山本ふみこさんエッセー講座 第9期#3「抽象ではなく、具体で書く」
2024.12.312022年06月02日
山本ふみこさんが選んだエッセーの紹介とQ&A動画
山本ふみこさんエッセー通信講座第2回参加者の7作品
随筆家の山本ふみこさんが講師を務めるハルメクのエッセー通信講座。エッセーの書き方を半年間で学んでいきます。第4期2回目の動画と、参加者の作品から山本さんが選んだ7本のエッセーをお楽しみください。
山本ふみこさんが選んだ7つのエッセー
クリックすると、作品と山本ふみこさんの講評をお読みいただけます。第2回で取り組んだエッセーのテーマは「修理」です。
「せめて会議の前には着替えよう」いぬいみきさん
池のほとりにあるいつものスターバックスに寄る。朝から曇って……
「カシミアカーディガン」大嶋きこさん
いよいよ春到来、温かい日差しに心がなごむ。久々に春色の服を出……
「修理してみれば」小田原薫さん
形あるものは、いつか壊れる。壊れたら、可能な限り修理する。……
「テーブルに味が出てきた」かわばたえつこさん
実家の隣に家を建てた30数年前、私の両親が新築祝いに食卓テー……
「へうげもの」中村優子さん
大井戸茶碗 銘 須弥。別名は十文字。武将茶人として有名な古田……
「分厚い靴下」三澤モナさん
息子が赤ちゃんの時に診てもらった医師は、1歳前の息子を診察し……
「止まってみる」道下裕子さん
キキキー、ブチ! 坂道でかけた自転車の、右のブレーキがちぎれ……
エッセーに関する質問・お悩みに動画で回答
2022年2月、人気随筆家の山本ふみこさんに教わり、半年間でエッセーの書き方を学ぶ通信制エッセー講座・第4期がスタートしました。日本各地から応募した参加者は33名。毎月1本書きあげたエッセーに、山本さんから添削やアドバイスを受け、実践的に学んでいきます。
参加者一人一人が直面する悩みや疑問は、実は、エッセーを書く人にとって共通する学びの宝庫です。ハルメクでは、月1回山本さんが参加者の質問に回答する動画を制作。現在の参加者がいきいきと学べるように、また、どなたでもご覧になって学びを生かせるように公開していきます。
今回の動画では、参加者からの2つの質問を紹介しています。
【質問①】「使う言葉がマンネリになりがち。どうしたらフレッシュな言葉を見つけられますか?」
山本ふみこさん:マンネリを私たちは嫌いますけど、マンネリは何も見なくても感覚でできるということでもあるので、マンネリになることを恐れないで「自分の持ち味」ととらえてほしいと思います。
でも、いつもと違う言葉を使いたいというときは、辞書を使うことをおすすめします。紙でも電子辞書でもいいのですが、書くときは必ずそばに置いて、調べながら書くことが大切です。辞書をひくと、その言葉の意味や類語が書いてあるので、それをまた引き直すことで新しい言葉を自分のものにすることができます。
【質問②】「エッセーの書き始めと書き終わりは、どうしたらよいですか?」
山本ふみこさん:「思いがけないところから始めて、切りっぱなしで終わる」というのが私からのアドバイスです。何それ? とお思いになると思います。ただ、それをしないと小学校の時代に書いていた感想文になりがちです。
私たちには「まとめる」というクセがついているので。エッセーをどこでどう終えるのか、最終的に決めるのは作家であるみなさんですけど、まとめすぎると余韻がなくなってしまうことがあります。それは読者にとって「それは自分で感じます」と言いたくなることかもしれません。
さて、書き始めですけど、書くときには時系列で組み立てていくことが多いと思いますが、それがいいとは限りません。途中から書き始めるのもありだし、会話から始めるのも印象的で私は好きです。
書き始めは、自分の気持ちをどこに持っていくかという意味も持つので、こんなふうにしてみようか、これはどうだろうか、と冒険をしてみてください。
随筆家・山本ふみこさんのプロフィール
1958(昭和33)年生まれ。出版社勤務を経て随筆家に。ハルメクでは連載「だから、好きな先輩」やエッセー講座(会場開催と通信制)の講師でおなじみ。著書に『朝ごはんからはじまる』『まないた手帖』(ともに毎日新聞社刊)『おとな時間の、つくりかた』(PHP文庫刊)『暮らしと台所の歳時記 旬の野菜で感じる七十二候』(PHP研究所)『こぎれい、こざっぱり』『台所から子どもたちへ』(ともにオレンジページ刊)『家のしごと』(ミシマ社刊)ほか多数。公式ブログは http://fumimushi.cocolog-nifty.com/
ハルメクの通信制エッセー講座とは?
全国どこでも、自宅でエッセーの書き方を学べる通信制エッセー講座。参加者は毎月1回出されるテーマについて書き、講師で随筆家の山本ふみこさんから添削やアドバイスを受けられます。講座の受講期間は半年間。
現在、参加者を募集中です。次回第5期の参加者の募集は、申込締切は2022年7月4日(月)まで。詳しくは雑誌「ハルメク」7月号の誌上とハルメク旅と講座サイトをご覧ください。