【50代夫婦のルール】時に食卓は静かな戦場になる…ある夜の場合
【50代夫婦のルール】時に食卓は静かな戦場になる…ある夜の場合
公開日:2025年07月29日
登場人物
久美(私)
高校生の娘をもつ母親
幸一
久美の夫
夕食は静けさ勝負!夫婦の真剣対決のゆくえは?

今夜の食卓は、ちょっとした戦場です。夫の幸一と私は「いかに音を立てずに夕食を食べられるか」という静けさ勝負を始めました。ばからしいと思われるでしょうか? いえ、私たち夫婦は真剣なんです。
テーブルの真ん中には騒音計。基準値を上回る音を立てたら即失点、2回で皿洗いという罰ゲームつき。
たくあんVSソース、静かなる攻防戦

今夜のメニューは、トンカツ、キャベツの千切りとポテトサラダ、ご飯に味噌汁に、おしんこ。まず私は、味噌汁をそっとすすって様子見。幸一は、いきなりたくあんをパリッ! 静まり返った食卓に音が響きます。
騒音計はギリギリセーフ。どうやらわざと音を立てて見せたようで、得意げな顔で私を見てきます。私は余裕の表情でとんかつソースのキャップを静かに開けてみせます。自分のトンカツに回しかけた後、夫へ手渡します。ソースのキャップは締める時が音を立てやすいのを、私は知っている。
「キャップは自分で閉めなさいよ」と心の中でツッコミつつ、夫婦の小さな駆け引き。
夫の油断を突け!ビールで一発逆転

夫がビールを飲み干したタイミングで、私は冷蔵庫から新しい缶ビールを持ってきて渡します。ここが今夜の勝負どころ!
そして幸一がプルタブを開けた瞬間、「プシュッ!」と大きな音!騒音計のメーターが振り切れました。私はしてやったりの気分で、心の中でガッツポーズです。夫は思わす苦笑い。
一回戦の勝者は私。夫のリベンジなるか?

こうして一回戦は私の勝ち。でも、夫も負けず嫌いなので、このまま引き下がるはずがありません。「次は絶対勝つぞ」と目で訴えてきます。静かな食卓で、夫婦の火花がバチバチと散っています。
そもそも、なぜこんな勝負を?

50代にもなって……と思わないでください。私たちの、この奇妙な対決の裏には、ちょっとした理由があるんです。同じ年頃の子を持つ親なら、きっとわかってもらえると思います。その真相は、もう少し先で明らかに――。
(つづく)
突然始まった“静けさ勝負”が、夫婦や家族の関係にどんな変化をもたらすのか――
続きは〈本編〉ショートドラマシリーズ「音のない食卓」全3話で配信中!
コミカルな攻防戦の先に隠された家族の想い、気になる方はぜひ本編【動画】もご覧ください。
【音のない食卓】キャスト・スタッフ
久美=増岡裕子
幸一=大原康裕
美央=牧紅葉
監督・脚本=五十嵐浩之(GENSHOW)
ヘアメイク=石松英恵




