横山タカ子の「信州・四季の手遊び」・15
7月:年に一度、梅の季節に“さしす”漬け
7月:年に一度、梅の季節に“さしす”漬け
公開日:2021年05月27日
完熟梅に砂糖、塩、酢を入れたら、できちゃった!
我が家には、父が植えてくれた梅の木があります。いつもその梅で、信州では定番のカリカリ梅を漬けていたのですが、もう30年近く前になるでしょうか、一通り収穫した後、熟したきれいな黄色の梅がぽとっぽとっと落ちるのを見て、もったいないなあ……と思ったのです。
私はよくリンゴやあんずなど余った果物を酢で漬けていたので、最初、その完熟梅を酢で漬けてみました。おいしい酢漬けの梅にはなりましたが、ちょっと酸っぱ過ぎて。
その酢を使って酢飯を作っていたとき、 「そうだ!いつも私が作る酢飯の調味料、さしすの分量で梅を漬けちゃおう」と思ったんです。そうしたらもう、びっくりぽん!でおいしくできました。
何でも無理に作ろうとしてできるものではなく、暮らしの中で、あら、こんな物ができちゃった!という瞬間が、たまらなくうれしいものです。
今月のお茶うけ:ミニトマトの“さしす”がけ

梅の「さしす」ができたら、野菜にかけたり、おすしにしたり。こうしてミニトマトを湯むきして「さしす」をかけるだけで、時間を置かなくてもさっぱり、おいしくいただけます。器にこだわるだけで、ちょっとした一品に。
【作り方・レシピ】
- 完熟梅1kgは水でやさしく洗い、竹串でなり口を取り、傷んでいる部分は切り取る。
- 清潔なふきんで梅の水気を拭き、容器に入れる。
- ざらめ糖300g、自然塩100gを加え、米酢800mLを回しかける。
- ふたをして、時々かき混ぜながら、冷暗所に2週間以上おく。
- 梅を取り出し、ボウルの上に置いたザルにのせて汁気をきり、漬け汁「さしす」は瓶に保存する。
- 梅は、土用干し用のザルに並べ、屋外の日当たりのよい場所で3日3晩干す。
執筆者プロフィール:横山タカ子さん
よこやま・たかこ 1948(昭和23)年、長野県大町市生まれ。長野の郷土食の知恵を生かした家庭料理や保存食を提案。NHK「きょうの料理」などテレビ・ラジオで活躍。年に300日は着物で暮らし、古きよき生活の知恵を取り入れたライフスタイルも人気を集めている。著書に『四季に寄り添い 暮らしかさねて』(信濃毎日新聞社刊)など。
撮影=小林キユウ 構成=野田有香(ハルメク編集部)
※この記事は雑誌「ハルメク」2019年7月号に掲載したものを再編集しています。
■もっと知りたい■




