更新日:2025年06月15日 公開日:2025年05月31日

定年女子は、どこへ行く?

お給料が半減しても働く?定年女子の今後のキャリアは何を大事に思うか次第

お給料が半減しても働く?定年女子の今後のキャリアは何を大事に思うか次第

定年を迎える女性たちのこれからの生き方について、定年女子トーク実行委員会委員長、石崎公子さんが考える連載シリーズ。定年女子(※)の間でしばしば出てくる話に、「定年でお給料が半分に減らされるなんて、そんなのやってらんない!」という意見があります。でも問題はそこからの選択。何を大事に思うかで、働き方に対する考え方が違ってきます。

前回は「普通」に働き続けてきた定年女子のこれからのキャリアプランについてお話ししました。今回は、そんな定年女子たちのさまざまなケースをご紹介します。

お給料が減っても働く?働き方や仕事に対する考え方は十人十色

給料が減っても働く?働き方や仕事に対する考え方は十人十色

もらえるお金(お給料)が、一定の年齢を境に減らされたことで喜ぶ人はあまりいないでしょう。だけど問題はそこから先の選択です。

お給料が減らされるくらいなら、そんな仕事なんて要らないと思うのか、それともお給料が減らされてもお金をもらえることが大事と思うのか。

組織に属しているという安心が大事なのか、組織に縛られるよりも自由でいる方が大事なのか。

よく知る組織やよく知る人と働けることが楽しいのか、知らない世界で新たに出会う人と働くのが楽しいのか。

会社勤務を続けることで得られる社会保険などの保障が大事なのか、ないよりあった方がいい程度に思えるのか。

モチベーションがあがらない仕事をするのはつらいと思うのか、仕事なんだからモチベーションなんて関係ないと思うのか。

仕事をするのはお金のため。最低限〇〇円以上のお金をもらわないと……。

などなど、あなたは働くにあたってどんなふうに思うでしょうか。

何を大事に思うのか、何を優先するかは、人によって全然違います。 

やりたいことが見つからない症候群!?定年女子Dさんの場合

やりたいことが見つからない症候群!?定年女子Dさんの場合

定年退職後の今も同じ職場で働き続けている定年女子Dさん。定年退職間際の頃、「やりたいことが見つからない症候群」にかかっていたと言います。

公務員の彼女は、定年後はフルタイム再任用職員に。その期間が終わると会計年度任用職員(事務補助職員)になりました。※公務員なので、このように呼びます。

当時の制度では、公務員は定年後の再任用職員になるとお給料はガクンと落ち、さらに会計年度任用職員になるとガクンガクンと落ちるので、今のお給料は現役の時の1/3くらい⁉

そう考えると、割に合わないと考える人もいるかもしれません。だけど、Dさんは今もほぼ毎日楽しく働いています。

年金ももらっているので、経済的には働かなくてもなんとかなるけど、Dさんには働かない自分が考えられないのだそうです。何より、今も若い人たちと一緒に働くのが楽しいのだそう。

残業もないので以前よりも少しずつ自分の時間も持てるようになり、古い友人と旅をしたり、昔やっていた習い事を再開したりする中で、小さなことを楽しく感じられるようになり、「やりたいことが見つからない症候群」から抜け出せたみたいと笑います。 

定年が楽しみでやりたいことがあったのに…定年女子Eさんの場合

定年が楽しみでやりたいことがあったのに…定年女子Eさんの場合

定年退職したら、あれもしよう、これもしよう、といろいろ考えていた定年女子Eさん。

これまでなかなか時間がなくてできなかった趣味や勉強、旅などを思い浮かべ楽しみにしていたそうです。

だけど、いざ定年退職して1年経ってみたら、何もすることがないような気持ちになり不安になってしまったと言います。思い描いていた趣味も勉強もやる気がなくなってしまったようで結局何もせず、迷子になってしまったみたい、と。

働いていたからこそ、やりたかったのかも、と。

卒業後にアルバイトで楽しみながら働く定年女子たち

卒業後にアルバイトで楽しみながら働く定年女子たち

子ども好きな定年女子Fさんは、定年退職後に学童保育でアルバイトを始めました。

当初は効率化や生産性を重視してきたこれまでの仕事との違いに戸惑いを感じることもあったそうですが、今では仕事というより子どもたちに遊んでもらっていると笑います。もちろん子どもたちの安全、安心な環境を最優先するのは当然のこと。

外出時に子どもたちに偶然会うことも多いそうで、退職して初めて「地域で暮らしている」と実感しているのだそう。

Fさんの学生時代の専攻は教育学。仕事では使わなかったけれど、実は教員免許も取得していました。アルバイトに教員免許の有無は問わないようですが、今、かつての学びが生かされているようです。

定年退職後にいくつかのアルバイトを経て、今のアルバイトは週に3日、午後から夜にかけてマンションのコンシェルジュを担っている定年女子、Gさん。

マンションの住民対応や、住民を訪ねてくる人の対応が仕事です。時には普段接することのない小学生からのお願いを聞くこともあり、面白がりながら、楽しくゆるく働いていて、空いた時間は水泳など好きなことをやる時間に充てているそうです。

Gさんのようにアルバイトをする先輩定年女子は意外に少なくありません。

かつての会社員時代はけっこうハードに働いてきた定年女子たちでも、定年後は「時間で働く」パートタイマーとしてゆるやかに働き、自分のペースで時間を使うことを選択する定年女子たち。仕事に縛られない解放感を満喫しているようです。

定年女子のこれからのキャリアはゼロヒャクじゃない

定年女子のこれからのキャリアはゼロヒャクじゃない

働くことへの思いが十人十色であるように、定年女子のこれからのキャリアはどうすればいいなんてありません。

多くの定年女子が社会通念とかこれまでの呪縛(親の価値観、会社での価値観、世間の価値観等)に縛られて、自分が大事に思うことを忘れたり、見失ったり、気付かなかったりしているよう。その状態でこれからをどうしようと考えるから、ますますわからなくなってしまうのではないかしら。

不安を抱える定年女子たちは、働くか働かないか、定年退職するか継続雇用を選択するか、というように、二者択一、どちらを選べばいいだろうと悶々としている人が多いように感じています。

選択はゼロかヒャクではなく、引き続きガツガツ働くことと、スッパリ仕事を辞めることの間にはいろいろな形があって、自分にはどういう形がいいのかゆっくり探していけばいい。

親しい人や尊敬する人からのアドバイスでなるほど!と思うと、それに引きずられて選択してしまうことがありそうだけど、それはその人の価値観に基づく話であって、自分に合うかどうかは別のこと。

私たち定年女子の「定年」とは、生き方働き方のシフトチェンジのタイミングであって、人生はまだまだずっと続くのです。

今まで一生懸命働いてきた定年女子ほど、定年になって一気に変えようとすると、定年女子Eさんのように迷子になってしまうのかもしれません。私自身も、会社をさっさと卒業したら先が見えなくなり、まさに迷子。つらかった記憶があります。

一気にリセットではなく、少しずつ考え始めたり、気になることを一つずつやってみたりしながら、ゆっくりシフトチェンジしていくことが、気持ちよく次のキャリアへの道につながるのかなと思う今日この頃です。

※定年女子=定年が気になる、定年をきっかけに自身の生き方働き方を考えたい働き続けてきた女性たち

【連載】定年女子はどこへ行く?(毎月更新)はこちらから>>

石崎公子
石崎公子

定年女子トーク実行委員会・委員長。新卒で広告代理店に入社し、勤続25年で退職、独立。会社に囚われない働き方を志向し新規事業を起ち上げるも失敗、試行錯誤を繰り返す。現在は広告やPRの支援、キャリアやコミュニケーションの講座を手がけている。共著に『そろそろこれからを考えよう、定年女子ライフ計画 定年女子ライフシリーズ』ほか。

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