二度と散らからない捨て方のコツ#8

脳の癖を使って部屋を片付け!片付け脳になるコツ3

公開日:2022.12.09

更新日:2022.12.21

片付けと脳は密接な関係があるというのは、脳内科医の加藤俊徳さん。物を捨てることで、脳が活性化して「本当にやりたいことや大切なことが見えてくる」と言います。脳の癖を利用して、物を捨てられる「片付け脳」になる方法を伺います。

加藤俊徳(かとう・としのり)さんプロフィール

加藤プラチナクリニック院長、株式会社「脳の学校(R)」代表。昭和大学客員教授。医学博士。専門は発達脳科学およびMRI脳画像診断で、脳を機能別に8つの領域に分けて診断し、強化する「脳番地(R)トレーニング」の提唱者。加藤プラチナクリニックを開設し、得意・不得意な脳番地を脳診断し、頭がよくなる学習法や脳個性からの適職の選び方など薬だけに頼らない治療や指導を行う。著書に『1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き』(ダイヤモンド社刊)、『一生頭がよくなり続ける すごい脳の使い方  サンマーク出版』、『部屋も頭もスッキリする!片づけ脳』(自由国民社刊)他多数。

「捨てられない」も「すぐ散らかる」も脳の癖のせい?

「捨てられない」も「すぐ散らかる」も脳の癖のせい?

「僕自身が、昔から物を捨てるのは大の苦手だったんです」と言うのは、脳内科医で「脳の学校(R)」代表の加藤さん。“不要な物は捨てましょう”と言うと単純なことのように聞こえますが、実は脳にとって意外と高度なミッションだと語ります。

「脳には癖があって、“もしこれがあれば”という足し算の想像をするのは得意ですが、“これがなかったら”という引き算の想像は苦手です。いくら捨てても、新しい物を手に入れたときほどの高揚感は得られないですしね。だから、捨てるときには、買うときよりずっと強い意志が必要なんですよ」と加藤さん。

一度片付けてもすぐに物が増えて散らかることが多いのは、そんな脳の癖のせいとも言えるそうです。

部屋がスッキリすれば脳内もスッキリ!

部屋がスッキリすれば脳内もスッキリ!

それなら、散らかったままでもしかたがないのでしょうか。

「決してそんなことはありません。物が多いほど、それらを管理するために脳は無意識にエネルギーを消費して、思考が鈍ってしまいがちです。散らかった部屋で暮らしている人は、脳の中も同じように混沌としているといえるでしょう」と加藤さんは言います。

加藤さんの経験でも、部屋を片付けたときほど仕事がはかどるし、物を整理している最中に新しいアイデアが浮かぶこともよくあるとか。

「“捨てる”という作業は、これまでの暮らしを振り返り、この先も必要な物だけを選びとること。何を捨てるか、という選択は、これから何をしたいか、どう生きたいか、という展望に直結します。

不要な物を捨てるとスッキリするのは、脳の中も整理され、自分がやりたいことがクリアになるからです。それは、新しい生活、新しいチャレンジの第一歩になると思います」と加藤さん。

では、どうすれば片付けやすくなるのでしょうか。加藤さんのおすすめは、脳が元気な状態のときに作業すること。

「しっかり睡眠をとって早起きした朝は、脳が一番フレッシュな状態。散歩をして体も覚醒させるとよいでしょう」。 “こんな部屋にしたい”という憧れの部屋の写真を見て、モチベーションを上げるのも効果的です。

「“この人がもし家に来たら……”とときめく人の写真も、脳に活を入れる効果につながります」。また、毎月始め、毎週何曜日、など、捨てる日をあらかじめ決めておくのも手。「“いつやろうかな”と考える余地をなくすことで、脳の負担が減り体が動きやすくなります」と加藤さんは言います。

「片付け脳」になる3つのコツ

さっそく“脳の癖”を利用して捨てる決心をつけ、新しい一歩を踏み出してみましょう。

コツ1:早寝早起き&朝散歩で脳を覚醒

コツ1:早寝早起き&朝散歩で脳を覚醒

しっかり睡眠をとり、運動系の脳部位を刺激することで、高度なミッションに対応できる状態にします。

コツ2:憧れの部屋や人の写真で脳を刺激

コツ2:憧れの部屋や人の写真で脳を刺激

モチベーションを上げ、脳が苦手な「これがなければ」という想像を働かせ、脳のコンディションを整えます。

コツ3:「捨てるルーティン」を決めて脳の負担を軽減

コツ3:「捨てるルーティン」を決めて脳の負担を軽減

意志の力に頼らず、自然と体が動く生活リズムを整えれば、脳の仕事は「要・不要の判断」に絞れます。

全8回で「捨てるコツ」について各専門家に伺った今回の企画。片付けのアイディアや、捨て方がわかりにくい物たまりやすい物思い出の品について、捨てる基準と捨て方についても紹介しています。ぜひ「捨てるコツ」を身に着けて、二度と散らからない部屋にしてください。

取材・文=松尾肇子(ハルメク編集部) 
※この記事は雑誌「ハルメク」2022年5月号を再編集しています。


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