパフォーマンスが半分以下になると感じている女性が45%もいるというデータもあり、社会経済的にも大きな影響を与えていることがわかります。
50代になると、月経周期が不規則になるためPMSの頻度は減る傾向にありますが、更年期症状としての頭痛が増えるなど、悩みの質が変化していくのが特徴です。
生理前の頭痛の原因とメカニズム
主な原因
生理前の頭痛の主な原因は、複雑に絡み合っています。
1. 生理学的要因
最大の原因は、女性ホルモンの急激な変動です。排卵後から生理前にかけて、女性ホルモンの一つである「エストロゲン」が急激に減少します。このエストロゲンの減少が、脳内の血管の収縮・拡張をコントロールしている神経伝達物質「セロトニン」のバランスを崩してしまうのです。
セロトニンが減少すると、脳の血管が急に拡張し、周囲の神経を刺激して「ズキン、ズキン」という拍動性の痛み(片頭痛)を引き起こすと考えられています。
2. 環境的要因
ストレス、不規則な生活、睡眠不足、天候の変化(気圧の低下など)といった環境的な要因も、自律神経の乱れを介して頭痛を誘発します。特に50代は、仕事での責任、親の介護、子どもの独立など、生活環境が大きく変化する時期でもあり、知らず知らずのうちにストレスを溜め込んでいる可能性があります。
3. 心理社会的要因
「またあの痛みが来るかもしれない」という予期不安や、痛みのせいで仕事や家事に支障が出てしまうことへの焦りなど、心理的な要因も症状を悪化させる一因です。更年期特有の気分の落ち込みや不安感が、痛みをより強く感じさせてしまうこともあります。
発症メカニズム
「生理学的要因」で述べた通り、生理前のエストロゲンの急激な低下が引き金となります。
- エストロゲンの急減:排卵後、黄体期後期にエストロゲンが大きく減少します。
- セロトニンの減少:エストロゲンの減少に伴い、脳内のセロトニンも減少します。
- 血管の拡張:セロトニンが減ることで、一度収縮した脳の血管が反動で一気に拡張します。
- 神経の刺激:拡張した血管が、周囲にある感覚神経(三叉神経)を圧迫・刺激します。
- 痛みの発生:刺激された神経から痛み物質が放出され、炎症が起きて「頭痛」として認識されます。
この一連の流れが、生理前に片頭痛タイプの頭痛が起こりやすいメカニズムです。
リスク要因
以下のような方は、生理前に頭痛が起こりやすい、あるいは悪化しやすい傾向があります。
- 過去に片頭痛と診断されたことがある
- 家族(特に母親や姉妹)に同じような症状の人がいる
- ストレスが多い生活を送っている
- 睡眠時間が不規則、または睡眠の質が低い
- コーヒーやチョコレート、赤ワインなどを特定の時期に多く摂取する
- 運動不足である
- 更年期に入り、ホルモンバランスが不安定になっている
診断方法と受診について
次に、受診する場合の流れについて説明します。
いつ受診すべきか
「いつものこと」と我慢しがちですが、以下のような症状が見られる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
- 市販の鎮痛薬を飲んでも痛みが改善しない、または飲む回数が増えている
- 頭痛のせいで、仕事や家事など日常生活に支障が出ている
- これまで経験したことのないような激しい頭痛が突然起きた
- 頭痛だけでなく、めまい、しびれ、ろれつが回らないなどの症状を伴う
- 更年期症状(ほてり、のぼせ、気分の落ち込みなど)も同時に見られ、どちらの症状か分からず不安
診断の流れ
婦人科や頭痛外来などを受診すると、一般的に以下のような流れで診断が進められます。
1. 問診で確認すること
医師は、診断の手がかりを得るために、以下のような質問をします。ご自身の状態を正確に伝えることが、適切な診断への近道です。
- いつから、どのような痛みがありますか?(ズキンズキン、締め付けられるなど)
- 頭痛は生理周期のどのタイミングで起こりますか?
- 痛みの強さは10段階でどのくらいですか?
- 頭痛以外の症状(吐き気、光や音への過敏など)はありますか?
- 現在、何か治療中の病気や、飲んでいる薬はありますか?
- 更年期のような症状はありますか?
- 生活の中で、ストレスに感じていることはありますか?
2. 身体検査
必要に応じて、血圧測定や、神経学的な異常がないかを確認するための簡単な検査(ハンマーで膝を叩くなど)を行うことがあります。
3. 代表的な検査例
多くは問診で診断がつきますが、他の病気が隠れていないかを確認するために、以下のような検査を行う場合があります(医師により必ず実施するわけではありません)
- 血液検査:貧血やホルモンの状態などを確認します。
- 頭部CTやMRI検査:脳出血や脳腫瘍など、危険な頭痛の原因となる病気がないかを調べるために行われることがあります。特に、これまでと違うパターンの頭痛が始まった場合には重要です。
受診時の準備
受診する際は、あらかじめ以下の準備をしておくとスムーズです。
- 症状日記をつける:いつ(生理何日前など)、どんな痛みが、どのくらい続いたか、他にどんな症状があったか、薬を飲んだかなどを記録しておくと、非常に有用な情報になります。スマートフォンのアプリなどを活用するのも良いでしょう。
- 飲んでいる薬の情報をまとめる:市販薬、サプリメントも含め、現在使用しているすべての薬の名前がわかるもの(お薬手帳など)を持参しましょう。
- 質問したいことをメモしておく:診察の場で緊張して忘れてしまわないよう、聞きたいことをリストにしておくと安心です。
受診すべき診療科
生理前の頭痛で悩んだら、まずは婦人科か産婦人科への相談が第一選択です。ホルモンの専門家として、PMSや更年期の問題を含めて総合的に診てもらえます。
頭痛そのものが非常に強い場合や、診断がはっきりしない場合は、頭痛外来や脳神経内科、脳神経外科を紹介されることもあります。どこに行けばよいか迷う場合は、まずはお住まいの自治体の保健所や、かかりつけの内科医に相談してみるのも良い方法です。
生理前の頭痛の治療法
治療方針の決定
治療は、症状の強さや生活への影響、ご本人の希望などを考慮し、医師と相談しながら最適な方法を決めていきます。まずはセルフケアや生活習慣の改善から始め、それでも改善しない場合に薬物療法などを検討するのが一般的です。特に50代では、更年期治療との兼ね合いも考えながら、一人一人に合った治療計画を立てていきます。
薬物療法
症状を和らげるために、以下のような薬が用いられます。ご自身の判断で薬を使用せず、必ず医師の診断のもとで処方を受けるようにしてください。
- 鎮痛薬:痛みが始まったら早めに服用するのが効果的です。市販薬(ロキソプロフェン、イブプロフェンなど)で効果がない場合は、より作用の強いトリプタン製剤などが処方されることがあります。
- 漢方薬:体質改善を目指し、頭痛だけでなく冷えや気分の落ち込みなど、全体のバランスを整える目的で使われます。呉茱萸湯(ごしゅゆとう)、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、加味逍遙散(かみしょうようさん)などが代表的です。
- 低用量経口避妊薬(ピル):排卵を抑制し、ホルモンの変動を緩やかにすることで、PMS症状全般を改善する効果が期待できます。血栓症のリスクなどもあるため、50代以上の方への処方は慎重に検討されます。
- ホルモン補充療法(HRT):更年期症状が強い場合に、減少したエストロゲンを補う治療法です。頭痛の改善につながることもあります。
- その他:片頭痛の予防薬や、気分の落ち込みが強い場合には抗うつ薬などが使われることもあります。
非薬物療法
薬を使わない治療法にも、有効な選択肢があります。こちらも、ご自身の判断で行う前に、まずは医師に相談しましょう。
- 認知行動療法:物事の受け取り方や考え方(認知)に働きかけて、ストレスを軽減し、痛みとの付き合い方を学ぶ心理療法です。
- 運動療法:ウォーキングなどの有酸素運動は、血行を促進し、ストレス解消にもつながるため、頭痛の予防に効果的です。
- 鍼灸治療:東洋医学的なアプローチで、血行を改善し、筋肉の緊張を和らげることで痛みを緩和します。
生活習慣による管理
日々の生活を見直すことが、何よりの治療であり予防にもなります。
- 食事:マグネシウム(大豆製品、海藻、ナッツ類)やビタミンB2(レバー、うなぎ、卵)を積極的に摂りましょう。血糖値の急な変動も頭痛を誘発するため、食事を抜かず、3食きちんと摂ることが大切です。
- 睡眠:質の良い睡眠を十分にとり、生活リズムを整えましょう。
- ストレス管理:ヨガや瞑想、アロマテラピーなど、ご自身に合ったリラックス方法を見つけましょう。
治療期間と予後
治療期間は、症状の程度や治療法によってさまざまです。生活習慣の改善は継続することが大切ですが、薬物療法については、症状が改善すれば徐々に減らしていくことも可能です。
生理前の頭痛は、閉経を迎えると女性ホルモンの変動がなくなるため、自然と軽快することがほとんどです。つらい時期は治療の力を借りながら、上手に乗り越えていきましょう。
予防法と日常生活での注意点
一次予防(発症予防)
頭痛が起こるのを未然に防ぐために、以下のことを心がけましょう。
- バランスの取れた食事:特に、セロトニンの材料となるトリプトファン(乳製品、大豆製品、バナナなど)を意識して摂るのがおすすめです。
- 適度な運動習慣:週に数回、30分程度のウォーキングやストレッチを取り入れましょう。
- 十分な睡眠:寝すぎも頭痛の原因になることがあるため、毎日同じ時間に寝て起きる習慣をつけましょう。
二次予防(早期発見・早期治療)
「おかしいな」と思ったら、早めに対処することが重症化を防ぎます。
- 症状日記をつける:自分の頭痛のパターンを把握し、早めに対処できるようにしましょう。
- 我慢しすぎない:痛みが軽いうちに鎮痛薬を服用したり、安静にしたりすることで、ひどくなるのを防げます。
- 定期的な婦人科検診:年に一度は婦人科検診を受け、ホルモンバランスや婦人科系の病気がないかを確認しておくと安心です。
日常生活の工夫
頭痛と上手に付き合っていくために、日常生活でできる工夫があります。
- 光や音の刺激を避ける:頭痛が起こりそうな時や、起こってしまった時は、部屋を暗くして静かな場所で休みましょう。
- 体を冷やさない・温めすぎない:緊張型頭痛の場合は首や肩を温めると楽になりますが、片頭痛の場合は冷やすのが効果的です。自分のタイプに合わせて対処しましょう。
- カフェインの摂り方に注意:カフェインは血管を収縮させる作用があるため、適量であれば片頭痛を和らげることがあります。しかし、摂りすぎや、毎日飲んでいたのを急にやめると、かえって頭痛を誘発することもあるため注意が必要です。
家族・周囲のサポート
つらい症状を一人で抱えるのは大変なことです。ご家族や親しい友人、職場の同僚などに、「生理前は頭痛でつらくなることがある」と伝えておくだけでも、気持ちが楽になります。
「この時期は無理をしない」「つらい時は休ませてほしい」など、具体的な協力をお願いできると、より安心して過ごせるでしょう。
よくある質問(FAQ)
Q1: 生理前の頭痛はなぜ起こるのですか?
A: 主な原因は、生理周期に伴う女性ホルモン「エストロゲン」の急激な減少です。このホルモンの変動が、脳の血管の収縮や拡張をコントロールしている神経伝達物質のバランスを乱し、頭痛を引き起こすと考えられています。
特に閉経が近づく50代はホルモンのゆらぎが大きくなるため、症状を感じやすくなることがあります。
Q2: 50代になり、生理前の頭痛がひどくなった気がします。更年期と関係がありますか?
A: はい、大いに関係があると考えられます。50代は更年期にあたり、閉経に向けて女性ホルモンの分泌が不規則になり、大きく変動します。このホルモンの乱れが、これまで以上に強い頭痛を引き起こしたり、頭痛の頻度を増やしたりすることがあります。
更年期症状としての頭痛と、PMSによる頭痛が合併している可能性もありますので、一度婦人科で相談されることをお勧めします。
Q3: 痛みの種類によって対処法が違うと聞きました。どうすれば良いですか?
A: その通りです。まず、ズキンズキンと脈打つような「片頭痛」の場合は、痛む部分を冷やし、静かな暗い場所で安静にするのが効果的です。逆に、頭を締め付けられるような「緊張型頭痛」の場合は、首や肩を温めたり、軽いストレッチをしたりして血行を良くすると楽になることがあります。
ご自身の痛みのタイプを見極めることが大切ですが、判断に迷う場合は医師に相談しましょう。
Q4: 市販の鎮痛薬が効かなくなってきました。どうしたら良いでしょうか?
A: 市販薬の効果が感じられなくなったり、服用する回数や量が増えたりしている場合は、薬が合わなくなっているか、頭痛が悪化している可能性があります。漫然と市販薬を使い続けると、かえって薬が原因で頭痛を誘発する「薬物乱用頭痛」に陥る危険もあります。
速やかに婦人科や頭痛外来を受診し、ご自身の症状に合った適切な薬を処方してもらってください。
Q5: 薬に頼らずに、生活習慣で改善できることはありますか?
A: はい、生活習慣の改善は非常に重要です。まず、バランスの取れた食事を3食きちんと摂り、特にマグネシウム(海藻、ナッツ類)やビタミンB2(レバー、卵など)を意識して摂取しましょう。
ウォーキングなどの軽い運動を習慣にすることや、十分な睡眠をとって生活リズムを整えることも効果的です。ご自身なりのリラックス方法を見つけて、ストレスを上手に発散することも大切です。
Q6: 低用量ピルは50代でも使えますか?
A: 低用量ピルは生理前の頭痛を含むPMS症状に有効な治療法ですが、40歳以上の方、特に喫煙される方は血栓症のリスクが高まるため、処方は慎重に検討されます。
50代の方に処方できないわけではありませんが、健康状態やリスクを総合的に判断する必要があります。ピル以外にもホルモン補充療法(HRT)や漢方薬など、さまざまな選択肢がありますので、まずは婦人科医とよく相談してください。
Q7: 生理前の頭痛と、危険な病気による頭痛はどう見分ければよいですか?
A: 生理前の頭痛は周期性があり、生理が始まると軽快するのが特徴です。
一方、「突然バットで殴られたような激しい痛み」「手足のしびれや麻痺、ろれつが回らないといった症状を伴う」「日に日に痛みが悪化していく」といった場合は、くも膜下出血や脳腫瘍など、命に関わる病気のサインかもしれません。
このような「いつもと違う」危険な頭痛を感じたら、ためらわずに救急車を呼ぶか、すぐに脳神経外科を受診してください。
Q8: 大豆イソフラボンが頭痛に良いと聞きました。本当ですか?
A: 大豆イソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンと似た構造を持っており、ホルモンバランスの乱れを穏やかにする働きが期待されています。そのため、生理前や更年期の頭痛を和らげる可能性があると考えられており、実際に大豆製品をよく食べる人ほど頭痛が少ないという研究報告もあります。
食事から納豆や豆腐、豆乳などを日常的に取り入れるのは良いことですが、サプリメントで過剰に摂取することは避け、まずは食事での改善を心がけましょう。
Q9: 漢方薬での治療に興味があります。どのような効果がありますか?
A: 漢方薬は、頭痛だけを抑えるのではなく、冷え、めまい、イライラといった体全体の不調和(アンバランス)を整えることで、根本的な体質改善を目指す治療法です。
一人一人の体質や症状(証)に合わせて、呉茱萸湯(ごしゅゆとう)、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、加味逍遙散(かみしょうようさん)などが処方されます。効果の現れ方には個人差がありますが、西洋薬が合わない方や、複数の症状に悩んでいる方には良い選択肢となることがあります。
Q10: このつらい頭痛は、いつまで続くのでしょうか?
A: 生理前の頭痛の多くは、女性ホルモンの変動が原因であるため、月経がある限りは付き合っていく必要があるでしょう。しかし、閉経を迎え、ホルモンの変動がなくなると、うそのように症状がなくなる方がほとんどです。
つらい時期は一人で我慢せず、婦人科などの専門家を頼ってください。適切な治療やセルフケアで症状をコントロールしながら、この時期を上手に乗り越えていきましょう。
まとめ
大切なポイント
- 生理前の頭痛は、女性ホルモンの変動が主な原因であり、我慢する必要のない「治療できる症状」です。
- 50代は更年期と重なり、症状が変化しやすい時期。自分の体のサインを見逃さず、早めに対処することが大切です。
- 痛みのタイプに合わせたセルフケアと、バランスの取れた食事や適度な運動といった生活習慣の見直しが、症状緩和の鍵となります。
- つらい症状が続く場合や、危険な頭痛との区別が不安な場合は、ためらわずに婦人科や頭痛外来などの専門医に相談しましょう。
健康に関するご相談は最寄りのかかりつけ医へ
この記事の健康情報は一般的な内容です。ご自身の症状や体調について心配なことがある場合は、必ずかかりつけ医にご相談ください。
適切な診断・治療には専門医による個別の判断が不可欠です。自己判断せず、まずは信頼できる医師にお話しすることをおすすめします。
監修者プロフィール:沢岻 美奈子さん

日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医。神戸にある沢岻美奈子女性医療クリニックの院長。子宮がん検診や乳がん検診、骨粗鬆症検診まで女性特有の病気の早期発見のための検診を数多く行っています。更年期を中心にホルモンや漢方治療も行い、女性のヘルスリテラシー向上のために、実際の診察室の中での患者さんとのやりとりや女性医療の正しい内容をインスタグラムで毎週配信。




