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- 古稀を迎え、誰にでも使ってもらえる作品をめざして
古稀です。ほどいた着物を前に、少し焦りを感じています。「いつか作りたいものができたときにリフォームしよう」と、悠長に構えていられません。もらってくれる人と、何を作ればよいかと考えるこの頃です。
和裁の師匠であった親戚のおばあさんは、ほどいた着物を「綿入れ半纏(はんてん)」にリフォームして、縁のある人にプレゼントしてくださっていました。「この綿入れをもらってくれたら○○が付きます」と言っておまけつきでくださいました。私は家族分よりたくさんいただいて、今も重宝しています。私ももらってくださる人を開拓しなくてはなりません。先ずは提供してくださった方に何か作って差し上げましょう。
割烹着と袋物
娘の姑さんからたくさんの着物をいただいています。お姑さんのお母さんのきものならお姑さんのお姉さんにも使っていただこう。割烹着や袋物なら無難だろうと思い作りました。袋物は着物の幅とバランスを考えながら型紙を取らずに作りました。4つできましたがまだ2つくらい作れそうです。
黒い帯でフォーマルバッグを作る
型紙無しで袋物を作っていると新しいことに挑戦したくなりました。『帯でBag』(大泉睦子著 / 文化出版)の中にフォーマルなバッグがありました。新品の黒の帯地をもっているのでそれで作ろうと思い、正確に製図して、作り方通りに芯地を貼って裁断しました。なかなかいいのができそうです。と思ったのは10の工程の6まで。「7.持ち手をはさんで上部の角を縫う」では図のようになりません。迷路をゴールからたどるようにバッグをひっくり返して出来上がりの形にして、つじつまを合わせながら縫っていきました。説明ではミシン縫いですが、この狭い空間、しかもファスナーの金具の近くです。とてもミシンが入る隙間がありません。鋼板のように皺もなくピシッとしていた布がクシャとなってきます。このあたりで挫折しそうになりましたが、ミシン縫いは諦めて手縫いで仕上げました。
端切れで小物を作る
以前大きなシミがついてしまった娘の一つ身を被布にリフォームしたことを紹介しましたが、その残り布でミニの着物を作りました。まだ少し残ったので携帯用のティッシュケースを作りました。更に端切れを円形にして切り、綿をくるみ蓮の果托の穴に差し込みました。残布ゼロです。
終わりに
3年前まで「ハルメク」の前身「いきいき」の「いきクル」というwebサイトの、「着物リフォーム」というコーナーで同好の方たちと交流していました。「いきクル」は終了してしまいましたが、ハルメクWEBの「ハルトモ倶楽部」に投稿できていい励みになりました。10回目くらいまでは30年間の作品を自分なりにテーマごとにまとめていましたが、徐々にその時々の作品を載せるようになり、制作が加速できました。まだまだほどいた着物がたくさんあります。妹が訪問先で留袖で作られたピアノカバーを見たそうです。私も大柄の留袖を保管しているので、作ってみたいと思っています。
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