糖質オフ生活奮闘記(40)

食べ物の五性と梅雨の養生薬膳

公開日:2022.05.18

薬膳コーディネーターのさいとうひろこです。食べ物で忘れてはならないのは、その性質です。これを五性といい、西洋医学にはない、中医学独特の考え方です。寒性・涼性・平性・温性・熱性の五つになります。

食べ物の五性と梅雨の養生薬膳
サバの唐辛子味噌煮

食養生の基本、五性とは?

食べ物には、体の機能を促して温めたり、機能を抑えて冷やしたりする性質があります。「五性」は食べ物がもたらす作用に関わる5つの性質です。

  1. 寒性
    体を冷やし、発熱や炎症などに作用します。
    きゅうり・オクラ・なす・ごぼう・帆立等
  2. 涼性
    体をおだやかに冷やし、のぼせやほてりを改善します。
    トマト・レタス・セロリ・そば・すいか等
  3. 平性
    どちらにも偏らず、他の性質を緩和します。
    米・豆類・キャベツ・白菜・長芋等
  4. 温性
    体をおだやかに温め、気や血のめぐりをよくします。
    生姜・玉ねぎ・栗・シソ・鰻等
  5. 熱性
    体をしっかり温め、体の内側から冷えを取り除きます。
    胡椒・唐辛子・羊肉等

季節や体調にあった食べ物選び

暑い地域が原産の物や、暑い時期が旬の物は体を冷やす性質があり、寒い地域が原産の物や、寒い時期が旬の物は体を温める性質が多いようです。

これが分かると、季節や体調、体質に合わせて、毎日の食卓に生かすことができます。暑い季節やほてりやすい人は「寒・涼性」の食べ物をとると体調が整います。また、寒い季節や、冷え性の人は「熱・温性」の食べ物で、不調を改善できます。

梅雨の養生薬膳

五月末には梅雨に入り、湿度が高くなり、カビが生えやすくなります。五臓の脾は湿を嫌うため、働きが悪くなりますから、この時期は、脾の働きを高める事が重要です。

では、体を温め血のめぐりを良くし、利尿作用で余分な水分を排泄するお惣菜を作ってみましょう。

サバの唐辛子味噌煮

梅雨の養生薬膳

【材料】

サバの切り身4切れ  200g
唐辛子        1本
玉ねぎ        1/2
生姜         薄切り6枚
長ネギ        20cm
昆布だし       200ml
日本酒        大さじ3
みりん        大さじ2
醤油         小さじ1
味噌         大さじ1

【作り方】

1.サバの皮側に切れ目を入れる。

2.玉ねぎを1cmの厚さで半月に切る。

3.長ネギは3~4cmのぶつ切りにする。

4.唐辛子は手でつぶし、種も使用する。

5.鍋に昆布だしを入れて沸騰させる。

6.玉ねぎ、長ネギ、唐辛子、生姜の薄切りとその他の調味料を入れる。

7.サバは皮側を上向きに入れる。

8.沸騰したら、落とし蓋をして中火で10分間煮る。

糸唐辛子があれば、飾ると良いでしょう。糸唐辛子は辛くないので、辛味の苦手な方でも大丈夫です。

【食材の効能】

サバ  
糖質や脂質を効率よくエネルギーに変換し、疲労回復に有効なビタミンB2の宝庫。肺・脾の虚弱による慢性の咳・疲れ・無気力・腹部の張り・むくみ

玉ねぎ 
食欲不振・腹部の張り・下痢・消化不良・げっぷ・吐き気・胃もたれ・発熱・悪寒・胸・背・腹の冷え

長ネギ 
冷えによる胸・背部の痛み・腹痛 

生姜  
殺菌・抗菌・消臭・吐き気・咳・痰 

※参考資料
『薬膳コーディネーター講座・薬膳レシピ集』
『薬膳コーディネーター講座・食薬編』
『和の薬膳』
『和の薬膳便利帳』

 

■もっと知りたい■

さいとうひろこ

趣味は落語鑑賞・読書・刺しゅう・気功・ロングブレス・テレビ体操。健康は食事からがモットーで、AGEフードコーディネーターと薬膳コーディネーターの資格を取得。人生健康サロンとヘルスアカデミーのメンバーとなり現在も学んでいます。人生100年時代を健康に過ごす方法と読書や落語の楽しみ方をご案内します。

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