「コップ半分の水」どう思う?偽ポジティブ思考に注意
2024.08.102024年06月16日
海原純子さんの幸せに生きるヒント3
財や美ではない!幸せになるための「才能」の見つけ方
本当に幸せになるには、財や美ではなく誰もが持っている“ある才能”に気付くことだと、心療内科医の海原純子さんは言います。実際のワークショップのエッセンスを集めた連載の第3回。幸せになるための“才能”の見つけ方とは?
海原純子(うみはら・じゅんこ)さんのプロフィール
1952(昭和27)年神奈川県生まれ。東京慈恵会医科大学卒業。医学博士、心療内科医、産業医。昭和女子大学客員教授。最新刊に『幸福力 幸せを生み出す方法』(潮出版社刊)。心をラクに、幸せに暮らすためのヒントを学ぶオンライン講座・動画も人気。
10億円の宝くじに当たったら?
今回は、こんな質問から始めましょう。あなたが10億円の宝くじに当たったとします。いかがですか、これからの人生、幸せに暮らせますか?
10億も当たったら一生幸せに暮らせそう、と思う方も多いと思います。ところが必ずしも、そうはなりません。不思議ですね。
これは実に興味深い調査研究があるのです。アメリカの研究者Brickmanは、高額宝くじ当選者のその後の精神的幸せ度を調査し、「幸せ感はわずか2、3か月で消えてしまう」と報告しています。また別の調査では、アメリカの経済誌「フォーブス」の長者番付に載ったお金持ちたちのうち「37%は平均的アメリカ人よりずっと幸福でない」といっています。
うーむ、10億当たってもだめで「フォーブス」に載るようなお金持ちでも幸せになれないなら、私たちが月にあと10万円、なんて言いながらお金を求め続けたって、一生かけても幸せになれないですね。どうしてでしょう、おわかりになる方はいらっしゃいますか?
その理由は、私たちは持っているものにすぐ慣れてしまう、という特性があるからなのです。
大金が入るとその水準で生活し、その水準に慣れてしまう。持っているのがすぐに当たり前になって、不足することだけに目を向けてしまうんですね。
お金持ちと美人は幸せになれない!?
さらに驚くべき心理研究があります。心理学者のTim KaSSerとRichard Ryanによると、人生の目標をお金や名声、美貌、経済的成功に向ける人は、幸せや喜びの感情を感じることが少なく、頭痛や倦怠感に悩まされる確率が高いんだそうです。
目標は、外的なもの(お金や名声、美貌)に置くのでなく、内的なもの、つまり自分が努力し少しずつ成長したり進化したりすること、そして自分が周囲の人といい関係を持つことに置くことこそが、幸せへのステップだといわれているのです。
才能を見つけることが、幸せへのステップ
私はいつもそれを「ご自分の才能を見つけてください」とお話ししています。才能なんてないわ、と言う方もいるかもしれません。一般的な才能は飛びぬけて何かができることですが、私の言う“才能”はそうではないんです。
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