血管と骨が若返る!5つのおすすめ食材&食べ合わせのコツ
血管と骨が若返る!5つのおすすめ食材&食べ合わせのコツ
公開日:2025年08月13日
教えてくれたのはこの2人
蒲池桂子(かまち・けいこ)さん

女子栄養大学栄養クリニック主任/教授、栄養学博士。生活習慣病予防に精通し、実践しやすい、栄養バランスのいい食材の組み合わせ提案に定評がある。
今泉久美(いまいずみ・くみ)さん

料理家、栄養士。女子栄養大学栄養クリニック特別講師。実践しやすいレシピが評判。著作に『「豆」を食べる習慣が体を守る!』『栄養士が食べている作りおき献立』(いずれも文化出版局刊)など。
「魚」:高い抗酸化作用でさびない体に!

魚には動脈硬化や血管の老化を予防する抗酸化作用があり、体内へのカルシウムの吸収を助けて強い骨を作るビタミンDも豊富。特にマグロ、イワシ、カツオ、ブリなどの青背の魚の油には血液中の脂質を減らすEPA、DHAが多いことでも知られます。
魚は体にいい成分が油にあり、酸化しないうちに食べることが重要。鮮度のいい魚を密封している缶詰は栄養価的にも優秀。蒲池さんは災害用としても常備しているそう。
素材の扱い方・ポイント
<油が酸化しないうちに食べよう>
酸化した油は体内で活性酸素を生み、血管を傷つけます。「魚の油は酸化しやすので、いかに早く食べるかが勝負!」と蒲池さん。
<ひとふりの酒で臭みが消える>

切り身を加熱調理する前に2切れにつき酒大さじ1~2をからめると臭みがなくなり、調味料を控えても風味豊かに仕上がります。
栄養価を高める食べ合わせ
<魚の油を効率よくとれる刺身をカルパッチョに>

生食は加熱するよりも魚の油が酸化せず、EPA、DHAを効率よくとれる方法。トマトとルッコラ、タマネギを添えて抗酸化力をさらにアップ。アーモンドには骨を強くする作用が。白身に塩をふり、オリーブオイルをかけるだけでも美味。
<塩分控えめでもおいしいちり鍋>

魚と豆腐でたんぱく質、野菜、キノコ類が手軽にとれる鍋物。今泉さんのこだわりは、鍋つゆを昆布だしと酒にして塩分を入れないこと。「ポン酢しょうゆにゴマ油や一味、大根おろしを添えたり、つけダレを味変させて楽しんでいます!」
「肉」:体への吸収率が抜群!良質なたんぱく源

肉は血管や骨はもちろん、体全体に欠かせない必須アミノ酸がバランスよく含まれている、良質なたんぱく源。さらに豚肉と鶏肉には、たんぱく質の吸収を助けるビタミンB群が豊富です。
「実は、赤身の肉にはコレステロール値を高める作用はそれほどありません」と蒲池さん。食べやすい赤身のひき肉を汁物や煮物に加えたり、意識してとりましょう。
素材の扱い方・ポイント
<脂身の少ない部位を選ぼう>

同じグラム数でも、脂質が多い部位だと含まれるたんぱく質量は少なくなります。豚肉ならロースやももなど脂質が少ない部位がおすすめ。「豚バラは料理にうま味を加える調味料代わりとして少量を使っては?」と今泉さん。
栄養価を高める食べ合わせ
<免疫力を高めるカボチャとひき肉でそぼろ煮に>

高い抗酸化力、免疫力アップ効果を持つビタミンエース(A、C、E)を含むカボチャにひき肉を加えて。まずひき肉を油で炒めることでビタミンの吸収率を高めます。しょうゆではなくみそで味付けすると控えめの量でもうま味がアップ。
<骨付き鶏肉をスープに>

カルシウムを定着させ、血管壁を構成するコラーゲンをたっぷり含む骨付き鶏肉に、良質なたんぱく源の大豆、栄養価の高いキクラゲ、ビタミンたっぷりの長ネギを加えて塩味のスープに。コラーゲンの吸収を助けるレモンを絞っていただきます。
「乳製品」:カルシウムだけじゃない!乳製品が骨にいい理由

食品の中でも乳製品はカルシウムが豊富で、しかもカルシウムの吸収を助ける乳糖も含まれており、体内への吸収率は抜群。牛乳ならコップ1杯(200mL)で、成人が1日に必要なカルシウム量の1/4~1/3をとることができます。今泉さんはコーヒーを飲むときは牛乳を入れてカフェオレにすることが多いそう。
栄養価を高める食べ合わせ
<グラタンは牛乳とチーズがとれる優秀メニュー>

カルシウムを骨に取り込む作用があるビタミンKが多いホウレンソウや鶏肉も加えて、さらに骨力をアップしましょう。まずタマネギ、ジャガイモ、鶏肉を炒め、小麦粉をふり入れて炒め合わせてから牛乳を加えればダマにならず、さっぱりしたホワイトソースに。
「卵」:卵にはさまざまな栄養素が。1日1個は食べたい!

卵には良質なたんぱく質など、血管と骨に欠かせないさまざまな栄養素がバランスよく含まれています。コレステロールが気になるかもしれませんが、血管の細胞壁の材料にもなる、体にとって重要な成分。不足すると血管がもろくなるので、1日1個は食べましょう。
栄養価を高める食べ合わせ
<野菜を加えてボリュームのある1品に>

卵液をフライパンでひと混ぜしただけの、今泉流・簡単スクランブルエッグ。固まる直前に栄養価の高いトマト、ゆでたブロッコリーを投入して歯ごたえを残し、素材の存在感がある栄養満点の1品に。
「大豆製品」:大豆のたんぱく質は優秀!女性にうれしい効果も

肉や魚と同程度のアミノ酸を含み、体内への吸収率も高い良質なたんぱく質を持つ大豆。血液中のコレステロール値を下げる作用の他、見逃せないのは大豆イソフラボンの効果です。女性ホルモンと構造が似ており、丈夫な骨を作るもとにもなります。「50代からは豆を意識してとる“豆活”をぜひ!」と蒲池さん。
素材の扱い方・ポイント
<賞味期限が長い充填豆腐が便利>

材料を注入したパックごと加熱するので雑菌が入らず、賞味期限が長い充填豆腐。小さめで使い切りやすく、手頃な価格なのもうれしい。軟らかいので水を切れば白あえにも。
<納豆は冷凍できる>

納豆を常備している今泉さん。賞味期限内に食べ切れないことがあるので、パックごと保存袋に入れて冷凍しているそう。前の晩に冷蔵庫に移しておけば翌朝食べられます。
栄養価を高める食べ合わせ
<体が温まる高たんぱくおかゆ>

食欲がない日も食べやすいおかゆ。豆腐を入れればたんぱく質もばっちり。おすすめは鶏ひき肉やショウガを加えること。栄養価が増し、さらに温まります。
<納豆+小松菜で骨強化!>

納豆にはいつも食材を加える今泉さん。カルシウムを体内に取り込むビタミンK2を含む納豆に、カルシウムが豊富な小松菜を混ぜて。
次回は野菜や海藻などの中から特におすすめの食材を紹介します。
取材・文=田島良子(ハルメク編集部)、撮影=小林キユウ、スタイリング=宮澤由香、イラストレーション=谷山彩子
※この記事は、雑誌「ハルメク」2025年1月号を再編集しています




