上大岡トメの老いを楽しむ!生き方のタネ・17

トメサイズ11:一生歩ける体になる簡単エクササイズ

公開日:2021.10.09

更新日:2022.09.27

イラストレーター・上大岡トメさんが老化について学び、50歳からを楽しむ生き方のアイデアを紹介する「老いを楽しむ!生き方のタネ」。1回2分で心と体をケアする「トメサイズ」第11回は、大内転筋と大胸筋を鍛えるエクササイズです。

著者プロフィール:上大岡トメ

上大岡トメ


かみおおおか・とめ 1965(昭和40)年、東京都生まれ。東京理科大学卒。イラストレーター。山口県宇部市在住。著書に『キッパリ! たった5分間で自分を変える方法』『ずさんな家計を整えました。』『子どもがひきこもりになりかけたら』『日本のふくもの図鑑』など多数。最新刊は、コミックエッセイ『老いる自分をゆるしてあげる。』(幻冬舎刊)。最新情報は、トメサイズインスタTwitterで。

一生歩ける体になるために大切な筋肉!大内転筋

一生歩ける体になるために大切な筋肉!大内転筋

なるべく介護されないためには「最期まで歩く」こと。それを実現するために鍛える筋肉を4つ、ご紹介してきました。

9回目はヒラメ筋、10回目は大殿筋。そして今回は、3、4番目の筋肉を鍛えるトメサイズをご紹介します。

歩くために必要な筋肉の3番目は「大内転筋」です。

大内転筋は、内股にある筋肉です。もし「好きな筋肉はどれですか?」と聞かれたら、私は真っ先にこれを挙げます。なぜかというと、太ももを引き締めてくれるんです。

私は30代の頃、エアロビクスに夢中でした。

聴いているだけでキモチがあられるユーロビートの音楽と、カラダを滴り落ちる滝汗が、すべてを忘れさせてくれる。その爽快感がやみつきになり、大会にも何度かエントリーしました。これが私の「体育会系生活歴史」の始まりです。

でも、気になることが一つ。やればやるほど上半身は細く絞られるけど、下半身、特に太ももは太くなっていくんです。

こんなに運動してるのに、下半身が痩せないのはなぜ? その原因は、使う筋肉にありました。

大内転筋のトレーニングは下半身太りにも効果あり!

脚を高く上げる(ハイキック)のとき、私は太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)を使っていました。

だから、やればやるほどこの筋肉が発達して、太ももの表面やふくらはぎに筋肉がこんもりついていきました。

まるで鶏の手羽元みたい……! なんか、細い脚に突然こんもり肉がのっている感じなのです。

大内転筋のトレーニングは下半身太りにも効果あり!
コミックエッセイ『老いる自分をゆるしてあげる。』(幻冬舎刊)より

でも、40歳を過ぎてクラシックバレエに移行してから、使う筋肉が激変しました。

美しい体のラインを求められるバレエでは、太ももの前の筋肉を使うのはNG! 足を上げる場合、主に大内転筋と腸腰筋(お腹にある足の付け根のあたりの筋肉)を使うのです。

バレエを始めて3年が経過したある日。スタジオの鏡に映る自分の姿に「あれ?」と思いました。

明らかに太ももが以前よりほっそりしています。それも衰えて細くなったのではなく、筋繊維がみっちりと入ったしなやかな太もも。脚の付け根にスキマができて、むこう側の景色がのぞけます。

さあ、これでモチベーションがグンと上がりましたね!(笑)

太ももを美しく引き締めつつ、一生歩ける体になるために、大内転筋を鍛えましょう。

大内転筋を鍛えるトメサイズ

  1. 膝の頭にクッション(丸めたタオルや二つ折りにした座布団でもOK)などを挟む。
  2. 姿勢を整えて、ひと息吸って。

    大内転筋を鍛えるトメサイズ(タオルを足の間に挟む)

  3. 姿勢をキープしたまま、吐く呼吸で左右の足で挟んだクッションを潰す。このとき、大内転筋を意識する。

    大内転筋を鍛えるトメサイズ:左右から足でタオルを挟む

    くれぐれも前のめりにならないように気を付けて。
     
  4. これを5回繰り返します。

ラストは「大胸筋」!猫背改善&バストアップに効果あり

そして、いよいよ最後、4番目の筋肉が「大胸筋」です。

筋肉は動かさないまま年を重ねると、どんどん内側に縮んでいきます。まるでスルメを焼いたときのように。

コミックエッセイ『老いる自分をゆるしてあげる。』(幻冬舎刊)より

年を取ると肩も前に入るので、どんどん猫背になっていきます。

スマホを使うと背中はさらに丸くなる。悪い姿勢で歩くのは、とても疲れます。

この猫背をストップさせるのが「大胸筋」なんです。そして、このトメサイズには、バストアップといううれしい副作用もついてきますよ。

さぁ、またモチベーションが上がったところで(笑)、大胸筋を鍛えましょう!

大胸筋を鍛えるトメサイズ

  1. 胸の前で合掌。ひじは、左右が直線になるくらい張る。肩はリラックス。

    大胸筋を鍛えるトメサイズ:胸の前で合掌、肩はリラックス

    ひと息吸って……
     
  2. 吐く呼吸で、左右から手のひらを押し合う。5つ数えてキープ。

    大胸筋を鍛えるトメサイズ:息を吐きながら手の平を左右から押し合う

    このとき、腕や肩の筋肉に力を入れるのではなく、大胸筋を意識する。
     
  3. これを3セット繰り返す。

以上、歩くために必要な筋肉、大内転筋と大胸筋を鍛えるエクササイズでした!

歩くことは運動・移動のためだけではなく、「見える景色を変える」ことにもつながります。

普段バスや電車でサッと通り過ぎる場所を歩いてみると、「へぇ、こんなお店がある」とかなんだか郷愁を誘う路地を見つけたり、新発見があります。

それが気分転換や、新しいネタの発見につながることも(私の場合ですが)。

人生の最期まで歩く。それをゴールに、トメサイズをじわじわ続けて、歩くことをさらに楽しみましょう!

構成=竹下沙弥香(ハルメクWEB)


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上大岡トメ

1965年、東京都生まれ。東京理科大学卒。イラストレーター。山口県宇部市在住。著書に『キッパリ! たった5分間で自分を変える方法』など多数。最新刊は、コミックエッセイ『老いる自分をゆるしてあげる。』(幻冬舎刊)。
★最新情報は、上大岡トメさんのトメサイズインスタTwitterもチェック!

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