医師監修│老け見えの原因、ほうれい線対策で若返り!

ほうれい線を消したい!治療法や予防&セルフケア方法

小松 磨史
監修者
みずほクリニック 院長
小松 磨史

公開日:2022.08.30

更新日:2023.02.09

ほうれい線を美容医療で治療したいと考えた場合、いくつかの選択肢があります。ヒアルロン酸注入、糸リフト、ハイフ、高周波、切るフェイスリフト、メーラーファット除去などの治療法について医師監修のもと詳しく解説。予防&セルフケア方法もご紹介します。

ほうれい線とは?

ほうれい線とは、代表的なシワの種類の一つで、鼻の両端から口元の両端にかけて伸びるラインのことを指します。ほうれい線は誰にでもあるものですが、目立ちやすさには個人差があり、一般的に、年を重ねることによって徐々に深くなっていきます。

ほうれい線は顔の印象を左右するシワです。ほうれい線があると老けた印象に見えるため、気にしている人も多い悩みです。

ほうれい線のケア方法には表情筋のトレーニングやマッサージ、たるみやシワに効果のある基礎化粧品を使ったスキンケアなどがあります。

しかし、このようなセルフケアで大きくほうれい線を改善することは難しく、ほうれい線を治療したい場合は、美容医療の施術を受けるという選択肢が考えられます。

ほうれい線ができる原因

まずは、ほうれい線ができる原因をチェックしてみましょう。ほうれい線ができたり、深くなる原因は一つではなく、以下のようにいくつかの原因が関係しています。

  • 頬骨の下に並ぶリガメント(靭帯)の衰え
  • 表情筋の衰え
  • 肌の乾燥
  • 加齢に伴う頬や口元のたるみ
  • コラーゲンやエラスチンの減少
  • 歯の食いしばり
  • 肌をゴシゴシこする、ピーリングのやり過ぎなど間違ったスキンケア
  • 紫外線

ほうれい線の種類

ほうれい線の種類

ほうれい線には、いくつかの種類があります。主に、以下の4種類です。

  • 皮膚たるみ型
  • 筋肉型
  • 骨のくぼみ型
  • 混合型

ここからは、ほうれい線の種類についてそれぞれ詳しく解説していきます。

皮膚たるみ型

皮膚たるみ型は、頬の皮下脂肪減少、加齢による肌のハリ・弾力の低下が原因となってほうれい線が目立つタイプです。

このタイプは皮膚のたるみが原因であるため、仰向けになったときはほうれい線が目立たず、起き上がると目立つのが特徴です。

筋肉型

筋肉型は、表情筋が発達し過ぎていることでほうれい線が目立つタイプです。仰向けになったときもあまりほうれい線に変化がないものの、笑ったときに深くなるという特徴が見られます。

骨のくぼみ型

加齢によって骨が萎縮すると、ほうれい線が目立つようになります。骨のくぼみ型はアジア人に多いタイプといわれ、生まれつきの骨の形も影響しています。

仰向けになると多少目立ちにくくなりますが、線というよりも溝に見えるのがこのタイプです。ほうれい線の上の方、小鼻のあたりがくぼんで見えます。

混合型

皮膚のたるみや骨のくぼみなどの原因が混ざり合っている、混合タイプのほうれい線もあります。

ほうれい線・シワ治療ができる美容医療の施術

ほうれい線・シワ治療ができる美容医療の施術

ほうれい線や気になるシワを治療できる美容医療の施術には、いくつかの種類があります。

ほうれい線の状態は一人ひとり異なるため、美容皮膚科や美容クリニックなどでカウンセリングを受けて、自分の症状や悩み、希望に最適な施術を提案してもらうといいでしょう。

ヒアルロン酸注入

美容医療の施術によるほうれい線治療の代表的なものが、注射器を使ってヒアルロン酸製剤を注入するヒアルロン酸注入です。

ヒアルロン酸は1gで2~6Lほどの水分を保持できるほど高い保湿力を持っていることが特徴で、人間の体の中にもともとある成分です。ヒアルロン酸は40代後半から一気に減っていき、肌のハリや弾力の減少の原因になります。

ヒアルロン酸注入の施術では、ほうれい線の溝など、シワの気になる部分に注射器によってヒアルロン酸製剤を注入することで内側から溝を埋めたり、ふっくらとボリュームアップさせます。

真皮へ直接注入するため即効性があることが特徴で、治療後すぐに効果を実感できます。しかし、ヒアルロン酸は時間が経つと分解され体内に吸収されるため、半永久的な効果は得られません。

シワ治療としては「ボトックス注射(ボツリヌストキシン注射)」も知られていますが、皮膚のたるみによって起きたほうれい線のようなシワには効果は期待できないとされています。

糸リフト(スレッドリフト)

糸リフト(スレッドリフト)とは、医療素材の糸を使って皮膚のたるみを引き上げる、切らないフェイスリフト治療です。

コグ(トゲ)や円錐状のバイオコーンがついた特殊な糸を皮下に挿入して皮膚を持ち上げることで、ほうれい線やシワ、たるみを治療します。

糸リフトに使われる糸は大きく分けて「溶ける糸(吸収性)」と「溶けない糸(非吸収性)」の2つがあり、溶ける糸の場合は、体内に吸収されていくにつれて効果が薄れていきます。

ハイフ(HIFU)

ハイフ(HIFU)とは正式名称を「High Intensity Focused Ultrasound(高密度焦点式超音波治療法)」といい、狙った場所に超音波エネルギーを照射する治療法です。

人間の皮膚は層構造になっており、皮下組織と表情筋の間にある「SMAS層(SMAS筋膜)」と呼ばれる部分が緩むと、肌を支えきれなくなり、たるみやシワが起こります。

ハイフでは、皮膚を切開することなくSMAS層まで熱エネルギーを届けて引き締め、たるみ治療やリフトアップを行います。ダウンタイムを抑えたレーザー治療の一つです。

高周波(RF)

高周波(RF/ラジオ波)治療機器を使い、高周波エネルギーを肌内部に照射する治療も、ほうれい線、たるみ、シワ、毛穴の開き、肌のハリ改善のために行われることがあります。

高周波治療では、肌の真皮層に高周波エネルギーを照射して深部に熱変性を加えることでコラーゲンの産生を促し、肌の内部から引き締めを行います。

切るフェイスリフト

皮膚のたるみが大きい場合、ヒアルロン酸注入やハイフ、高周波などのレーザー治療では十分な効果が期待できないことがあります。

切るフェイスリフトでは、皮膚を切開して一部をはがし、皮膚の下にあるSMAS筋膜を引き上げてリフトアップを行います。このとき、たるんだ皮膚が余るため、余った部分を切除して縫合します。

効果は大きくなる傾向にありますが、皮膚の切開や切除などの手術を行うためダウンタイムが長くなります。

メーラーファット除去

メーラーファットとは、頬骨からほうれい線にかけて存在する皮下脂肪のことです。生まれつきメーラーファットが多い人もおり、ほうれい線が目立って見えることがあります。

また、メーラーファットは加齢によって下垂していくため、ほうれい線が深く見える原因にもなります。

メーラーファット除去では、脂肪吸引専用の「カニューレ」と呼ばれる機器を使い、余分なメーラーファットを除去します。口の内側からカニューレを挿入するため、傷跡は残りません。

その他

美容クリニックでは、クリニックによって提供している施術が異なります。

上記のような施術の他にも、プラセンタ注射、グロースファクター注射、PRP皮膚再生療法などによるほうれい線治療を行っているクリニックもあります。

ほうれい線の予防・セルフケア方法

ほうれい線の予防・セルフケア方法

ここからは、ほうれい線の予防・セルフケア方法をご紹介します。

ほうれい線は深くなってしまってからではセルフケアやスキンケアでの改善が難しくなるため、予防のためのケアをしっかりと行うのがおすすめです。

リガメントほぐし

ほうれい線ができるのは、頬骨の下に並んでいるリガメント(靭帯)のこわばりが原因の一つです。加齢などの影響によってリガメントが弾力を失い、硬くなると皮膚を支える力が弱くなり、皮膚のたるみやほうれい線につながります。

固まったリガメントをほぐし、しなやかにするマッサージが「リガメントほぐし」です。1日2分だけの簡単なマッサージで、ほうれい線にアプローチできます。

リガメントほぐしのやり方は簡単で、上の画像のAからBに向かって親指で斜め上に押していくだけ。1か所につき3秒を目安に押していきましょう。

スキンケアによる保湿

加齢によってコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸が減少し、肌のハリや弾力が衰えるとほうれい線が深く目立つようになっていきます。

肌のハリや弾力を保つためには、年齢に合わせた方法で肌をケアすることが大切です。年を重ねると肌が乾燥しやすくなるため、スキンケアではエイジングケアに必要な成分が含まれた基礎化粧品を使い、しっかりと保湿を行いましょう。

ほうれい線をはじめとしたシワ対策には、たっぷりの化粧水や美容液で肌に水分を補給した後、油分を含むクリームなどでしっかり蓋をして水分を逃さないようにするのがポイント。

なお、スキンケアには正しい順番があり、まずは水分の多いアイテムで肌に潤いを与えてから、油分の多いアイテムを使うのが基本です。商品によっても順番が変わることがあるため、新しい化粧品を買ったときはパッケージをチェックしてみましょう。

紫外線対策

紫外線による肌へのダメージは、ほうれい線を目立たせる原因になります。

紫外線には、UVA、UVB、UVCという3つの波長があります。紫外線の約90%を占めるのがUVAで、肌の深い層である真皮まで到達し、肌のハリ・弾力に欠かせないコラーゲンやエラスチンを変性させてしまいます。

また、紫外線はシミや乾燥の原因にもなる、肌の大敵です。日差しが強くなる夏場だけではなく、一年中しっかりと対策して、肌を紫外線から守りましょう。

気になるほうれい線は日頃からしっかりケアすることが大切

目立ちやすさは人によって異なりますが、ほうれい線は誰にでもあるものです。年を重ねることによって目立ちやすくなる部分でもあり、加齢に伴う自然な変化ともいえます。

しかし、紫外線や間違ったスキンケアはほうれい線を悪化させる原因になります。年相応の肌のハリや弾力を保つためにも、正しい方法でケアしていきましょう。

それでもどうしてもほうれい線が気になる、鏡を見るのが憂うつという人は、美容クリニックで美容医療の施術を受けるという選択肢もあります。

ほうれい線を改善する治療にはいくつかの種類があり、症状や希望によっても適した施術は異なるため、医師としっかり相談して自分に合った治療を選ぶことが大切です。

監修者プロフィール:みずほクリニック院長・小松 磨史さん

みずほクリニック院長・小松 磨史さん

こまつ・きよし 札幌医科大学卒業、札幌医科大学・形成外科入局。札幌医科大学・大学院卒業、医学博士取得。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)。札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大手美容形成外科入職(院長歴任)、みずほクリニック院長に。

日本形成外科学会・形成外科専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士。私達が目指すのは、一人ひとりのコンプレックスを克服し、自信に満ちあふれた笑顔と晴れやかな気持ちでいて頂けることが何よりもの願いです。そのためには真摯に患者様と寄り添い、これからも美容外科医としての使命を果たしていきたいと考えております。

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