背中の痛みはストレスが原因?

背中が痛い原因はストレス?ストレッチで改善できる?

公開日:2020/08/31

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背中が痛い原因には、ストレスや肩こり、尿管結石など、さまざまな要因があります。痛みがひどいときや長引くときは注意が必要です。そこで今回は背中が痛い原因と対処法、受診の目安について詳しく解説します。簡単なストレッチ「肩甲骨はがし」は必見です。

背中が痛い原因とは?

背中が痛い原因は大きく分けて3つある!

背中が痛くなる原因は、大きく分けて3つあります。物理的なケガや炎症、内臓の異常・病気の症状、ストレス・心理的な要因です。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

背中が痛い原因1:物理的なケガや炎症

背中の痛みの原因は、ぎっくり腰、ぎっくり背中のような急性の痛みから、長時間立ちっぱなしでいたり、悪い姿勢で長時間過ごしたりと、筋肉の疲労・緊張からくる慢性の痛みがあります。急性期の痛みは患部の炎症が引くまでは痛みは強く、慢性の痛みは持続性で血流の悪化から、こりや痛みを引き起こす最大の原因です。重いものを持ちあげる運動やトレーニングなど、大きな力を必要とする無理な動作を行った場合も、背中に痛みを生じることがあります。

背中が痛い原因2:内臓の異常・病気の症状

内臓疾患や心臓疾患がある場合も、症状の一つとして背中に痛みが出ることがあります。この場合は他の部分にも痛みや異常が現れていることが多いので、いつもと違う、おかしいと感じる部分がないか確認してみましょう。背中の痛みの原因となる病気で一番多いのは、尿路結石(尿管結石など)や腎盂腎炎などの腎疾患といわれています。ときに胃・十二指腸潰瘍などでも背中の痛みを引き起こします。

背中が痛い原因3:ストレス・心理的な要因

ストレスや心理的な要因で背中に痛みを感じる人もいます。ストレスがたまると自律神経がうまく働かなくなり、血流の悪化や冷えなどを引き起こし内臓の機能を低下させます。近年、整形外科学会にて「慢性の腰痛の原因はストレスである」と発表されるほどです。内臓の機能低下からの腰・背部痛は臨床上でもよく見受けられます。心理的に負担がかかっていないか、生活など見直してみるとよいかもしれません。

背中が痛いときに考えられるケガ・病気

急性腰痛症(ぎっくり腰)・椎間板ヘルニア・腰部脊柱管狭窄症

これらのケガはすべて、外的な要因によって生じるものです。ぎっくり腰として知られる急性腰痛症は、何らかの動作によって突然腰に激しい痛みを感じ、動けなくなることが特徴です。腰に大きな力を加える急激な動作で発症することが多いのですが、咳やくしゃみなど些細な出来事で発症する場合もあります。筋肉や関節の炎症などが原因だといわれていますが、はっきりと原因を特定できてはいません。

椎間板ヘルニアは、骨をつなぐ椎間板の亀裂により、飛び出した椎間板組織の一部が神経を圧迫することで痛みを生じます。首からの痛みは手の方に、腰からの痛みは太ももから足趾にかけて、しびれを感じることが多いです。

また、腰部脊柱管狭窄症(ようぶ せきちゅうかん きょうさくしょう)も、脊椎の変形によって脊髄が圧迫されることで、痛みやしびれを生じます。特徴的な症状は、間欠性破行といって、長時間の歩行時にしびれやだるさで歩行困難となります。加齢によって生じることが多いため、日頃から正しい姿勢を心掛けることが必要です。

圧迫骨折

圧迫骨折とは、背骨の本体に当たる椎体と呼ばれる部分の負荷が高まって起こる骨折のことです。骨粗しょう症などで骨がもろくなった高齢者の方に起こりやすく、前かがみの姿勢やくしゃみなどちょっとした動きでも起こってしまう可能性があります。

腎疾患(急性膀胱炎・腎盂腎炎・尿管結石)

背中が痛む病気で一番多いのが、腎疾患です。特に、膀胱に細菌が入り込み炎症を起こす急性膀胱炎は、若い女性に非常に多い病気ですが、膀胱に入った細菌が尿を通じてさかのぼり、腎盂や腎の組織が細菌に感染すると、急性腎盂腎炎を発症します。急性腎盂腎炎は、強い腰や背中の痛みに加えて高熱、吐き気、血尿などといった症状が特徴です。

尿管結石は、尿に含まれるシュウ酸や尿酸が固まった結石が尿管につまる疾患です。発症すると、吐き気や冷や汗をともなう非常に激しい背中や腹部の痛みに襲われます。

内臓疾患(胆のう炎・すい炎など)

胆のう炎やすい炎といった疾患でも、背中の痛みを生じることがあります。胆のう炎は、胆石症や細菌感染などによって発症する胆のうの炎症です。多くは胆汁が固まってできる胆石によって引き起こされ、煙草も大きな原因のひとつとされています。

一方、すい炎は酵素の分泌や働きが悪くなり、すい臓自体を消化し、炎症を起こしてしまう疾患です。発症すると、みぞおちから脇腹、背中などに痛みを感じます。

痛みの程度は人それぞれで、鈍痛や不快感程度で済む人もいますが、多くの場合は非常に強い痛みが突然現れ、嘔吐、発熱、食欲不振などの症状が出現します。最も多い原因はアルコールの大量摂取ですが、胆石が原因の場合や、原因がわからないこともあるようです。

心臓疾患(心筋梗塞・大動脈解離など)

背中の痛みは、心臓疾患が原因で起こることもあります。血管に血液のかたまりが詰まることで起こる心筋梗塞では、血流が途絶えるため動悸や息切れを発症し、胸や左肩、背中に痛みが広がります。

一方、大動脈解離は、心臓から送り出された血液が最初に通る「大動脈」の膜が避け、血液の通り道が本来のものと別にもう一つできてしまう病気です。前触れなく突然、胸や背中に激痛が走ることが特徴で、高血圧や糖尿病、喫煙などが原因の一つとされています。

背中が部分的に痛む!原因とは?

このように、背中が痛い原因はさまざまですが、痛む部分によって、原因が特定できる場合も多いものです。背中の痛む場所ごとに、その原因となる病気やケガをチェックしていきましょう。

背中の右側が痛む

背中の右側に痛みが出やすい疾患としては、肺に関わる病気や肝炎、十二指腸潰瘍(かいよう)、腎盂炎、腎結石などがあります。肺炎、胸膜炎、肺結核、気胸などの肺に関わる病気は、肺の痛みが背中まで広がることがあり、背中の上部が痛むことも多いようです。十二指腸潰瘍の場合は空腹時に痛むことが多く、肝炎の場合は背中から脇腹まで痛みます。

背中の左側が痛む

背中の左側で特に上部が痛む場合は、心臓疾患が原因かもしれません。狭心症や心筋梗塞では心臓周辺から背中にかけて握られるような苦しい痛み、大動脈解離や大動脈瘤の場合は引き裂かれるような激痛が特徴です。左側の下部が痛む場合に考えられるのは、すい臓の疾患です。特に脂っこい食事をした後や過度のアルコール摂取の後にみぞおち付近から痛む場合は、急性膵炎の可能性があります。

背中の真ん中が痛む・左右両側が痛む

背中の真ん中や全体が痛む場合は、椎間板へルニアや変形性脊椎症などの可能性があります。風邪やインフルエンザ、帯状疱疹などのウイルスに感染した場合も、背中全体に痛みを感じることがあります。

背中の痛みは、背中のこりなど、筋肉の緊張や疲労が原因の場合も多いものですが、ここで紹介した病気・ケガが原因の場合は、放置すると症状が悪化することもあります。痛みが強い・長引く場合には、早めに病院を受診しましょう。

何科に行けばいい?症状別診療科目

背中が痛む原因はさまざまなので、原因によって受診すべき診療科目は異なります。ここでは症状ごとに、どの科を受診するべきか説明します。

整形外科・整骨院に行くべき症状

重いものを持ち上げたときや、運動をした後に急に痛むようになったことであれば、それはケガや炎症を起こして痛みが生じていると考えられます。物理的な原因で背中が痛む場合には、整形外科または整骨院を受診しましょう。

脊椎脊髄外科

夜、横になっていても背中が強く痛む場合は、圧迫骨折している可能性があります。圧迫骨折は背骨の骨折なので、背骨や神経の痛みを専門とする脊椎脊髄外科を受診してみるとよいでしょう。

泌尿器科

下腹部痛や排尿痛、血尿などの症状が出ている場合には、膀胱や腎臓の病気である可能性があります。泌尿器科を受診してみましょう。

内科

背中痛以外に、吐き気や高熱などの症状がある場合には、まずは内科を受診します。もし、特に吐き気が強いようなら、胆のう炎の可能性が考えられます。

これといって原因に心当たりがない場合には、最初はどこの科にかかっても構いません。迷う場合は、いつも通っているかかりつけの内科を受診するか、総合診療科を受診するとよいでしょう。適切な科を紹介してくれるはずです。

背中の痛みで病院を受診する目安は?

背中の痛み(背部痛)とひと言でいっても、痛みの感じ方には個人差もあり、判断に迷うケースもあります。そこで、受診の目安として気になる症状を紹介します。

急に強い痛みが現れた

突然激しい痛みが現れた場合は、大動脈解離や心筋梗塞など、緊急性が高く重篤な病気である可能性があります。もしこれらの病気だった場合は、早急に処置を行わなければ命が危険です。一刻も早く病院に行くようにしましょう。

痛みの感じがいつもと違う

普段感じる筋肉痛や背中のこりなどと明らかに違う痛みの場合は、何か別の原因で痛みが現れていると考えた方がよいでしょう。初めはそれほどでもなくても、痛みはだんだん増してくる可能性がありますので、注意しましょう。

痛む位置が、時間がたつにつれて変わってくる

痛む位置が時間の経過によって変わってくる場合も、注意が必要です。特に、痛みの範囲が最初に感じたときよりも広がっている場合は、早めの受診をおすすめします。

高熱、冷や汗、息苦しさなど、他の症状がある

背中の痛みだけでなく、高熱や冷や汗、息苦しさなど他の症状がある場合も、内蔵疾患が原因の場合があるので病院を受診しましょう。

肩こりやストレスによる背中の痛みはストレッチで改善 !

これまで背中が痛む原因を紹介してきましたが、それほど痛みが強くない場合には、筋肉痛や背中のこりが原因の可能性もあります。その場合は、ストレッチや運動で筋肉をほぐすことで改善することが多いものです。

特に、背中のこりが痛みの原因である場合には、肩甲骨まわりの筋肉をほぐすことが大切です。肩甲骨は背中の上部にある大きな骨で、鎖骨や上腕骨、周辺の筋肉と連携して肩や腕を動かす重要な存在です。肩甲骨を動かすと、筋肉の中にある疲労物質や老廃物が流れ、背中や肩まわりの血行を改善できます。

背中の痛みを改善する肩甲骨のストレッチ方法「肩甲骨はがし」のやり方をご紹介します。

肩甲骨はがしのやり方

1.タオルを後ろに回した両手でつかみ、上げ下げして肩甲骨を広げてみてください。タオルが無い場合は、椅子に座った状態で両手を後頭部で組み、体を横に倒すだけでも簡単にリフレッシュできます。

2.肘を曲げて両手を肩にあてて、肩を360度大きく円を描くように回してみましょう。前後に10回が目安になります。

3.さらに、もし寝転がれる場合は、仰向けに寝て両脚を抱え込み、顔を膝に近づけるようにして丸まった状態で30秒ほど維持すると、より一層リフレッシュできます。

こうしたストレッチを試しても、1週間以上痛みが改善されない場合は、病気やケガが原因の場合も考えられるため、早めに病院を受診しましょう。

今回ご紹介した通り、背中が痛む原因には多くの可能性が考えられます。単なる筋肉痛や疲労であればよいですが、別の疾患が原因かもしれません。気になる症状があれば早めに病院を受診するようにしてください。大事に至らなくても、痛みをなくす近道にもなるはずです。


背中が痛い原因について教えてくれたのは?

モリタ鍼灸・整骨院院長 森田剛さん


もりた・つよし モリタ鍼灸・整骨院院長。キネシオテーピング、筋スラッキング療法、マイオセラピー、クライオセラピー、脊椎矯正法などの他、当院のバイタルリアクトセラピーは日本のみならず、アメリカ、カナダ、オーストリアなど欧米諸国をはじめ、中国、台湾、韓国にいたるアジア諸国にまで世界的規模で医療関係者から絶賛をあびている。

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