塩抜きダイエットとは?効果・やり方・注意点・よくある質問【医師監修】
塩抜きダイエットとは?効果・やり方・注意点・よくある質問【医師監修】
公開日:2025年09月16日
この記事3行まとめ
✓塩抜きダイエットはむくみ解消に効果的ですが、それは主に体内の水分が減るためです。
✓50代以上の女性は特に、正しい知識で行わないと体調不良のリスクがあります。
✓自己判断せず、まずは短期間から試し、正しいやり方と回復食の重要性を意識しましょう。
塩抜きダイエットとは?
塩抜きダイエットとは、その名の通り、食事から塩分(ナトリウム)を一時的に制限することで、体に溜まった余分な水分を排出し、むくみの解消や体重減少を目指す食事法のことです。
私たちの体は、塩分濃度を一定に保とうとする働きがあります。そのため、塩分の多い食事を続けると、体は水分を溜め込みやすくなり、それが「むくみ」として現れます。特に、年齢とともに代謝が落ちてくる50代以上の女性にとって、むくみは身近な悩みの一つではないでしょうか。
このダイエットは、主に水分を排出することに焦点を当てているため、脂肪が燃焼するわけではありません。しかし、短期間で見た目がすっきりする、体が軽くなるといった効果が期待できるため、大切な予定の前などに試される方が多いようです。また、味覚をリセットし、食生活を見直す良いきっかけにもなります。
よく見られる身体的効果
塩抜きダイエットは、体内の塩分バランスを意図的に変えるため、いくつかの身体的な変化が起こります。良い変化としては、むくみ、特に顔や足のむくみが取れてすっきりすることが挙げられます。体が軽くなったように感じる方も多いでしょう。
しかし、やり方を間違えたり、長期間続けすぎたりすると、頭痛やめまい、倦怠感、筋肉のけいれんといった体調不良を引き起こす可能性があります。これは、生命維持に不可欠なミネラルであるナトリウムが不足するために起こる症状です。
心理的な変化
塩分を抜くことで、一時的に体重が落ち、見た目が変わるため、達成感や満足感を得られることがあります。また、普段いかに塩分の多い食事をしていたかに気づき、健康への意識が高まるという心理的な良い変化も期待できます。
一方で、厳しい食事制限はストレスになることも。食べたいものが食べられない、味気ない食事に満足できないといった不満から、イライラしてしまったり、ダイエット後に反動で食べ過ぎてしまったり(リバウンド)することもあります。
厚生労働省の「国民健康・栄養調査」によると、日本人の食塩摂取量の平均は、目標量を上回っている状況が続いています。特に、加工食品や外食を利用する機会が多い現代の食生活では、知らず知らずのうちに塩分を摂りすぎている傾向があります。
年代別に見ても、50代以上は長年の食習慣が定着しているため、意識しないと塩分過多になりがちです。塩分を控えることは、ダイエットだけでなく、将来の健康維持、特に高血圧などの生活習慣病予防の観点からも非常に重要と言えます。
塩分を摂りすぎてしまう原因とメカニズム
主な原因
私たちが塩分を摂りすぎてしまう原因は、主に以下の3つに分けられます。
1. 生理学的要因
人間の体は、生命活動を維持するために一定量の塩分を必要とします。また、塩味は「おいしさ」を感じる基本的な味覚の一つであり、本能的に塩分を求める傾向があります。特に、疲れているときや汗をかいた後などは、体が塩分を欲しやすくなります。
2. 環境的要因
現代の食環境は、塩分を過剰摂取しやすい状況にあります。外食、コンビニ弁当、インスタント食品、スナック菓子など、手軽に利用できる食品の多くには、保存性を高めたり、味を調えたりするために多くの塩分が使われています。自炊が中心でない場合、塩分コントロールは非常に難しくなります。
3. 心理社会的要因
ストレスを感じると、味の濃いものが食べたくなるという経験はありませんか?これは、食事がストレス解消の一つの手段となっているためです。また、長年にわたって慣れ親しんだ家庭の味付けが、実は塩分が多めだったということも少なくありません。50代以上になると、こうした食習慣を変えるのは容易ではないかもしれません。
発症メカニズム
塩分(ナトリウム)を過剰に摂取すると、血液中のナトリウム濃度が高まります。すると、体は濃度を正常範囲に戻そうとして、水分を血管内に多く取り込み、体内に溜め込もうとします。これが、血圧の上昇やむくみの直接的な原因となります。
塩抜きダイエットは、このメカニズムの逆を利用します。食事からの塩分摂取を断つことで、体は「これ以上水分を溜めておく必要はない」と判断し、尿として余分な水分やナトリウムの排出を促します。これにより、むくみが解消されるのです。
リスク要因
塩抜きダイエットは、短期間で効果を感じやすい反面、いくつかのリスクも伴います。特に注意が必要なのは、ナトリウム不足による体調不良です。ナトリウムは、体内の水分バランス調整や、神経・筋肉の正常な働きに不可欠なミネラルです。不足すると、頭痛、吐き気、倦怠感、ひどい場合には意識障害などを引き起こす危険性があります。
また、汗を多くかく夏場や、運動習慣のある方が塩抜きダイエットを安易に行うと、脱水症状や熱中症のリスクが高まります。持病(特に腎臓病や心臓病、高血圧など)のある方や妊娠中・授乳中の方は、自己判断で行うべきではありません。
塩抜きダイエット中の受診について
塩抜きダイエットは自己流で行う方が多いですが、もし体調に不安を感じたり、むくみが長期間改善しなかったりする場合は、一度医療機関を受診することをおすすめします。
いつ受診すべきか
以下のような症状が見られる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
- 塩抜きダイエット中に、強い頭痛、めまい、吐き気、倦怠感が続く場合
- むくみが全く改善しない、あるいは悪化する場合
- 塩抜きをしていないのに、慢性的なむくみに悩んでいる場合(他の病気が隠れている可能性があります)、他に足の痛みなどを伴う場合
- 自己判断でのダイエットに不安がある場合
診断の流れ
むくみの原因を調べるための一般的な診断の流れです。
1. 問診で確認すること
医師は、診断の手がかりを得るために、以下のような質問をします。
- いつからむくみが気になりますか?
- どのような食生活を送っていますか?(外食や加工食品の頻度など)
- 他に何か症状はありますか?(息切れ、体重増加、尿の異常、足の痛みなど)
- 現在治療中の病気や、服用している薬はありますか? 問診は非常に重要ですので、ご自身の状況を正確に伝えてください。
2. 身体検査
医師が手足や顔などを触って、むくみの程度や状態を確認します。むくんでいる部分を指で押したときに、へこみが残るかどうか(圧痕性浮腫)などをチェックします。この診察で、むくみの原因を探る手がかりを得ます。
3. 代表的な検査例
必要に応じて、血液検査や尿検査などが行われます。これにより、甲状腺、腎臓、肝臓や心臓の機能、あるいは栄養状態に問題がないかなどを確認します。これらの検査は、単なるむくみだと思っていた症状の裏に、別の病気が隠れていないかを調べるために重要です。
受診時の準備
受診する際は、いつからどのような症状があるのか、食生活の簡単なメモ、服用中の薬があればその情報(お薬手帳など)を持参すると、診察がスムーズに進みます。普段の生活で気になっていることを書き出しておくと、医師に伝え忘れがなくて安心です。
受診すべき診療科
まずはかかりつけの内科を受診するのが一般的です。必要に応じて、腎臓内科、循環器内科、内分泌内科などの専門医を紹介されることもあります。どこに相談すればよいか分からない場合は、お住まいの自治体の保健所や相談窓口で情報提供を受けることもできます。
塩抜きダイエットの具体的なやり方(3日間実践プラン)
安全かつ効果的に行うために、具体的な食事プランと注意点を詳しく見ていきましょう。ここでは、週末などを利用して行える3日間の実践プランをご紹介します。
基本的なルール
- 期間: 最大3日間。体調に異変を感じたらすぐに中止してください。
- 水分補給: 1日に1.5〜2リットルの常温の水や白湯をこまめに飲みます。
- 禁止食品: 塩、醤油、味噌、ソース、ケチャップ、コンソメ、だしパックなどの塩分を含む調味料。ハム、ソーセージ、練り物、漬物、チーズなどの加工食品。パンや麺類(塩分が含まれるため)。外食、インスタント食品、スナック菓子。
- 活用する調味料: 酢、レモン汁、こしょう、カレー粉、チリパウダー、ハーブ(バジル、オレガノ、ローズマリーなど)、香味野菜(ニンニク、ショウガ、しそ、ミョウガ、ネギなど)。
3日間実践食事プラン(例)
【1日目】スタートの日
朝食:プレーンヨーグルト(無糖)に、カットしたバナナとキウイフルーツを乗せて。
飲み物:白湯
昼食:鶏むね肉のハーブ焼き(鶏むね肉に、こしょう、ローズマリー、ニンニクパウダーをまぶして焼く)、たっぷり生野菜サラダ(レタス、きゅうり、トマト、アボカドなど)。ドレッシングは、オリーブオイルとレモン汁、こしょうで手作り。蒸したさつまいも
夕食:豚肉と野菜の蒸し料理(豚肉、キャベツ、パプリカ、きのこなどを一緒に蒸し、ポン酢の代わりにレモン汁でいただく)無塩のおかゆ
【2日目】体が慣れてくる頃
朝食:全粒粉のパンケーキ(塩の入っていないもの)、はちみつとベリーを添えて。
飲み物:ハーブティー
昼食:鮭のカレー風味焼き(生の鮭にカレー粉とこしょうを振って焼く)、ほうれん草とトマトの卵とじ(だしは使わず、野菜の水分で調理)、玄米ごはん
夕食:豆腐ハンバーグきのこあんかけ(豆腐ハンバーグは塩こしょうなしで作り、きのこあんは、きのこを炒め、片栗粉でとろみをつけるだけ)、きゅうりとワカメの酢の物(酢、ショウガのすりおろしで和える)
【3日目】最終日
朝食:オートミール(水で炊き、リンゴのすりおろしとシナモンで風味付け)
飲み物:白湯
昼食:鶏肉と根菜の煮物(鶏肉、大根、人参、ごぼうなどを、昆布と干し椎茸でとった「だし」で煮る。調味料は加えない)、アボカドとトマトの和え物(レモン汁とこしょうで味付け)
夕食:カジキマグロのソテー バルサミコソース(カジキマグロを焼き、バルサミコ酢を煮詰めたソースをかける)、温野菜サラダ(ブロッコリー、カリフラワーなどを蒸して、オリーブオイルをかける)
塩分ゼロでも美味しい!おすすめレシピ3選
1. トマトとアボカドの冷製カッペリーニ風
そうめんやカッペリーニ(細いパスタ)の塩分が気になる方は、しらたきや大根の細切りで代用するのがおすすめです。
材料: しらたき、完熟トマト、アボカド、玉ねぎ、ニンニク、オリーブオイル、レモン汁、こしょう
作り方:しらたきは下茹でして冷水でしめる。トマトとアボカドは角切り、玉ねぎとニンニクはみじん切りにする。すべての材料をボウルで和え、冷蔵庫で冷やして味をなじませる。
2. 鶏肉と彩り野菜のグリル
ハーブとスパイスが、鶏肉の旨味と野菜の甘みを引き立てます。
材料: 鶏もも肉、パプリカ(赤・黄)、ズッキーニ、玉ねぎ、オリーブオイル、お好みのハーブ(ローズマリー、タイムなど)、カレー粉、こしょう
作り方:鶏肉と野菜を食べやすい大きさに切る。ポリ袋に全ての材料を入れ、よく揉み込む。オーブンやグリルで、鶏肉に火が通るまで焼く。
3. たっぷりきのこのポタージュ
きのこの旨味(グアニル酸)を最大限に活かした、満足感のある一品です。
材料: お好みのきのこ(しめじ、舞茸、エリンギなど)、玉ねぎ、無調整豆乳(または牛乳)、こしょう
作り方:きのこと薄切りにした玉ねぎを、少量の水で煮る。野菜が柔らかくなったら、豆乳と一緒にミキサーにかける。鍋に戻して温め、こしょうで味を調える。
回復食とリバウンド防止について
塩抜きダイエットで最も重要なのが、実は終了後の「回復食」です。これを疎かにすると、リバウンドどころか、体に大きな負担をかけてしまいます。
なぜ回復食が重要なのか
塩抜きをした後の体は、砂漠のように乾いて塩分を欲している状態です。そこに突然、普段通りの塩分の多い食事を入れてしまうと、体は「待ってました!」とばかりに塩分と水分を過剰に吸収し、ダイエット前よりもひどいむくみや体重増加を引き起こす可能性があります。
回復食の進め方(2日間プラン例)
【回復食 1日目】体を慣らす
朝食: 重湯または具なしのおかゆ 昼食: おかゆ、ごく薄味の味噌汁(味噌は通常の1/3程度)、蒸し野菜(味付けなし) 夕食: 玄米粥、豆腐とワカメのすまし汁(だしのみ)、白身魚の酒蒸し
【回復食 2日目】少しずつ通常食へ
朝食: 玄米粥、野菜スープ(コンソメなし) 昼食: 玄米ごはん、納豆(タレは使わず、ネギやショウガで)、焼き魚(塩は振らない) 夕食: 通常の食事に戻すが、全体の味付けを薄めに意識する。
この2日間を経て、徐々に普段の食事に戻していきます。この経験を機に、ご自身の普段の味付けがどれだけ濃かったかを感じ、今後の減塩生活に繋げていくことが、塩抜きダイエットの最大の成果と言えるでしょう。
予防法と日常生活での注意点
一次予防(塩分過多の予防)
塩分を摂りすぎない食生活を習慣にすることが、むくみや将来の生活習慣病の最も効果的な予防法です。
- 麺類の汁は「残す」を徹底: ラーメンやうどんの汁には多くの塩分が含まれています。全部飲むのはやめましょう。
- 漬物・加工肉は「たまのご褒美」に: 日常的に食べるのではなく、特別な時に少量だけ楽しむように意識を変えてみましょう。
- 醤油やソースは「かける」より「つける」: 直接食品にかけると、思った以上の量を使ってしまいます。小皿にとって、少しずつつける習慣を。
- 栄養成分表示のチェックを習慣に: 加工食品を買う際は、必ず裏面の「栄養成分表示」を確認しましょう。「食塩相当量」という項目があり、1食あたりの塩分量が分かります。目標値(女性は1日6.5g未満)と比較する癖をつけると、食品選びの目が養われます。
二次予防(早期発見・早期治療)
慢性的なむくみや体調不良を感じたら、放置せずに早めに医療機関を受診することが大切です。「いつものこと」と軽視している症状の裏に、心臓や腎臓の病気が隠れている可能性もあります。
日常生活の工夫(外食編)
外食は塩分が多くなりがちですが、少しの工夫で減塩は可能です。
- メニュー選び: 定食なら、汁物の代わりにサラダを選ぶ、丼ものよりは一品料理を組み合わせる方が塩分調整しやすいです。
- 注文時のリクエスト: 「薄味で」「タレ(ソース)は別添えで」といったリクエストが可能な場合があります。
- 食べ方の工夫: ラーメンの汁は飲まない、お寿司の醤油はネタの先に少しだけつける、サラダのドレッシングは半分残すなど、食べ方でも減塩できます。
家族・周囲のサポート
ご家族の食事を作る機会が多いこの年代。自分だけでなく、家族の健康のためにも、少しずつ家庭の味を薄味にしていくのも良いでしょう。「だし」の旨味をしっかり効かせれば、薄味でも美味しい料理は作れます。一緒に健康的な食生活に取り組む仲間がいると、続けやすくなります。
よくある質問(FAQ)
Q1: 塩抜きダイエットは、どのくらいの期間やるのが良いですか?
A: まずは1日から、長くても3日間程度の短期間で試すのがおすすめです。長期間続けると、体に必要な塩分まで不足してしまい、頭痛やだるさなどの体調不良を引き起こす可能性があります。大切なのは、無理なく安全に行うことです。
Q2: ダイエット中に食べてはいけないものは何ですか?
A: 塩分が多く含まれる、外食、インスタント食品、ハムやソーセージなどの加工肉、ちくわなどの練り物、チーズ、パン、スナック菓子などは避けましょう。調味料も、塩、醤油、味噌、コンソメなどは使わずに、お酢やレモン、香辛料、香味野菜などで工夫すると良いですよ。
Q3: 体重は何キロくらい減りますか?
A: 個人差が大きいですが、1〜2kg程度減る方が多いようです。ただし、これは脂肪が燃えたのではなく、体に溜まっていた余分な水分が抜けたことによる一時的な変化です。ダイエット後は食事の戻し方によって体重も戻りやすいので、一喜一憂しすぎないことが大切です。
Q4: デメリットや危険性はありますか?
A: はい、あります。特に、必要な塩分まで極端に制限してしまうと、めまいや頭痛、筋肉のけいれんなどを起こす危険性があります。また、汗をたくさんかく夏場に行うと、熱中症のリスクも高まります。持病のある方や、体調に不安のある方は、必ずかかりつけ医に相談してからにしてくださいね。
Q5: 終わった後の「回復食」は、どんなものが良いですか?
A: 急に塩分の多い食事に戻すと、リバウンドの原因になります。まずは、お米やいも類を中心とした、胃に優しい食事がおすすめです。野菜スープや具沢山の味噌汁なども良いですが、味付けはごく薄くから始め、少しずつ体を慣らしていきましょう。
Q6: むくみがひどいのですが、塩抜きすれば治りますか?
A: 食生活が原因のむくみであれば、塩抜きで改善が期待できます。しかし、むくみの原因は様々で、心臓や腎臓などの病気が隠れている場合もあります。もし、むくみが長期間続いたり、息切れや体重の急激な増加など他の症状を伴ったりする場合は、自己判断せず、一度医療機関を受診してください。
Q7: カリウムを摂ると良いと聞きましたが、なぜですか?
A: カリウムには、体内の余分な塩分(ナトリウム)を体の外に排出してくれる働きがあるからです。塩抜きダイエット中は、このカリウムを豊富に含む、ほうれん草や小松菜などの葉物野菜、アボカド、バナナ、キウイフルーツなどを積極的に摂ると、より効果的ですよ。
Q8: 味気ない食事に飽きてしまいそうです。続けるコツはありますか?
A: とてもよく分かります。そんな時は、香りを上手に使うのがおすすめです。こしょうやカレー粉、チリパウダーなどの香辛料、しそやミョウガ、ニンニク、ショウガなどの香味野菜、レモンやお酢の酸味などを活用すると、塩分がなくても満足感のある味わいになります。色々試して、お気に入りの組み合わせを見つけるのも楽しいですよ。
Q9: 普段から減塩を心がけたいのですが、何から始めれば良いですか?
A: まずは、加工食品や外食の回数を少し減らすこと、お醤油やソースは直接かけるのではなく小皿にとって「つけて食べる」ようにすることから始めてみてはいかがでしょうか。麺類の汁を全部飲むのをやめるだけでも、かなりの減塩になります。小さなことから、無理なく続けることが大切です。
Q10: 塩抜きダイエットをきっかけに、健康的な食生活を送りたいです。
A: 素晴らしい心がけですね。塩抜きダイエットは、ご自身の食生活を見直す絶好の機会です。これを機に、素材の味を活かした薄味の食事の美味しさに目覚める方も少なくありません。完璧を目指さず、まずは週に1日だけ「減塩デー」を設けるなど、ゲーム感覚で楽しみながら、健やかな食習慣を育てていってくださいね。
Q11: 塩抜きダイエット中に運動はしても良いですか?
A: ウォーキングやストレッチなどの軽い運動は、血行を促進し、むくみ解消を助けるのでおすすめです。ただし、汗を大量にかくような激しい運動は避けてください。体内の水分とミネラルのバランスが崩れやすくなり、脱水や体調不良のリスクが高まります。あくまでご自身の体調を最優先し、無理のない範囲で行いましょう。
Q12: なぜパンや麺類も避けた方が良いのですか?
A: 実は、パンや麺類の製造過程では、味付けだけでなく、生地をまとめるためにも塩が使われています。そのため、ご自身で塩を加えていなくても、知らず知らずのうちに塩分を摂取してしまうことになるのです。特に市販のパンや麺類は塩分量が多めの傾向にあるため、より厳密に行う場合は、これらも避けた方がダイエットの効果を実感しやすくなります。
まとめ
大切なポイント
- 抜きダイエットは、むくみ解消に即効性があるが、体重減少は一時的なもの。
- 正しい知識で行わないと体調不良のリスクも。特に50代からは無理は禁物。
- 成功の鍵は、短期間で行うことと、終了後の「回復食」。
- これを機に日頃の食生活を見直し、長期的な減塩につなげることが最も重要。
なんだか体が重たい、夕方になると靴がきつい。そんな風に、自分の体とのちょっとしたズレを感じることが増えていませんか。それは、あなたが頑張ってきた証でもあるけれど、少しだけ体が「塩分、摂りすぎかもよ」とサインを送ってくれているのかもしれません。塩抜きダイエットは、そんな体からの小さな声に耳を澄ます、良い機会。ストイックになりすぎず、「私の体、いつもありがとう」と労わる気持ちで、まずは一日、試してみて。味覚がリセットされて、野菜の甘さ、お米の美味しさに、きっと驚くはず。私たち世代の美しさと健康は、毎日の小さな選択の積み重ね。このダイエットが、あなた自身を、もっと大切にするきっかけになりますように。
健康に関するご相談は最寄りのかかりつけ医へ
この記事の健康情報は一般的な内容です。ご自身の症状や体調について心配なことがある場合は、必ずかかりつけ医にご相談ください。適切な診断・治療には専門医による個別の判断が不可欠です。自己判断せず、まずは信頼できる医師にお話しすることをおすすめします。
監修者プロフィール:阿部一也さん

IMSグループ医療法人社団明芳会 板橋中央総合病院勤務。日本産科婦人科学会専門医。東京慈恵会医科大学卒業。都内総合病院産婦人科医長として妊婦健診はもちろん、分娩の対応や新生児の対応、切迫流早産の管理などにも従事。婦人科では子宮筋腫、卵巣嚢腫、内膜症、骨盤内感染症などの良性疾患から、子宮癌や卵巣癌の手術や化学療法(抗癌剤治療)も行っている。PMS(月経前症候群)や更年期障害などのホルモン系の診療なども幅広く診療している。




