「匂い」は記憶を呼び覚ます

梅の土用干しは夏の匂い

公開日:2022.07.17

梅雨が明けて、早くも夏がやってきました。みなさんが、「夏が来た!」と感じるのはどんなことからですか? 私の場合は「土用に干す梅の匂い」なのです。

大好きだった梅干しのつまみ食い

大好きだった梅干しのつまみ食い
土用干しの梅 今年(2022年)は色が薄かった

みなさんのご家庭では、梅干しを漬けますか?

私の実家では福島の農家出身の母が毎年漬けていました。大きな陶器のカメにたくさん漬けて、梅雨明けになると庭に広げて天日干しをします。強い日光で、梅がカラカラになって乾いていきます。

私はこの時の梅の匂いが大好きです。

台風のような猛烈な雨が短期間に降る最近の梅雨と違って、昔はしとしとと長い間降っていましたね。家に梅が干してあるということは、長い梅雨も終わり夏休みが近づく印でした。

うきうきした気分で、温かくてしょっぱくてすっぱいぺちゃんこな梅干しをつまみ食いしていました。

結婚後、梅干し作りに挑戦

結婚後、梅干し作りに挑戦

実は私は梅干しが大好きというわけではなく、おにぎりも鮭派なのですが、結婚後実家を出てからは自分で作るようになりました。

市販の梅干しは値段が高く、塩以外の調味料が加えられているものが多かったからです。

料理本を参考にして、マンション6階のベランダで干すことから梅干し作りがスタートしました。以来、30年以上毎年作っています。

梅干しのカビは縁起が悪い? 義母に教わったコツ

「梅干しにカビをはやすと縁起が悪いっていうから漬けないの」と言う知人がいます。

いやいや、怖がっていないで漬けましょうよ!

決めつけないで、事前に対策を行って、それでもだめならその時には全力で対処方法を考える。梅干し作りに限らず、最近の私はそんな感じで何かをしています。

カビ対策としては、義母からコツを教わりました。「焼酎をまぶしてから漬ける」のがその方法です。

焼酎または果実酒用のホワイトリカーを入れたボウルに、洗って水気を拭いた梅をくぐらせてから塩をまぶしています。塩分は20%くらいで漬けています。

毎年ひやひやするのですが、幸いかびさせたことはありません。

義母は「梅干しは夜食べるものではない」という言葉も残しています。

理由はわかりませんが、我が家はよほどのことがないかぎり、その家訓(?)を守っています。昔の梅干しはかなりしょっぱかったので、塩分制限には役立ったかもしれませんね。

なんと娘の好物も…

なんと娘の好物も…
梅酢に戻す前の梅 娘はこの状態が大好き

娘が梅干し大好きです。

子どもの頃好物を聞かれて「1位梅干し 2位ねぎ!」と答えていたくらいですから。ろくなもの食べさせてないように思われるじゃありませんか(笑)。

車酔いがひどかったのですが、梅干しをなめていると酔わないと信じていて、バス遠足の前には自分で担任に許可を取りにいってました。

そんな娘もいつのまにか、天日干しのカラカラ梅干しが一番好きと言うようになりました。「塩以外の添加物が入っているものは梅干しとは認めない」と偉そうなことも言っています。

血は争えないですね。なんだかうれしくなります。

今年の梅雨明けは早くて、慌てて梅を干しました。

娘の記憶の中でも、夏と梅干しは結びつくのでしょうか。それはそれとして、食べる専門ではなくて、そろそろ作る人になってほしいなあ。
 

■もっと知りたい■

K・やすな

漫画、アニメ、映画鑑賞、読書が趣味の自称「オタクな主婦」。子どものころは考古学者か漫画家志望。美術館めぐりや街歩きも好きだが、基本的に単独行動。なぜか、どこへ行っても道を尋ねられる。好きな花はカワラナデシコ。

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