今すぐできる!高血糖・糖尿病を防ぐ「ゆる血糖コントロール」実践のコツ
今すぐできる!高血糖・糖尿病を防ぐ「ゆる血糖コントロール」実践のコツ
更新日:2025年09月01日
公開日:2025年07月10日
教えてくれた人:綿田裕孝(わただ・ひろたか)さん

順天堂大学医学部附属順天堂医院糖尿病・内分泌内科教授。1990年、大阪大学医学部卒業。米国カリフォルニア大学サンフランシスコ校研究員などを経て、2010年から現職。専門は糖尿病、内分泌学など。糖尿病専門医・指導医。
無理なく実践!「ゆる血糖コントロール」3つのポイント

ポイント1:1年に1回は健康診断を!自分の血糖値を知っておく
1つ目は、少なくとも年に1回は健康診断を受けて血糖値の状態を知っておくこと。チェックするのは“空腹時血糖値”と、過去1~2か月間の血糖値を反映する“ヘモグロビンエーワンシー(HbA1c)”です。
「これらが基準範囲を超えたら早めに生活改善を。軽い段階で始めれば効果も出やすいです」と綿田さん。
【健康診断はどの数値を見ればいい?】
空腹時血糖値(mg/dL)
● 基準範囲:99以下
● 要注意:100~125
● 異常:126以上
HbA1c (%)
● 基準範囲:5.5以下
● 要注意:5.6~6.4
● 異常:6.5以上
空腹時血糖値とHbA1c(赤血球のヘモグロビンと血液中のブドウ糖が結合したもの)が「異常」を超えると、糖尿病と診断される。「要注意」に入ったら、早く生活を見直すことが大切。
ポイント2:「食べない、動かない」より「しっかり食べて、よく動く」
2つ目は食事。糖尿病対策というと、甘いものはダメ、食べる量も減らさなければと思いがちですが、あまり厳しいと実践するのが難しくなります。
「血糖値が少し高めの段階なら、いくつか注意点を守るようにするだけで十分。『食べない、だから動かない』になるのではなく、『しっかり食べて、よく動く』ことこそが重要です」(綿田さん)
ポイント3:楽しみながら続ける
3つ目は、楽しみながら続けること。年齢とともにリスクが上がる糖尿病は、生涯にわたる予防が必要。
「つらいと長続きしないので、体を動かす趣味を作るなど楽しみながらできる血糖値ケアを習慣化してください。糖尿病だけでなく、加齢によって心身が衰えるフレイルの予防にもつながります。今から始めれば10年後が確実に変わります」と綿田さん。
糖尿病についてもっと知るために!「糖尿病Q&A」
知っているようであまり知らない糖尿病。ともすると誤解しがちな点や、疑問を綿田先生にお答えいただきました。
Q.痩せていれば糖尿病にはなりにくい?
【A】実は痩せ過ぎの女性は高血糖になりやすい
肥満は糖尿病のリスクになりますが、一方で痩せ過ぎの女性(BMI18.5未満※)も高血糖になりやすいことがわかっています。綿田さんらの研究によると、痩せている閉経後の女性では食後に高血糖になりやすい耐糖能異常の人が37%いました。同年代女性では17%程度とされていますから、それを上回る割合です。
※BMIは体重[kg]÷身長[m]÷身長[m]で算出
「糖を取り込む筋肉量が少ないことが一因と考えられます。筋肉量の低下は将来のフレイルにもつながりますから、今のうちからしっかりたんぱく質をとり、運動をして筋肉を維持し、痩せ過ぎないよう気を付けてください」(綿田さん)
Q.健康診断で血糖値が高めでした。すぐに病院に行くべき?
【A】まずは生活改善に取り組みましょう
「基準範囲より多少高めの段階なら、まずは生活改善に取り組んで様子を見るといいでしょう。自治体の特定健診では、保健師や栄養士による食事や運動の保健指導がありますから、ぜひ受けるようにしてください」と綿田さん。
Q.薬は飲み始めたら、一生飲み続けないといけないの?
【A】病状が改善すれば薬が不要になることも
糖尿病と診断されると生活改善に加え、薬による治療も必要になることがあります。
「近年は効果的な薬が増え、以前より糖尿病をコントロールしやすくなりました。病気が改善して薬がいらなくなることもあります」(綿田さん)
次回は、厳しくない、長続きする「ゆる血糖コントロール」12の方法を紹介します。
取材・文=佐田節子、イラストレーション=古谷充子、構成=大矢詠美(ハルメク編集部)
※この記事は、雑誌「ハルメク」2024年12月号を再編集しています




