父が永眠しました
2022.12.282022年10月12日
いきなり始まった私の介護に関わる人生(17)
急死した兄。予想外の盛大な葬式で母は……
母の徘徊事件も解決し、ようやく兄の葬儀を迎えました。予想していた以上の盛大な葬式。兄の偉大さを知って参列の皆様に感謝の気持ちでいっぱいの反面、やはり母は認知症の言動をします。今日はそのお話です。
私だけ、なんで……
母は徘徊のことも忘れて、兄の葬儀のために来てくれた母の姉妹に会って満面の笑顔。「あら~久しぶりね」などという言葉まで言う始末。
でも父が亡くなったときとは状況が違うため、伯母たちも「あなた、大丈夫? お父さんのことも落ち着かないのに、まさか邦ちゃんまで……」そう言われて兄の死を思い出したかのように、そうなのよそうなのよと涙を流す母。
伯母たちは、母が徘徊したため納棺に来れなかったことを耳に入れていたようで、私に声をかけてくれました。
元気な伯母たちを見て、なんで私の母だけ認知症なんだろう。そして、いとこたちを見て、なんで私の兄だけが早くに亡くならないといけなかったのだろうと悔しさと悲しさで涙が止まりませんでした。
兄の偉大さを知る
葬儀の打ち合わせのとき、お義姉さんは遠方勤務であることやホテル業のため従業員は参列せず代表者だけが参列すると思うから、そこまでの参列者ではない、大きな葬儀にならないという考えでした。
その反面、セレモニーホールの担当者は、たとえ遠方であっても現役で働いている方だからどこまでお付き合いがあるかわからない、それなりの参列者は予定しておいたほうが良いというアドバイス。
そして、当日は職場の人から関係者の人、そして友人。お経が終わってもまだまだ焼香してくださる参列者の方が途切れることはありませんでした。私たち身内はもちろん、担当者の方も想像以上で、兄の偉大さをそこで初めて知りました。
誰の葬式だか理解していない母
葬儀中、私はお焼香に来てくださった参列者の方に一礼する席に座るため、母は姑とお義姉さんのお母さんの間に座ってお二人に見守ってもらいました。
母が気になって時々様子を伺うと、参列者が気になって仕方がないのかお経に集中できていないときがありました。途切れない参列者に、息子の偉大さを母もわかってくれたかな。
しかしそうではなく、「今日はお父さんのお葬式よね」「なんで遺影が邦浩なの?」という言葉をずっと言っていた母。
そのたびに姑とお義姉さんのお母さんが、今日は邦浩さんのお葬式ですよと教えてくれる。「あ! 邦浩亡くなったのよね、そうか今日は邦浩の葬式なのね」。
きっと、父の知り合いにあんな人いたかな、あの人は誰だろう……そう思って見ていたのでしょう。そしてその後の食事の時、母は楽しそうに話しながらたくさんの料理を食べていました。
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