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日常生活の工夫で無理なくダイエット
下半身太りの原因を解説!3つの対策でスラリ美人
株式会社OLIVIER(Salon de Cachette)代表取締役
関戸亜美
公開日:2021.07.15
更新日:2023.10.31
50代に入り、どんどん体重が増えて下半身太りも悪化!代謝の低下に加え、動かさない筋肉の上に脂肪はつきやすく、ホルモンバランスも変わってくるので痩せにくい状態です。今回は、下半身太りの原因とおすすめの対策法3つをご紹介します。
監修者プロフィール
株式会社OLIVIER(Salon de Cachette)代表取締役 関戸 亜美さん
エステ、ホテルスパ含め経験18年。
自身の施術経験、エステティシャンの派遣業務、コンサル経験から2014年11月にサロンドカシェット赤坂店を立ち上げ。 その後2015年4月に法人化し2015年6月サロンドカシェット表参道店、2016年10月表参道ANNEX店、2017年8月サロンドカシェット銀座店、2018年3月銀座ANNEX店をOPEN。表面上の美だけではなく、内面から整う心身健美を提供する、サロンドカシェットを運営。
サロンでは【人生が変わるエステ】としてコーチングしながらカウンセリングをし、目標設定して二人三脚で”なりたい姿”へサポートしていきます。
多くの女性が悩む「下半身太り」その原因は?
下半身太りに悩む女性は多く、中には下半身に「セルライト」が見られる人もいます。セルライトとは、皮下に肥大化した脂肪細胞のまわりに、老廃物を含んだリンパ液が滞ってコラーゲン繊維を巻き込み、ボコボコに見えた状態です。まずは、女性の下半身が太りやすい理由を具体的に見てみましょう。
むくみ
むくみとは、リンパ液の流れが悪くなっている状態を指します。体の中でも下半身は、特にむくみ太りが起きやすい部位です。
下半身がむくみやすい理由は主に2つ。
1つ目は、下半身は心臓から離れた位置にあり、リンパ循環が滞りやすいためです。リンパ液は動脈側の毛細血管から血液の液体部分が濾し出されたもので、細胞に栄養を運搬し、細胞から出る老廃物を回収してリンパ管に入ります(最終的には鎖骨下静脈に合流するので、下肢はむくみやすいゾーンと言えます)。
リンパ腺には心臓のようなポンプ機能がついていないため、動脈の拍動や筋肉のポンプ作用によって循環が促されます。そのため、血行不良や運動不足の場合はリンパが滞り、むくみやすくなります(特に下肢の内側が滞りやすいゾーンです)。
2つ目は、重力の影響で下半身に水分や血液が溜まりやすいためです。特に、デスクワークで座り姿勢が長くなりがちな人や、立ちっぱなしの仕事をしている人は下半身がむくみやすいと考えられます。
例えば、デスクワークで5時間座りっぱなしの場合、体を曲げているのでおへそから下の循環を止めてしまっている状態です。下肢もむくみますし、下腹も5cm大きくなったという例もある程です。リンパは筋肉運動によって流れるので、立ちっぱなしで動かない場合もむくみやすくなります。
なお、女性は性ホルモンの影響で生理前もむくみやすい人が多いようです。
排卵後に分泌される「プロゲステロン」というホルモンは、体に水分を溜め込む作用があると言われています。生理前に同じ姿勢を続けていると、滞ったリンパ液の影響と重なって下半身がむくみやすくなります。
加齢による代謝の低下
生きるために最低限必要なエネルギーを基礎代謝と言います。安静時や睡眠時にも体内で行われている細胞の働きで、成長期のピークにあたる12~14歳で1410kcalと最も高く、徐々に減少して成人女性は1200~1400kcal。50歳以上では1100kcalを切ってしまいます。
代謝は5つに分けられ、その中の形態代謝(食べたものを分解し、また違う形に作り変える機能)は、20~40歳で約半分になります。
基礎代謝は加齢と共に低下していき、基礎代謝が下がると、形態代謝が減るので、食べ物を食べても代謝して作り変えることができなくなり、脂肪細胞に蓄えてしまうため、脂肪細胞が肥大化して太ります。
つまり、若い頃と同じ食事量や運動量でもエネルギーの消費量が減り、脂肪がついて太りやすくなるのです。
女性はもともと、男性よりもヒップや太ももに脂肪が多くついており、女性らしいボディラインを作っています。そのため、50代以降の女性は基礎代謝が低下してヒップや太ももに少し脂肪が増えるだけでも、下半身の太さが目立ってしまいがちです。
運動不足による筋肉の減少
加齢と共に運動不足になる女性は多いようです。運動習慣そのものが無くなることに加え、車での移動やテレワーク、オンラインショッピングなども体を動かす機会の減少につながっています。
運動不足になると、以前は運動によって消費されていたカロリーが減ることにより、余剰カロリーとなるため、脂肪に変換して貯蔵され、太ってしまいます。
また、運動量が減ると筋肉量も減少します。50代以降の女性は加齢に加え、運動不足によって筋肉が減ることで基礎代謝が下がり、下半身太りを招きやすくなります。動かさない筋肉の上に脂肪はつきやすく、さらに、50代以上はホルモンバランスも変わってくるので、ダイエットをしても痩せにくくもなります。
骨盤など体の歪み
デスクワークの時やスマホ画面を見る時に、あなたはどんな姿勢をしていますか? 足を組む、猫背になるなどの悪い姿勢を続けていると、背骨や骨盤が本来の正しい位置からずれて歪みが生じてしまうことがあります。
また、立っている時に片側の足に体重をかけたり、反り腰になったりしている人も、要注意。
背骨や骨盤は全身を支える大切な骨格です。特に骨盤が歪むと下半身の血流が悪くなり、下半身の冷えや骨盤が歪むと、動きが悪くなることで基礎代謝の低下を招き下半身太りにつながってしまうことがあります。
おすすめの対策法1.食事編
ここでは、下半身太りを予防・解消する食事方法をご紹介します。ポイントは塩分の過剰摂取を控えることと、基礎代謝をアップする食べ物を取ることです。
塩分の取り過ぎを控える
塩分=ナトリウムは水分を体に溜め込む性質があります。取り過ぎると、体は体内の塩分濃度を一定に保とうとして水分を溜め込みます。これがむくみにつながると言われています。
対策は普段の食事で塩分を取り過ぎないこと。塩分を控えるには、ショウガやコショウ、わさびなどの薬味やスパイスを使って味にアクセントをつけたり、お酢やレモンを使って酸味を加えたりする方法があります。
また、味噌汁や煮物などの和食に少量の牛乳を加える「乳和食(にゅうわしょく)」もおすすめ。牛乳を加えることで味にコクが出て、減塩メニューでもおいしく食べられます。
和食は栄養バランスが良い一方で、塩分が多い食事です。50代以降の女性で和食を好む人は多いですが、和食の塩分が気になる人は乳和食などを取り入れてみましょう。
カリウムで余分な塩分を排出する
カリウムには体内の余分な塩分を排出する働きがあると言われています。塩分の取り過ぎでむくみがある時は、カリウムを含む食材を摂取するのもおすすめです。
カリウムを豊富に含む食べ物には
、ほうれん草・春菊などの野菜、アボカド・バナナやメロンなどの果物、あずきや枝豆などの豆類、ひじきやわかめなどの海藻類などがあります。身近な食材が多いので、普段の食事に取り入れやすいですね。さまざまな食材を取ることで栄養バランスも整いやすくなります。
なお、カリウムは水溶性のため、茹でると水に溶けます。食材を茹でる時は、カリウムを含んだ汁ごと食べられる味噌汁やスープなどにすると、効率的に摂取できます。
たんぱく質で筋肉を増やす
たんぱく質は筋肉の材料になり、体の中でアミノ酸に分解されて基礎代謝を上げ、痩せやすい体づくりをするために役立つ栄養素です。たんぱく質は肉や魚介・卵・大豆製品・乳製品などに多く含まれていて、「体重×1.0~2.0g」が一日の必要量となっています。
例えば、体重50kgの女性に必要なたんぱく質量は、最低50~100g。しかし、一度に処理できるたんぱく質量は20~30gしかありませんので、それを分けて摂取していくイメージです。
一日に必要な量のたんぱく質を取るコツは、3度の食事で毎回、たんぱく質が豊富な食材を取り入れること。忙しい朝は簡単な調理ですぐに食べられる卵・納豆・牛乳・ヨーグルトなどを常備しておくと便利です。ただ、食べ過ぎるとダイエットの妨げになるため注意が必要です。
また、最近は、たんぱく質を加えた加工食品の他、手軽なプロテインドリンクやアミノ酸も販売されています。食事の補助的な役割として、これらの加工食品でたんぱく質を補うのも一つの手です。
体を温める食べ物を取る
体の冷えに悩む女性は多いですが、冷えは基礎代謝の低下を招いて太りやすくなるため、ダイエットの大敵です。体の冷えを感じる人は、体を温める食べ物を積極的に取りましょう。
東洋医学では、食べ物には体を温める「陽性」の食材と、体を冷やす「陰性」の食材があると考えられています。陽性の食材には、ショウガ・ネギ・ニラ・ニンニク・カボチャ・鮭・鶏肉・黒砂糖などがあります。陰性の食材には、キュウリやナス・トマト・スイカ・豆腐などがあります。
陰性の食べ物を取る時は、加熱調理をしたり、陽性の食べ物を一緒に取ったりすることで、体を冷やす作用を緩和できると言われています。食材の組み合わせや調理方法を工夫してみましょう。
おすすめの対策法2.運動編
次に、下半身太りの解消におすすめの運動法をご紹介します。自分が始めやすく、続けやすい運動から取り入れてみましょう。
ヨガ
ヨガは呼吸と瞑想を組み合わせながら、ウエストをねじるなどさまざまなポーズを取るエクササイズです。初心者向けの簡単なポーズも多く、運動が苦手な人にもおすすめです。
全身を動かしたり伸ばしたりすることで基礎代謝が上がる他、背骨や骨盤の歪みを正す効果も期待できます。また、ヨガの特徴である腹式呼吸は副交感神経を刺激し、自律神経を整える効果もあると言われています。
「ストレスが溜まると、つい食べ過ぎて太ってしまう」という人は、ヨガで心身をリラックスさせてストレス解消に役立てるのも良さそうですね。ヨガを学ぶにはスポーツジムやヨガスタジオの他、最近はオンラインのヨガ教室やレッスンも増えています。
筋トレ
筋トレは筋力をアップし、基礎代謝を上げるために効果的なエクササイズです。下半身太りの解消には下半身を集中的に鍛える筋トレがおすすめです。
下半身を鍛える王道の筋トレといえば、スクワット。なかでも「ワイドスクワット」がおすすめです。
① 肩幅の1.5~2倍くらい両足を広げ、膝とつま先は外側に向ける。膝が内側に入ってしまうと、前ももや外ももに筋肉がついてしまうので要注意。
② バランスを取りながら内ももを伸ばして深くしゃがみ込む。椅子に座るようなイメージでお尻を突き出すように。真横に内ももを伸ばしていくイメージで、膝は前に出ないようにする。
③ 内ももを締めるように戻す(内ももやお尻に効いていると感じられるとOK)。
スクワットはお尻や太もも、ふくらはぎなどの筋肉が鍛えられます。ふくらはぎの筋肉は下半身の血液を心臓に送り戻す役割を果たしているため、スクワットを続けることでむくみの解消効果も期待できます。
ストレッチ
ストレッチは隙間時間に手軽にできて、日常生活に取り入れやすい運動です。下半身太りの解消には、骨盤や股関節のまわりを大きく動かすストレッチがおすすめ。下半身のむくみや冷え、骨盤の歪みを解消する効果が期待できます。
ストレッチを行うタイミングは自由ですが、デスクワークで同じ姿勢が続いている時や、お風呂上がりで血行が良くなっている時に行うと、より効果的です。
また、就寝前にストレッチをして筋肉を伸ばすと心身がリラックスでき、眠りにつきやすくなります。リラックス効果を高めたい時は、ゆっくりと深い呼吸をしながらストレッチを行いましょう。
ウォーキング
ウォーキングも下半身太りの解消におすすめの運動です。下半身を動かすウォーキングは、下半身の筋力アップ効果が期待できます。ジョギングはハードルが高いという人も、ウォーキングなら取り入れやすいのではないでしょうか。
ただし、いきなり長時間歩くと継続できなかったり、体調を崩してしまったりする可能性があります。運動習慣が無い人は、最初は20~30分程度のウォーキングから始めて、慣れたら徐々に時間を伸ばしていくと良いでしょう。
ウォーキングをする時は肩の力を抜き、背筋を伸ばしてリズムよく腕を振りながら歩くのがコツです。膝下で歩いてしまう人も多いので、腰から1歩を踏み出すイメージで大きく歩くのもポイントです。足を痛めないために、自分の足に合った歩きやすい靴を選びましょう。
おすすめの対策法3.日常生活編
最後に、下半身太りを解消するために日常生活でできることをご紹介します。毎日の習慣にして美脚、美尻を目指しましょう。
入浴時は湯船に浸かる
毎日の入浴はシャワーで済ませず、湯船に浸かりましょう。湯船に浸かることで下半身はもちろん、全身が温まり、冷え性やむくみの改善に良いと言われています。また、汗をかくことで老廃物の排出効果も期待できます。
ただし、無理をして長い時間湯船に浸かり続けると、脱水症状やのぼせを引き起こしてしまうことがあります。脱水症状やのぼせを防ぐには、入浴の前後にコップ1杯の水分を取り、常温の水を飲みながら半身浴がおすすめです。
お湯の温度は39~40度くらいのぬるめに設定し、お湯に浸かる時間は15~20分程度にしましょう。健康維持では週1回20分、疲労回復だと週2回20分ずつ、または週1回40分。痩身やアンチエイジングのためには、2日に1回40分がおすすめです。
適切な入浴方法でバスタイムを楽しみましょう。
入浴後にマッサージをする
入浴後は下半身のマッサージもおすすめです。下半身のマッサージは、手のひらを使って足先から膝へ、膝から足の付け根へと向かって優しくさすります。リンパや血液が流れているイメージを思い浮かべながら行いましょう。
マッサージをする際は、好みのオイルやクリームなどをつけると肌の滑りが良くなり、摩擦による肌への負担も減らせます。何もつけないマッサージであれば 白打法(軽く握り拳を作り、軽めに足首から太ももまで叩く)をするのも良いでしょう。
50代以降の女性は乾燥肌に傾きやすい人が多いですが、オイルやクリームをつけて足をマッサージすることで、入浴後の肌を乾燥から守る効果もあります。
正しい姿勢を意識する
下半身太りの解消には正しい姿勢を意識することも大切です。
デスクワークの時やスマホ画面を見る時も、背筋は常に伸ばし、座る時は足を組まないようにしましょう。姿勢は習慣になっていることが多いため、最初は正しい姿勢を意識していても、気づいたら悪い姿勢に戻っていることも。対策として、鏡や窓ガラスに自分の姿が映った時に姿勢をチェックする癖をつけると効果的です。
50代以降の女性の下半身太りには、むくみや加齢、運動不足など、さまざまな原因が考えられます。ダイエットはどのような方法であれ、三日坊主にせず継続することが大事です。
下半身太りを解消するために、まずは姿勢や食事などの生活習慣に注意して、積極的に運動するように心掛けましょう。
※この記事は2021年7月の記事を再編集して掲載しています。
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