ヒザや腰…もう痛めない!快適に「一生自分で歩く」カギは筋肉と骨にあり

ヒザや腰…もう痛めない!快適に「一生自分で歩く」カギは筋肉と骨にあり

公開日:2025年11月22日

ヒザや腰…もう痛めない!快適に「一生自分で歩く」カギは筋肉と骨にあり
一生自分で歩く カギは「筋肉と骨」

「一生自分の足で歩きたい」とは、誰もが願うこと。いつまでも歩き続けるためにカギを握るのは、体の不調や痛みを防ぐ筋肉をつける運動習慣と、骨を生かした体の使い方の習慣です。筋肉と骨の大切さについて、2人の専門家に聞きました。

教えてくれたのはこの2人

中村雅俊(なかむら・まさとし)さん

西九州大学リハビリテーション学部准教授。理学療法士。研究の傍らリハビリのプロとして臨床も行う。著書に『たった3秒筋トレ』(講談社刊)がある。

木野村朱美(きのむら・あけみ)さん

株式会社Aru Quality Pro代表取締役。体の使い方を教える「アレクサンダー・テクニーク」の専門教師として、これまで1万人以上に指導。著書に『疲れないカラダの使い方図鑑』(池田書店刊)がある。

読者808人に聞きました!現在ウォーキングの習慣がある?

Q.ウォーキングの習慣はありますか?

読者808人に聞きました!現在ウォーキングの習慣がある?
キャプ:(ハルメクアンケート、55歳以上の女性808人、インターネット調査、2024年10月実施)
  • 現在している 34.8%
  • 1年以内にしたことがある 11.8%
  •  1年以上前にしていた 14.4%
  • したことがない 39%

ハルメク世代の約35%の人が現在歩くことを習慣化できており、多くの人が「歩く」「健康維持」に関心を持っていることがうかがえます。

Q.歩いて感じる体の不調は?(複数回答可)

読者808人に聞きました!現在ウォーキングの習慣がある?

  • ひざが痛い 21.8%
  • 股関節が痛い 13.3%
  • 腰が痛い 13.0%
  • 足の指が痛い 10.9%
  • 息切れ 8.5%

ウォーキング時に不調を感じている人も少なくありません。関節への負担が軽減できれば、よりウォーキングを楽しめます。

歩く習慣だけでは、10年後、20年後も歩き続けられるとは限らない

上記のアンケート結果について、「みなさん、よく歩かれて素晴らしいですね」と話すのは、ストレッチや筋トレに詳しい、理学療法士の中村雅俊さん。

しかし、「歩く習慣だけでは、10年後、20年後も歩き続けられるとは限りません」と警鐘を鳴らします。というのも、全身の筋機能は20〜30代をピークに、80代までに30〜40%も減少するからです。

「これを食い止めるには、ウォーキングだけでなく筋トレも必要。“歩く”習慣に“筋トレ”習慣も加えてみましょう。痛む関節も筋肉でサポートできますよ」

中村さんは、いすに腰を下ろす、かかとを下ろすなど、「下ろす」動作を3秒かけてゆっくり行う筋トレを50代以上の女性にすすめます。「たとえ足腰が弱っていてもラクに習慣化でき、筋力アップの効果大です」

いつまでも行きたい場所へ歩いて行けるように!

いつまでも行きたい場所へ歩いて行けるように!
elise / PIXTA

「一生歩ける体でいるためには、“骨で立つ”ことを意識して」と話すのは、体の使い方に詳しい木野村朱美さん。

骨で立つとは、「本来の骨格を理解して立つこと」。骨の位置を誤解したまま動くと、無意識に筋肉に余計な力が入って体のバランスが崩れ、ひざや腰の負担に。でも、「骨で立てば余計な筋力を使わずに姿勢を保ち、体を痛めません」(木野村さん)

中村さんも木野村さんも「毎日の生活で続けることが大事」と声をそろえます。「いつまでも行きたい場所へ自由に歩いて行けて、やりたいことをできる体をつくりましょう」(中村さん)

知っておきたい「筋肉と骨」5つのこと

1.歩く習慣だけでは、筋力はつかない!?

ウォーキングは有酸素運動で心肺機能アップにはいいですが、一生歩ける筋力はつけられません。歩くのに必要な足腰の大きな筋肉量を増やすには、無酸素運動である筋トレが必須。“歩く”と“筋トレ”のダブル習慣を!(中村さん)

2.筋肉が、関節を痛みから守ってくれる

筋肉が弱るとひざや股関節、腰に直接負担がかかり、痛みや変形の原因に。歩くたびに関節への衝撃が加わり、歩行が困難になることも。だからこそ筋肉をつけて関節を守ることが大切。痛みのある場合は、必ず医師に診断を仰いで指示に従いましょう(中村さん)

3.骨で体を支えれば、筋力をムダ使いしない

多くの人は、無意識に筋肉で体を支えようとしてしまいますが、実はこれが筋肉を疲労させ、痛みの原因に。本来、体を支えるのは骨で、筋肉は動きを生み出す役割。骨で体を支える習慣で、体への負担は軽減できます(木野村さん)

4.骨の位置、“思い込み”をしていませんか?

背中側にあると思い込みがちな背骨――正しくは体の中心にあります。その中心の背骨で体を支えて立つのがラクな姿勢です。骨の正しい位置を理解すれば、反り腰、猫背は改善。無理なく体を動かせます(木野村さん)

5.簡単な運動習慣で、筋力はアップできる!

筋肉は新陳代謝が活発です。ここで紹介している「3秒筋トレ」のような簡単な運動でも、毎日の習慣にすれば筋力を維持、増大できます。60~80代の方に10週間行ってもらったところ、脚の筋力も全身の筋肉量も大幅にアップしました(中村さん)

10週間の3秒筋トレで、筋力・筋肉量がアップ!

いつまでも行きたい場所へ歩いて行けるように!
※出典:中村雅俊「60~80代の男女の10週間のトレーニングによる筋力・筋肉量の変化」(未発表データ)

【脚の筋力】
運動前 平均32.8kg
運動後 平均35.1kg
→ 平均10%アップ!

【筋肉の量】
運動前 平均30.7mm
運動後 平均35.0mm
→ 平均18%アップ!

ハルメクアップでは、筋力アップに効果的な筋トレと、疲れない&痛めない体になる習慣も紹介しています。

取材・文=井口桂介、原田浩二、野田有香(すべてハルメク編集部)、撮影=鈴木真弓、中西裕人

※この記事は、雑誌「ハルメク」2025年4月号を再編集しています


中村雅俊さんの著書:『たった3秒筋トレ』(講談社刊)

中村雅俊さんの著書:『たった3秒筋トレ』(講談社刊)

HALMEK up編集部
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