自分で改善!脊柱管狭窄症 #2

簡単3つのポーズ!脊柱管狭窄症がよくなる毎日体操

簡単3つのポーズ!脊柱管狭窄症がよくなる毎日体操

公開日:2023年08月14日

50代以降に多く見られる「脊柱管狭窄症」を自分で改善する方法を専門医に教わる企画の2回目です。脊柱管狭窄症を招く姿勢や動作の悪いクセを“いいクセ”に変える、自宅でできる簡単体操を3つ紹介します。早速、今日から始めましょう!

教えてくれたのは、金岡恒治(かねおか・こうじ)さん

教えてくれたのは、金岡恒治(かねおか・こうじ)さん

早稲田大学スポーツ科学学術院教授。整形外科専門医、脊椎脊髄病医、スポーツドクター。1988年、筑波大学医学専門学群卒業。同大学整形外科講師を経て、2012年から現職。体幹深部筋研究の第一人者で、Spine Conditioning Station(東京都渋谷区)で運動療法を実践。五輪のチームドクターを務めた。著書は『脊柱管狭窄症 どんどんよくなる!劇的1ポーズ大全』(文響社刊)など。

「安静」よりも「動かす」ことが大事!

痛みやしびれがあると、つい安静にしてしまいますが、それは逆効果だと強調するのは、整形外科医で早稲田大学スポーツ科学学術院教授の金岡恒治さん。「家の中でじっとしていると筋肉が減り、関節の柔軟性や可動域も失われて、かえって症状が悪化します。そこで、ぜひ始めてほしいのが毎日の体操です」

金岡さんがすすめるのは、脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)を招くに至った姿勢のクセや間違った体の使い方を正していく体操。簡単なポーズを毎日続けるだけで、症状が改善していくといいます。「痛みが消えたり、手術の必要がなくなったりする人もいて、私自身、効果に驚いています。脊柱管狭窄症の予防にもなりますから、症状がない方も続けてください」(金岡さん)

「安静」よりも「動かす」ことが大事!

脊柱管狭窄症の症状を改善するには、腰椎(腰部の背骨)や脊柱管に負担をかけない姿勢や動作の“いいクセ”を身につけることが重要です。そこで金岡さんがすすめるのが、「脊柱管を広げる体操」「体幹の筋肉を強くする体操」「腰椎の負荷を減らす体操」の3つ。どれも自宅で簡単にできる内容です。

 

体操1:脊柱管を広げる「四つばい正座」

1つ目の体操は「四つばい正座」。腰椎を丸めて骨盤を後傾させることで、狭くなった脊柱管を広げる効果があります。「ポイントは骨盤の傾きです。脊柱管狭窄症の方に多い反り腰は、骨盤が前傾して腰椎が前に反った状態。四つばい正座では、この前傾した骨盤を後傾させる練習をしていきます」(金岡さん)

「四つばい正座」のやり方

四つ這い正座1

【1】四つばいになる
腕、胴体、太もも、床で四角形をつくるようにして四つばいになる

四つ這い正座2

【2】背中を丸める
口から軽く息を吐きながら、背中と腰を引き上げる。背中を最大限丸めたら、自然に呼吸しながら10秒間キープ

体操1:脊柱管を広げる「四つばい正座」

【3】正座をする
口から息を軽く吐きながらお尻を後ろに引いて正座をする。背中と腰が気持ちよく伸びた状態で10秒間キープ
【1】~【3】を2~3回繰り返す

体操2:体幹を強くする「脚だけハンドニー」

2つ目の体操「脚だけハンドニー」は、体の深いところでお腹をぐるりと取り巻く腹横筋や、背骨の両側で腰椎や骨盤を支えている多裂筋といった体幹深部筋(インナーマッスル)を強くします。これらの筋肉は背骨を守る、いわば天然のコルセット。「体幹深部筋をうまく使えるようになると、腰椎に負荷がかかりにくい正しい姿勢を長時間保持できるようになります」(金岡さん)

「脚だけハンドニー」のやり方

体操2:腰椎の負荷を減らす「股関節緩め」

【1】四つばいになる
「四つばい正座」同様、四つばいになる

体操2:腰椎の負荷を減らす「股関節緩め」

【2】 片脚を上げる
口から息を軽く吐きながら右脚を上げ、自然に呼吸しながら20秒間キープ。左脚も同様に。
【1】~【2】を2~3回繰り返す


【これはNG!】

体操2:腰椎の負荷を減らす「股関節緩め」
骨盤と体の軸が傾かないように注意!

骨盤が傾いたり、体の軸が左右に大きくずれたりすると体幹深部筋が働かないので、体操の効果が弱まる。

体操3:腰椎の負荷を減らす「股関節緩め」

3つ目の体操は、腰椎の負荷を減らす「股関節緩め」。脊柱管狭窄症の人は股関節の動きが硬く、腰椎に負荷がかかりがち。この股関節の動きを柔軟にするのが、腰部の深い場所にあって腰椎から太ももへと延びる腸腰筋のストレッチです。「腸腰筋を伸ばすと股関節が緩み、骨盤も後傾させやすくなって、反り腰も改善します」(金岡さん)

「股関節緩め」のやり方

体操3:腰椎の負荷を減らす「股関節緩め」

【1】腰に手を当てて立つ

体操3:腰椎の負荷を減らす「股関節緩め」

【2】 両足を前後に大きく開く

体操3:腰椎の負荷を減らす「股関節緩め」

【3】腰を落とす
口から息を軽く吐きながら腰をゆっくりと落とす。自然に呼吸しながら20秒間キープしたら、口から軽く息を吐きながら立ち上がる。前後の脚を入れ替えて同様に。
【1】~【3】を2~3回繰り返す

普段から「骨盤の後傾」も意識しましょう

体操3:腰椎の負荷を減らす「股関節緩め」

骨盤が前傾すると腰椎が反り、後傾すると腰椎が丸まります。正しい姿勢は前傾でも後傾でもなく、骨盤がまっすぐ立った状態ですが、脊柱管狭窄症では反り腰で悪化するので、骨盤を後傾させる意識を持つことが大切です。

続けるうちに症状が改善!特に「朝」がおすすめ

今回紹介した3つの体操は、静かに呼吸しながら自分の体の重みだけを使うので、運動に不慣れな人も手軽にできます。毎日少しでもいいので続けると効果が期待できます。特に朝行うと、その日1日の筋肉の動きがよくなるそう。また夕方に症状が強くなる人は、昼間にも行えば腰椎にかかっている負担をリセットできます。ただし体操時に痛みが出る場合は無理をしないようにしましょう。

「できれば3か月は続けてほしいですね。続けるうちに症状の改善を実感できるようになるはずです」(金岡さん)

次回は、脊柱管狭窄症の症状を和らげる生活習慣と、受診の目安について解説します。

※この記事は雑誌「ハルメク」2023年4月号を再編集、掲載しています。


■自分で改善!脊柱管狭窄症■
【第1回】脊柱管狭窄症とは?なりやすい人の4つの特徴 
【第2回】簡単3つ!脊柱管狭窄症がよくなる体操
【第3回】脊柱管狭窄症を和らげる4つの生活習慣&受診の目安

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