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- 脊柱管狭窄症とは?なりやすい人の4つの特徴
50代以上の女性に多く見られる、腰痛や脚の痛み・しびれなどが起こる「脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)」。手術しかないと諦める前に、簡単な体操など自分でできる改善法があるそう。その対策について、専門医に教えてもらいました。
教えてくれたのは、金岡恒治(かねおか・こうじ)さん
早稲田大学スポーツ科学学術院教授。整形外科専門医、脊椎脊髄病医、スポーツドクター。1988年、筑波大学医学専門学群卒業。同大学整形外科講師を経て、2012年から現職。体幹深部筋研究の第一人者で、Spine Conditioning Station(東京都渋谷区)で運動療法を実践。五輪のチームドクターを務めた。著書は『脊柱管狭窄症 どんどんよくなる!劇的1ポーズ大全』(文響社刊)など。
65歳以上の10人に1人!? 脊柱管狭窄症とは
脊柱管は、脳から延びる脊髄などの重要な神経が通る道。この空間が、腰部の背骨(腰椎)を構成する「椎体」の変形や、骨と骨の間のクッション役をしている「椎間板」の突出、背骨を補強している「黄色靭帯」の肥大などで狭くなり、神経が圧迫されて脚の痛みやしびれなどが出てくる……。これが「脊柱管狭窄症」です。
50代頃から増え始め、65歳以上の10人に1人がかかっているといわれる脊柱管狭窄症。腰や脚の痛み、歩行障害などのつらい症状が起こる理由と対策法を知っておきましょう。
整形外科医で早稲田大学スポーツ科学学術院教授の金岡恒治さんは「加齢や家族歴、体質に加え、長年無意識に続けてきた姿勢や動作のクセも発症リスクを上げます。特に反り腰や猫背、背骨を支える深部体幹筋が弱い人は要注意。若い頃からの背骨への負荷が蓄積し、50代60代になって脊柱管狭窄症という形で現れてくるのです」と話します。
脊柱管狭窄症になりやすい人、4つの特徴
●若い頃から腰痛に悩んできた
●猫背が気になる
●反り腰気味
●お腹まわりの筋肉が少ない
姿勢の悪さなどが原因で以前から慢性的な腰痛に悩まされてきた人が、年月を経た後に脊柱管狭窄症を発症するという例が多いといいます。なお、反り腰とは文字通り、腰が反った状態のこと。壁に頭の後ろとお尻とかかとをつけて立ったとき、壁と腰の間に自分の握りこぶしが入るようなら反り腰といえます。
また喫煙、肥満、高血圧や糖尿病の持病がある人も、発症リスクが高いとの報告が。血流の悪化が関係するのではないかとみられています。
こんな人は要注意!脊柱管狭窄症チェック
▢一定の距離を歩くと、ふくらはぎなどが痛くなって立ち止まる。休み休みでないと長い距離を歩けない
▢腰を後ろに反らすと、しびれなどの症状が出る
▢脚に力が入りにくい
▢腰を前に曲げたり、座ったりすると症状が和らぐ
特に上の2つに該当する場合は、脊柱管狭窄症の可能性が大!
脊柱管狭窄症の症状は、一定の距離を歩くと脚が痛くなり、腰を少し前かがみにして休むとラクになって、また歩けるようになるという「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」が代表的。脚が痛むため長い距離を歩けなくなり、生活に支障が出ることも珍しくありません。他に腰を反らすと脚がピリッとしびれる、脚の力が入りにくいといった症状もあります。
「間欠性跛行があり、腰を反らしたときにしびれも出るようなら、脊柱管狭窄症の可能性が大です。腰痛を伴う人もいれば、そうでない人もいます」と金岡さん。
脊柱管狭窄症は50代以上の女性に多く、手術をしようかと迷っている人もいるかもしれません。しかし、金岡さんは「体のよくないクセを正す毎日の簡単な体操で、脊柱管狭窄症は改善します。手術が不要になったケースもあります」と話します。
そこで次回は、金岡さんイチオシの、姿勢のクセや間違った体の使い方を正しくする・簡単3つの体操を紹介します。
※この記事は雑誌「ハルメク」2023年4月号を再編集、掲載しています。
取材・文=佐田節子 イラストレーション=堀川直子 構成=大矢詠美(編集部)
■自分で改善!脊柱管狭窄症■
【第1回】脊柱管狭窄症とは?なりやすい人の4つの特徴
【第2回】簡単3つ!脊柱管狭窄症がよくなる体操
【第3回】脊柱管狭窄症を和らげる4つの生活習慣&受診の目安
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