明日なるかもしれない怖い病気特集#5
今日から意識したい、脳梗塞を遠ざける8つの習慣
今日から意識したい、脳梗塞を遠ざける8つの習慣
公開日:2022年08月23日
脳梗塞を予防する「病気の管理」
高血圧や不整脈、糖尿病などの持病はありませんか? 病気をきちんと管理して、脳梗塞を予防しましょう。
■脳梗塞の予防習慣1:血圧を毎日決まった時間に正しく測る

血圧が高い状態が続くと、脳の細い血管に強い圧力がかかって動脈硬化が進み、脳梗塞を起こしやすくなります。そこで習慣にしたいのが、毎日の血圧測定です。
「朝起きて排尿を済ませたら、家事などを始める前にリラックスした状態で測り、数値を記録します。家庭用血圧計は上腕で測るタイプがおすすめ」と杏林大学医学部付属病院脳卒中センター長の平野さんはアドバイスします。
■脳梗塞の予防習慣2:不整脈を見逃さない

心原性脳塞栓症の原因になる心房細動は、65歳くらいから増え始めます。でも、ご安心を。血液をサラサラにする薬をきちんと飲めば、脳梗塞予防が可能です。
「心房細動を早く見つけるためにも、毎日ぜひ脈を測るようにしてください。最近は、不整脈検知機能が付いた血圧計も市販されています」と平野さん。手首の外側に3本の指を当て、脈の間隔が規則的かどうか確かめます。
■脳梗塞の予防習慣3:高血圧や糖尿病などの生活習慣病を改善する
高血圧、糖尿病、悪玉コレステロールが多い脂質異常症などの持病がある人は、しっかり治療を受けてよい状態を保つことが重要。コロナ禍の状況でも、定期的に受診をして、薬の服用がおろそかにならないようにしましょう。太り過ぎも動脈硬化を進めるので、ご用心!
脳梗塞を予防する「生活の管理」
毎日の生活の中でも脳梗塞予防を心掛けましょう。食事や運動など、すぐにでも始められる習慣を紹介します。
■脳梗塞の予防習慣4:食事は減塩を心掛け、食べ過ぎない
「日本人は『食塩感受性』が高く、塩分摂取で血圧が上がりやすいので、高血圧対策には減塩が非常に重要」と平野さん。ショウガやニンニクなどの香味野菜、レモンや酢、だしなどを活用して、おいしい減塩調理の工夫を。また食べ過ぎや脂肪分のとり過ぎは、肥満や糖尿病、脂質異常症を招きますから、気を付けましょう。
■脳梗塞の予防習慣5:脱水にならないように、こまめに水分補給
体内の水分が不足すると血液が濃縮され、血栓ができやすくなります。乾燥する季節は、気付かないうちに脱水状態になりがち。水やお茶などをこまめに飲んで、水分補給を!
■脳梗塞の予防習慣6:定期的に運動する

「ここ数年は感染症予防もあって、家にいることが多くなりがち。運動不足にならないよう、週に3日以上はウォーキングなどで体を動かしましょう」と平野さん。適度な運動は高血圧や糖尿病、脂質異常症、肥満の改善に効果的。脳梗塞のリスクも下げます。
■脳梗塞の予防習慣7:便秘に気を付ける
トイレで強くいきむと、血圧が急上昇します。これが脳梗塞や脳出血の引き金になることも。便秘の人は食物繊維や発酵食品などで腸内環境を改善して、便通を整えましょう。
■脳梗塞の予防習慣8:冬はトイレや浴室の温度差に注意

冬になり急に寒さにさらされると、血圧が急上昇して危険。シャワーで浴槽にお湯を張り浴室を暖める、ヒーターで脱衣所を暖めておく、トイレは便座を温かくするなど、家の中の温度差を極力少なくする工夫を。また部屋の換気をするときは室温を急激に下げないよう、暖房をつけたままにしておきましょう。
脳ドックを受け、 脳動脈瘤がないか確認を

くも膜下出血は脳卒中全体の4%(平成29年患者調査)に過ぎませんが、女性に多く、発症すると命に関わることも。
「肉親に発症した方がいる場合は一度、脳ドックを受けて脳動脈瘤の有無を調べるといいでしょう。破裂しやすい危険なタイプか、治療が必要かなどを見極めることも重要です」と平野さんは言います。
今回は脳梗塞を予防する8つの生活習慣をご紹介しました。次回は、時間との闘いでもある脳梗塞の治療法についてご紹介します。
教えてくれたのは、平野照之(ひらの・てるゆき)さん

杏林大学医学部付属病院脳卒中センター長。杏林大学医学部教授。1988年、熊本大学医学部卒業。同大学第一内科、国立循環器病センター、豪州メルボルン大学、大分大学などを経て、2014年から現職。専門は脳卒中医療。日本脳卒中学会理事、日本神経学会代議員など多くの学会の要職に就く。著書(監修)に『脳卒中の再発を防ぐ本』(講談社刊)がある。
取材・文=佐田節子 イラストレーション=おおの麻里 構成=大矢詠美(ハルメク編集部)
※この記事は雑誌「ハルメク」2021年2月号を再編集、掲載しています。
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