急死した兄。予想外の盛大な葬式で母は……
2022.10.122022年08月06日
いきなり始まった私の介護に関わる人生(13)
「兄が心肺停止」と突然の連絡
5歳離れていたこともあり、昔からあまり話すことのなかった兄。父の体の悪いところばかり似てしまった兄。そんな兄と両親の介護を通して話すようになり、ようやく兄妹らしくなってきた矢先、兄に襲いかかった病気。そのお話です。
兄の存在の大きさを知る
父の入院や入所、亡くなってからの実家のこと、お墓やお寺のこと、もちろん母のことなどなど……。兄と話さないと先に進めないことが多くなり、そのたびに電話するのは多忙な兄に申し訳なく、初めてLINE交換をしました。
今までほとんど話すことがなかったので、普段は少々ぎこちない会話だった私たち。LINE上の兄との会話は、とてもしっかりと、そして本当に兄妹のような会話で、私は兄の存在を初めて心身で感じました。
実家のお墓やお寺のことも叔父が兄にアドバイスしてくれ、法事は兄がほとんど仕切ってくれたので、私はノータッチ。叔父にも「お兄ちゃんがしっかりやってくれているから安心だな」と言われ、この時に兄がいてくれて本当良かったと、大きな信頼感を持ちました。
兄と母と三人だけの初めての食事
「父の一周忌法事の件で、いろいろ決めたいことがあるから、お昼ご飯食べながら決めない?」と兄から誘われて、初めて兄と母の三人で外食をしました。父がいたらこの席にいたかっただろうなと思いながら、何となくぎこちない会話でもうれしい気持ちで食事をしました。
兄が頻繁に顔を出してくれるようになったため、三人で食事はもちろんのこと、兄家族や私の家族とも一緒に食事をする機会も増えました。
時には近くの行楽地にも出かけることもあり、父が「自分がいなくなったから、みんなでお母さんのことを守ってくれ」という願いがこういう時間を作ってくれたのではないかと思っていました。
身に覚えのない着信
ある日、仕事を終え一息ついた時に何気なく見た携帯。都内の番号の着信が何件も入っていました。
身に覚えのない番号だったのですが、何回も入っていると気になって、折り返しをする前に番号を調べると都内の大きな病院の番号。え? 病院? と嫌な胸騒ぎがしたところに、お義姉さんからの着信が。
「お兄ちゃんが! お兄ちゃんが……心肺停止で病院に運ばれたって!」
つい3日前に連絡したし、2週間前には母親と三人でご飯を食べに行った……。でもいつもの兄貴だったよ、心肺停止ってなんで?
頭の中で、なんでなんで? がグルグル回ったまま、その時一緒の職場で働いていた姪っ子に急いで「パパが心肺停止で病院に運ばれたって!」と伝え、二人で急いで職場をあとにしました。
兄貴助かって! 助かってて! と願いながら。
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