オイルやクリーム、マッサージで減らせる?

なかなか落ちないセルライトができる原因と対処法

みずほクリニック小松院長
監修者
みずほクリニック 院長
小松磨史

公開日:2020.09.11

更新日:2023.05.12

腕やお尻、太ももに現れるぼこぼこしたセルライト。「ダイエットしても落ちない、見た目が悪いし、なんとか消せないものかしら」と思っている女性は多いのでは。そこでセルライトとは何なのか、できる原因や、セルライトを除去する方法をご紹介します。

セルライトの対処法
セルライトの対処法

監修者プロフィール:小松磨史さん(みずほクリニック院長)

監修者プロフィール:小松磨史さん(みずほクリニック院長)


こまつ・きよし 1994年札幌医科大学を卒業後、札幌医科大学・形成外科に入局。その後、米国フロリダ・モフィット国立癌センターや北海道砂川市立病院・形成外科、大手美容外科にて院長を歴任、2014年東京・池袋にみずほクリニックを開院。アンチエイジング、美肌のレーザー治療から二重、鼻整形や豊胸、脂肪吸引など美容外科手術など、カウンセリングから診療、アフターフォローまで丁寧に対応している。

そもそもセルライトって何?

セルライトは、お腹や太もも、お尻などに見られるデコボコした肌の状態のことをいいます。これは、1960年代に美容業界で生まれた言葉で、オレンジの皮のような見た目から、英語では「オレンジピールスキン」と呼ばれています。

セルライトの正体は、大きくなり過ぎた皮下脂肪。厳密にいうと、脂肪細胞が皮膚の真皮にある線維芽細胞を押し上げてできたものです。線維芽細胞とは、コラーゲンをつくり出し、肌にハリと弾力をもたらすための細胞。線維芽細胞の働きが低下すると、肌の老化を促進するともいわれています。

セルライトには種類がある

セルライトには大きく分けて4つのタイプがあります。それぞれを解説していきましょう。

種類1:脂肪型セルライト

「脂肪型セルライト」は、肥満によって溜まった脂肪が老廃物と結びついてできるタイプのものです。下腹部からお尻にかけてよく見られます。10代でも50代でも、どの年齢層の人でもできるセルライトです。

種類2:むくみ型セルライト

冷えやむくみによってできるのが「むくみ型セルライト」です。これは、脂肪細胞が余分な水分や老廃物を溜め込み、血流が悪くなることが原因でできます。主に太ももやふくらはぎに見られ、脂肪型のセルライトよりもボコボコした状態が目立つのが特徴です。

種類3:線維化型セルライト

「線維化型セルライト」は、脂肪細胞の周辺にコラーゲン線維が絡みつくことによってできます。この線維化型は、セルライトを長い期間放置した状態です。特徴としては、デコボコがはっきり現れ、つまむと痛みを生じます。

種類4:筋肉質型セルライト

セルライトの種類の中でも珍しいタイプがこの「筋肉質型セルライト」。運動などで筋肉量が多かった人が、運動をやめたことで筋肉量が落ち、脂肪が蓄積されてできるセルライトです。他のセルライトに比べ、最も落としにくいといわれています。

 

セルライトができる原因とは

セルライトができる原因には、どんなことがあるのでしょうか。原因がわかれば、解消法が見えてきます。

原因1:加齢

セルライトの原因の一つは加齢です。年齢を重ねると、基礎代謝量が低下し、筋力が衰えます。そのため、皮膚がたるんで血管やリンパが圧迫されることでセルライトができてしまうのです。

原因2:血行不良

むくみやすい人や冷え性の人は、セルライトができやすいといえます。むくみや冷えの原因は、血行不良にあります。血行不良を起こすと、体が脂肪を溜め込みやすくなるため、セルライトを増やしたり、悪化させたりする可能性があります。

原因3:自律神経の乱れ

寝不足や不規則な生活、ストレスなどで自律神経が乱れると、セルライトができてしまうことも。自律神経の乱れは、交感神経を優位して体を緊張させます。すると、血管が収縮して体が冷え、血流が悪くなったり、代謝の低下を招き、セルライトができやすい体になるのです。

原因4:運動不足

運動不足で筋肉量が減少すると、セルライトができる原因になり得るでしょう。筋肉量が減ると、代謝機能やリンパの流れが低下します。その結果、セルライトを引き起こしてしまうことも考えられます。

原因5:遺伝

まだ明確にはわかっていないようですが、セルライトの原因には遺伝が関わっているのではないか、とも考えられているそうです。

セルライトを除去する方法

セルライトを除去する方法を紹介!

セルライトを減らしたり除去する方法と、その注意点をご紹介します。

減らす方法・消し方1:運動

適度な運動を取り入れ、血行や代謝をアップさせることがセルライトを減らす、消すことへの近道です。

セルライトを減らすには、脂肪を燃焼させる「有酸素運動」と、筋肉量を増やし、基礎代謝を上げる「無酸素運動」の両方を行うのがおすすめ。セルライトに有効な有酸素運動は、手軽に取り入れられるウォーキングや踏み台昇降運動を。無酸素運動は、スクワットを取り入れてみてください。最初は短い時間、少ない回数でもOK。徐々に時間や回数を延ばしていきましょう。

減らす方法・消し方2:マッサージ

マッサージもセルライト除去に有効です。マッサージには、血行をよくして、リンパの流れをスムーズにさせる作用があります。そのため、老廃物を排出しやすくなり、セルライトの軽減が期待できます。

マッサージの仕方で注意したいことがあります。それは、セルライトをつぶすような強いマッサージはしないこと。そのようなマッサージは無意味な上、内出血を起こす可能性があります。内出血が修復する過程でさらにセルライトが増えることもあるので、控えた方が賢明です。

正しいマッサージの仕方は、血液やリンパの流れに沿ってやさしくマッサージをすることです。マッサージにおすすめのタイミングは、体が温まっているときですので、入浴中や入浴後に行いましょう。

ここからは、部位別のマッサージの仕方をご紹介します。マッサージを行うときはオイルやクリームを使って、肌に負担がかからないようにしてください。

【腕】

片方の手で、手首から脇へ向かってゆっくり滑らせる(左右5回ずつ)

【お腹】

1. おへそから恥骨に向かって下方向にさする(5回)
2. 両手で、みぞおちから左右の脇腹に向い、斜め下方向にさする(5回)
3. 両手の指のはらをおへその横に当て、円を描くようにさする(5回)
4. 左右の脇腹からお腹の中心に向かってさする(5回)

【お尻】

1. 片方の手で、太ももから腰に向かって上方向へなでる(5回)
2. 片方の手で、お尻から前側の太ももの付け根方向になでる(5回)。反対側も同様に

【太もも】

1. 片方の手で、太ももの後ろ側をお尻に向かって上方向になでる(5回)
2. 片方の手で、太ももの前側からお尻、お尻から前側の太ももの付け根に向かってなでる(5回)。反対側も同様に

【ふくらはぎ】

1. 両手を足首から脚の付け根への向かってゆっくり滑らせる。これは脚の裏側、表面同様に行う(各5回)
2. セルライトが気になる部分を、脚の下側から上へ向かって親指でもむ

減らす方法・消し方3:マッサージオイルを使う

セルライトに効果のある成分が配合されたオイルを、マッサージに使ってみるのも一つの手です。

セルライトに有効とされている成分には、脂肪燃焼成分「Lカルニチン」や、アンチエイジング効果が見込める「コエンザイムQ10」があります。また、デトックス効果が期待できる「ジュニパー」、リンパの流れをよくする「サイプレス」などの天然アロマが入ったオーガニック商品もおすすめです。

減らす方法・消し方4:クリームを使う

オイル同様、セルライト効果が見込めるクリームでケアするのもよいでしょう。クリームを選ぶときには、セルライトに効果があるといわれている成分が含まれているものや、血流改善作用のあるものを選ぶと効果が見込めます。また、ほどよい固さのクリームだと、肌の上を滑り過ぎず、しっかりマッサージができます。

減らす方法・消し方5:美容クリニックで除去する

脂肪型やむくみ型のセルライトは、セルフケアで減らすことが可能かもしれませんが、線維型は自分で取り除くのが難しいため、美容クリニックなどで除去してもらうことも検討されるとよいでしょう。美容クリニックでは、主に、脂肪吸引や、注射・レーザーによる脂肪溶解、医療用痩身マシンを使用した施術が行われているようです。

美容クリニックを利用するメリットは、効果が早く実感できることや、セルライトの予防法、改善法のアドバイスをもらえることなどがあります。ただし、セルフケアに比べて費用がかかるのがデメリットです。

マッサージや運動でセルライトを減らしましょう

セルライトの大敵は、脂肪・老廃物・水分を溜めること。セルライトマッサージや、たるみ流しなどでリンパを上手に流して、セルライトを減らしながら、しっかりと防いでいきましょう。

ハルメク365編集部

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