家好き・旅行嫌いの私が50代で「行けるうちに行こう」と思えた3冊
家好き・旅行嫌いの私が50代で「行けるうちに行こう」と思えた3冊
公開日:2026年06月11日
若い頃は「旅行より家が好き」でした。それでも50代になった今、「行けるうちに行こう」と思うように。きっかけは3冊の本との出会いです。日本の魅力を知り、自分の時間を楽しみ、一歩踏み出す勇気をくれた本をご紹介します。
「行けるうちに行こう」と思えた本『DIE WITH ZERO』ビル・パーキンス・著

子どもたちに迷惑をかけないためにできるだけ貯金しなきゃ……そんな価値観を大きく揺さぶられた、出会えて本当に良かった一冊でした。
本書は、アリとキリギリスの「アリはいつ人生を楽しむのか」の問いから始まり、楽しみを先送りにして人生が終わることのないように60代以降は資産を取り崩し、人生の終わりにはお金を使い切るくらいでいい、と提案します。
この考え方にふれ、介護をしていた母の姿を思い出しました。
おしゃれが大好きで、デパートへ出掛けるのが楽しみだった母も、70代になると外出がおっくうになり、近所のスーパーで洋服を買うようになりました。好きな洋服ぐらい買える貯金はあったのに、洋服を買いに行く意欲も体力もなくなっていたのです。
私は母を見て、お金よりも先に体力や行動力がなくなっていくことを知りました。
本書にも、著者が祖母に大金を渡したところ、結局セーターを一枚買っただけだったというエピソードが出てきます。年をとると、お金の使い道よりも、使う気力や機会の方が失われていくのかもしれません。
だからこそ、元気な今のうちに経験へ投資する。
死ぬときに思い出すのは預金残高ではなく、大切な人と過ごした時間や経験。母のことを思い出しながら、貯めることよりも今の思い出を大切にしたいと思うようになり、結果、昨年からは夫婦で宿も決めない気ままな旅をするようになりました。
「いつか行こう」ではなく、「行けるうちに行こう」。そんな気持ちにさせてくれた一冊です。
『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』ビル・パーキンス・著(ダイヤモンド社)
47都道府県を巡りたくなる 『日本製』三浦春馬・著

この本を手にしながら日本中を回ってみたい。
俳優の故・三浦春馬さんが雑誌の連載で4年以上かけて47都道府県を巡り、日本各地の伝統産業や文化、ものづくりの現場を取材した記録『日本製』。
その土地の雰囲気がそのまま伝わる取材風景と著者直筆の感想。技術や伝統を守り続ける人たちへの敬意と、真摯に耳を傾け体験する著者の姿勢に心打たれます。
若い頃の私は「安くていいもの」なら何でもいいと思っていました。でも50代になった今は、商品が生まれるまでの物語に惹かれるようになりました。
三浦さんは本書の中で、「連載を通して文化的なことを感じるアンテナの高さを養ってもらったから、以前よりももっと好奇心を持っていろんなものを考えられるようになれたんです」と書いています。
そんなアンテナを自分の中にも持ってみたい。
47都道府県、これからいくつ巡れるでしょうか。旅の前に読み、その土地への理解を深めてから出掛けたくなる。そんな一冊です。
ホテルステイの楽しみを知る『おひとりホテルガイド』まろ・著

ひとりホテルって憧れるけれど、ちょっぴりハードルが高い。映画やランチ、日帰り旅行まではできるけれど、お泊まりはまだ勇気が出ません。
そんな私が夢中になって眺めたのがこの本。おひとりプロデューサーの著者が、全国の魅力的なホテルとその楽しみ方を、美しい写真とともに紹介しています。
このホテルでは、空間を味わう。
このホテルでは、雪景色と温泉を楽しむ。
このホテルでは、暮らしのヒントを持ち帰る。
著者の過ごし方を追いかけるうちに、自分も同じように滞在してみたくなります。とはいえ、実際に行ったら気後れしてしまいそうだし、写真を撮って終わりそうな自分も……。そんな私の背中を押してくれたのが、著者・まろさんの言葉です。
「普段やっていることも、ホテルでやるとなんだか贅沢に感じられて好き」そして「お部屋に合う優雅なBGMを選んで女優気分を味わう、朝ごはん後に幸せな2度寝をするのもいいですよ」と。
わあ、素敵〜が止まらない本でした。
せっかく泊まるのだから元を取らなきゃ、という発想の先にある楽しみ方を教えてくれます。子育てや介護が一段落し、自分の時間を少しずつ持てるようになった今だからこそ、響く一冊でした。
後半は女性一人でも利用しやすいビジネスホテルや、日帰りでホテル朝食やアフタヌーンティーを楽しむプランも。まずはここから始めてみようかな。




