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- 急死した兄の納棺の日に、母が徘徊!?
実家に亡くなった兄が戻ってきて家族全員で泣き崩れてしまいましたが、すぐに葬式の打ち合わせ。家族が一番忙しくなるのですが、その忙しい最中、認知症の母が突然おかしな言動をしてしまいます。今回はそのお話です。
母がいない
急死した兄の納棺をするため、セレモニーホールへ向かう前に認知症の母を迎えに行きました。
母はアルツハイマーのため、出来事は一切忘れてしまうので向かう前に電話をします。兄が亡くなったことは覚えているかな……。忘れてしまっていたら、もう一度亡くなったことを話さないといけないのか……。と、電話口に出る母を待ちました。
しかし、一向に母は出ません。
これは庭でのんきに草むしりしているかもねと笑いながら息子と実家へ向かったのですが、玄関チャイムを鳴らしても出てくる気配はなく、先回りして庭を見に行ってくれた息子も母がいないことを確認。もしかして昼寝してる? と鍵を開けて家の中に入って確認しても、母の姿はありませんでした。
え! どこに行ったの?? 息子と慌てて近所を探しました。
近所のスーパーや母が歩きそうな道、ほとんどを探しましたが母はいません。でも納棺の時間が迫っていたので、一旦セレモニーホールに向かいました。
母、初めての徘徊??
セレモニーホールに着くまでの間、息子がずっと電話をしていましたが、結局母が出ることはないまま納棺を迎えてしまいました。
納棺が済み、改めて電話をするとようやく母が電話口に。
「ちょっと!! どこに行ってたのよ! 今日何の日だったか忘れたの!?」
覚えていられるはずのないアルツハイマーの母に、安堵もあって怒鳴ってしまった私。
「なんか今日はお金が必要なんじゃないかなと思って銀行に行ってたの。でもなんでお金が必要だったのかはわからないのよね」
とにかく今から迎えに行くから準備しておいて!と怒り心頭で実家に向かったのです。
向かっている間、もしかしてこれが徘徊のキッカケになるのではないかと頭をよぎり、亡くなった兄に、助けてよ……と再び涙が溢れました。
母の奇行にはそれなりの理由が
実家に着いて、まさかもうお通夜の事を忘れていることはないだろうかと不安な気持ちで玄関チャイムを鳴らすと、母は喪服に着替えた姿で出てきました。まずは一安心。
「今日納棺だったんだよ! あれだけ昨日言ってボードにも書いてあって、今朝も電話したでしょ! なのにどこに行ってたのよ!!」
着くなり怒鳴った私に母は「今日はなんかお金が必要な気がして、銀行に行ってきたのよ」
しかし、母はかなり前から通帳管理ができなくなり生前の父から私に一式渡されていたため、母は銀行に行っても下ろすことはできないのです。
銀行に行くために4時間も歩き回っていた母。
きっと香典のためのお金をおろそうと思ったのだろうとはわかりました。母なりの理由があっての徘徊。言葉少なくなった母を見て、私も言葉が出ぬまま兄の通夜に向かいました。
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