姿勢や運動を意識して腰の痛みを予防

腰痛対策おすすめストレッチ&生活習慣で痛みを改善!

森田剛さん
監修者
モリタ鍼灸・整骨院
森田剛

公開日:2020.10.02

更新日:2023.12.03

つらい腰痛。原因は病気以外にも、運動不足や姿勢、ストレスなど、さまざまなものがあります。まずは自分の腰痛の原因をチェックしてみましょう。姿勢や睡眠、運動など、生活習慣の改善も腰痛予防のポイント。1回3秒の「これだけ体操」も必見です!

腰痛対策ストレッチとおすすめグッズ
腰痛対策ストレッチとおすすめグッズ

監修者プロフィール:モリタ鍼灸・整骨院院長 森田剛さん

もりた・つよし モリタ鍼灸・整骨院院長。キネシオテーピング、筋スラッキング療法、マイオセラピー、クライオセラピー、脊椎矯正法などの他、当院のバイタルリアクトセラピーは日本のみならず、アメリカ、カナダ、オーストリアなど欧米諸国をはじめ、中国、台湾、韓国にいたるアジア諸国にまで世界的規模で医療関係者から絶賛をあびている。

腰痛には2種類ある!特異性腰痛と非特異性腰痛の違い

特異性腰痛と非特異性腰痛の違い
特異性腰痛と非特異性腰痛の違い

腰痛とは、腰の周辺に痛みやハリなどの不快を感じる症状のこと。腰痛自体は医学的な病名ではありません。腰痛は「特異性腰痛」と「非特異性腰痛」の2つの種類に分けられます。

特異性腰痛

特異性腰痛とは、画像診断や血液検査などを行って、痛みの原因を特定できるものを指します。特異性腰痛の代表的なものには、圧迫骨折による腰痛や腰椎椎間板ヘルニアなどがあります。

しかし、この特異性腰痛は腰痛のうちわずか15%ほどと言われており、腰痛の大半は、次に紹介する「非特異性腰痛」です。

非特異性腰痛

非特異性腰痛は、痛みの原因を特定できない腰痛のこと。中年以降に発生することが多い「ぎっくり腰」も、非特異性腰痛にあたります。非特異性腰痛は、ストレスや運動不足など、生活習慣が大きく影響しており、複数の原因が絡み合って症状が出ることが多い腰痛です。

運動不足やストレス、悪い姿勢も腰痛の原因に!

デスクワークによる血行不良も腰痛の原因
デスクワークによる血行不良も腰痛の原因

腰痛の原因は病気以外にも、運動不足や姿勢、ストレスなど、さまざまなものがあります。病気・ケガが原因の場合は、病院での治療が必要となります。まずは、自分の腰痛の原因をチェックしてみましょう。

腰痛の原因1:運動不足による腰回りの筋力低下

腰の周辺は、骨や椎間板などで支えられていますが、加齢などにより筋肉が衰えると、腰痛を引き起こす可能性があります。また、運動不足による筋力低下も腰痛の原因になります。

腰痛の原因2:不良姿勢による血行不良

猫背のように悪い姿勢で長時間過ごすと、筋肉の緊張状態が続き、一部の筋肉に負担がかかってしまいます。また、不良姿勢による血行不良も腰痛を引き起こします。デスクワークなどで同じ姿勢を続けることは、腰痛の原因になります。

また、ヒール靴を履いて立ち続けるなど、腰を反らした状態が続いた場合も、猫背とは逆の負担で腰痛を感じることがあります。猫背同様に反り腰(お腹が前に突き出て、腰が反った状態)も、自然なS字カーブが保てないため、腰まわりの筋肉に負担をかける原因となります。

腰痛の原因3:心理的ストレス

慢性的な腰痛の場合、心理的ストレスが原因の場合もあります。疲労感や頭痛、食欲不振など、ストレスは私たちの体にさまざまな不調をもたらします。

ストレスがある状態が続くと、自律神経の調整が上手くいかず、内臓の機能低下や筋肉の血流不足が生じ、腰の痛みにつながることもあるので、注意しましょう。

腰痛の原因4:病気(腰部脊柱管狭窄症、骨粗鬆症など)

腰痛椎間板ヘルニアと腰部脊柱管狭窄症について
腰椎椎間板ヘルニアと腰部脊柱管狭窄症について

背骨の間にある椎間板がつぶれることで神経が圧迫されて痛みを引き起こす「腰椎椎間板ヘルニア」や、脊椎にある椎骨の神経の通り道が狭くなり中の神経が圧迫される「腰部脊柱管狭窄症(ようぶ・せきちゅうかん・きょうさくしょう)」などの病気も腰痛の原因になります。

また、50代以上の女性が特に気を付けたい病気が「骨粗鬆症(骨粗しょう症)」。骨の量(主にカルシウム)が減って骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気で、年配の女性によく見られます。

横向きで寝ていても腰がうずく、痛み止めの薬を飲んでも痛みがすぐぶり返すなどの症状がある場合は、子宮内膜症やがんの転移といった病気が原因の腰痛である可能性もあります。

腰痛の原因5:腰のケガ

転倒して腰を強く打ち付けたときや、ぎっくり腰などのケガが原因で腰痛が起きることもあります。状況から腰痛の原因がケガである可能性が高い場合、骨折や椎間板ヘルニアなどの心配もあります。痛みがひどい場合・長引く場合は、早めに病院を受診しましょう。

タイプ別の腰痛対策!冷やす腰痛と温める腰痛

すぐにできる腰痛の対処法は大きく二つ、冷やすか温めるか、です。その対応を間違えると、症状が悪化する場合も考えられます。大切なのは、腰痛のタイプに合わせた対処法を知っておくことです。

急性腰痛:冷やす腰痛

急に痛みを感じる腰痛を「急性腰痛」といいます。急性腰痛の場合、腰まわりの筋肉が炎症を起こして熱をもっている可能性が高いため、冷やすことで痛みの症状を改善できることが多いです。濡れタオルやハンカチに包んだ保冷剤、冷湿布などで患部を冷やしましょう。

急性腰痛の代表的なものが「ぎっくり腰(急性腰痛症・腰椎捻挫)」です。症状が出て2~3日間は炎症が強い「急性期」と考えられます。急性期は、まず患部を冷やしてください。冷却時間の目安は1日3回、10分間/回です。安静にすることは大切ですが、回復を早めるためにも長期間冷やし過ぎる・安静にし過ぎることは避けましょう。

ぎっくり腰の応急処置
ぎっくり腰の応急処置(急性腰痛はまず冷やす&安静に)

慢性腰痛:温める腰痛

一方、常に腰のまわりに痛みや違和感がある「慢性腰痛」の場合は、温めるのがおすすめ。腰周辺の筋肉が血行不良になっている可能性が高いため、体を芯から温めることで血行を促進させると、痛みの症状が改善する効果が期待できます。

体を温める根菜類を食べたり、ぬるめのお風呂にゆっくりと浸かるなど、体を芯から温めるといいでしょう。

筋肉のコリや血行不良が腰痛の原因の場合は温める&適度な運動を
筋肉のコリや血行不良が腰痛の原因の場合は温める&適度な運動を

慢性腰痛対策にはストレッチや筋トレが効果的!

慢性腰痛は、筋力不足や腰まわりの血行不良が原因であることが多いため、筋肉を動かすストレッチや筋トレ(筋力トレーニング)も腰痛対策に効果的です。

痛みが強いと「動くと腰痛がひどくなるのでは……」と心配するかもしれませんが、長時間の座位を続けたり、安静にしたりすることでかえって痛みに過敏になることもあります。

慢性腰痛に悩んでいる人は、痛みを感じない程度の負荷で、腰まわりの筋肉を動かす運動を取り入れてみましょう。

ここでは、東京大学医学部附属病院22世紀医療センター・松平浩先生が考案した腰痛体操と筋トレをご紹介します。

※ストレッチや筋トレ中にお尻から太ももにかけて痛みが響く場合は、腰椎椎間板ヘルニアなどが原因の場合もあります。運動を中止し、早めに病院を受診しましょう。

腰痛対策におすすめのストレッチ「これだけ体操」

腰痛体操におすすめ!これだけ体操
腰痛体操におすすめのストレッチ・これだけ体操

松平先生が考案した腰痛体操「これだけ体操」は、日常生活の中で思い出したときに、1回3秒で簡単に行えるのがポイントです。

▼これだけ体操のやり方

  1. 足を肩幅より少し広めに開いて立ち、両手を腰の下の方(骨盤のすぐ上辺り)に当てます。
  2. 骨盤を前に押し込む意識で、息を吐きながら手で腰を前へ押します。
  3. 息を吐きながらゆっくりと胸を開き、腰を反らせた状態を3秒間保ちます。これを1~2回繰り返します。

軽い筋トレで腰痛を改善!「ハリ胸スクワット」

腰痛対策におすすめの筋トレ・ハリ胸スクワット
腰痛対策におすすめの筋トレ・ハリ胸スクワット

腰痛対策には、背中の筋肉やインナーマッスルを鍛えることも大切です。運動不足による筋力低下を感じる人は、正しい姿勢を維持するためにも、「ハリ胸スクワット」などの軽い筋トレを取り入れてみましょう。

▼ハリ胸スクワットのやり方(スロースクワット)

  1. 肩幅よりやや広めに足を開き、つま先を少し外側に向けます。手の人差し指と中指を太もものつけ根に添え、体よりも少し後ろになるように肘を引き、しっかりと胸を張ります(ハリ胸)。
  2. 胸を張ったまま、8秒間かけてゆっくり腰を下ろし、お尻を突き出します(後ろに椅子があるイメージで、股関節で指をはさみこむ。できれば太ももと床が水平になるまでかがむ)。
  3. 8秒かけてゆっくり戻します。このとき、完全に立った姿勢までは戻らないのがポイント。ハリ胸の姿勢のまま、ゆっくり行ったり来たりを繰り返すことで、体幹、骨盤、太もも回りの筋力強化を促します。これを1日5~10回繰り返します。

生活習慣の改善でできる簡単な腰痛対策・予防法!

慢性腰痛の改善・予防は、生活習慣の改善も大切なポイントです。普段の生活の中でできる、簡単な腰痛対策の方法をご紹介しましょう。

生活習慣の改善1:姿勢に気を付ける

猫背や反り腰を改善して正しい姿勢に!
猫背や反り腰を改善して正しい姿勢に!

猫背や反り腰は、背中や腰の筋肉に負担をかけてしまうため、腰痛の原因になります。腰痛対策の基本は、正しい姿勢をキープすること。立っているときも歩いているときも、椅子に座っているときも、背筋が上に伸びるように意識しましょう。

生活習慣の改善2:荷物は両手でバランスよく持つ

重い荷物を持つと体に負担がかかるため、片手だけで荷物を持たず両手で持つことが大切。また、荷物を持ち上げるときは、腰への負担を減らすために、しゃがんだ状態でできるだけ荷物を体に近づけるようにしましょう。

生活習慣の改善3:ウォーキングなど適度な運動

腰痛予防には、殿筋やハムストリングスなど、姿勢の維持に重要な大腿後面の筋肉を維持することが大切です。ウォーキングなどの適度な運動も腰痛対策に効果的です。

生活習慣の改善4:入浴でゆっくり腰を温める

慢性腰痛の原因となる血行不良を防ぐためにも、毎日入浴して体を十分温めましょう。お湯の温度は38~40度程度のぬるめがおすすめ。20~30分程度入って、じっくり体の芯から温めましょう。

生活習慣の改善5:マッサージやツボで痛みを緩和

血行改善のために、自宅で腰をマッサージしたり、ツボ押しをしたりするのもおすすめです。習慣として行うことで、腰痛の改善が期待できます。腰痛に効果的なツボは、ひざ裏の中央にある委中(いちゅう)。ひざをつかんで、両手の中指で5〜10回ほど押しましょう。

腰痛が悪化すると、立つ・歩くなどの動作でも痛みが出て、日常生活を送るのが困難になることもあります。そうなる前に、原因に合わせた腰痛対策を心掛けましょう。

監修:森田剛さん(モリタ鍼灸・整骨院

※この記事は2020年10月の記事を再編集して掲載しています。


編集部おすすめ腰痛対策グッズ!

マッサージやストレッチなどの腰痛対策と合わせて、腰への負担を軽減するグッズを活用するのもおすすめです。腰痛の場合、同じ体勢で長時間動かない仕事中や睡眠中の姿勢に気をつけることが大切です。

さまざまな商品が販売されていますが、編集部おすすめの腰痛対策グッズは、クッション・高反発マットレス・腰痛ベルトの3つ。それぞれの特徴とともに、Amazonで人気の商品を紹介するので、参考にしてくださいね。

おすすめの腰痛対策グッズ1:クッション

座るときに正しい姿勢に整えてくれるクッションは、リビングルームでのくつろぎの時間や、デスクワークの際におすすめです。

MyComfort 腰痛 低反発クッション【ジェル内蔵モデル】
MyComfort  低反発クッション【ジェル内蔵モデル】

MyComfortの低反発クッションは、ジェルをクッション表面に配置することで、通常の低反発クッションに比べ、約6倍の体圧分散を実現。お尻だけでなく、腰や背中への負担も軽減してくれます。

おすすめの腰痛対策グッズ2:高反発マットレス(体圧分散)

マットレスは、硬過ぎると腰を圧迫し、柔らか過ぎると寝ている間に姿勢が崩れてしまいます。体圧分散型のマットレスなら、自然に体圧を分散させ、腰に負担をかけません。

MyeFoam マットレス 高反発 シングル 敷布団

高反発素材が採用されたMyeFoamの健康マットレスは、優れたクッション性と復元性が備わっています。体の沈み込みを均等に持ち上げ、全身をバランスよく支えてくれるため、頭・腰・肩・背中への負担が軽減されます。

おすすめの腰痛対策グッズ3:コルセットや腰痛ベルト

コルセットや腰痛ベルトは、腹圧を高めて腰の椎間板にかかる負担を軽減させます。ぜひ自分の体にフィットするものを着用しましょう。

SPORTIA 腰痛 サポートベルト コルセット
SPORTIA 腰痛サポートベルト コルセット

SPORTIAの腰痛サポートベルトは、薄手のメッシュ素材で軽くて通気性に優れ、オールシーズン着用できます。また、伸縮素材でできた二段式補助ベルトによって、作業時やスポーツ時でもずれにくく、着用したまま簡単に締め付け加減を微調整できるので便利です。

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