原田美枝子さん、
人生に転機をもたらした数々の出合い
2024年には、デビュー50周年を迎える、名優・原田美枝子さん。1998年の映画「愛を乞うひと」では、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞をはじめ多数受賞し、その後も、映画のみならずNHK大河ドラマや朝の連続ドラマ、舞台やナレーター、CM出演など幅広い分野で第一線で活躍しています。
デビューは高校1年生のとき、映画「恋は緑の風の中」(1974年)のヒロイン役でした。2年後、17歳で出演した映画「大地の子守唄」ではブルーリボン賞・新人賞を受賞。10代でキネマ旬報主演女優賞受賞など、高い演技力で一躍人気女優の階段を上っていきます。
しかし、その活躍の裏で、デビュー映画で裸になったことに寄せられる世間の声や、厳しい先輩俳優の言葉に傷つき、自分自身を見失いかけていたと言います。
自暴自棄になりそうになった原田さんを救ったもの、それもまた映画やドラマの世界での出会いでした。勝新太郎さん、黒沢明監督、そして親しい先輩でもあった松田優作さん。原田さんがどう「生きる力」を得たのか、特に松田優作さんの死から導かれるように出合ったことは、その後の原田さんの生き方を方向づけました。