朝起きると腰がつらい原因は「寝具の寝ぐせ」も

寝起きのつらい腰痛を防ぐ寝姿勢とストレッチを解説

公開日:2021/03/05

更新日:2021/03/31

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睡眠の質が悪く、寝起きの腰につらさや違和感はありませんか。眠りを妨げる原因と改善方法を上級睡眠改善インストラクターの安達直美さんに、寝起きの腰のつらさを解決する、正しい寝姿勢やストレッチの方法を理学療法士の青木涼平さんに伺いました。

朝寝起きの腰が痛いなら寝具の見直しとストレッチをしよう

寝入り・夜中・寝起き、50代の女性は睡眠に悩みが

寝入り・夜中・寝起き、50代の女性は睡眠に悩みが

50代以上の女性412人に睡眠に関するアンケートを取ったところ「なかなか眠れない」(寝る前)、「夜中に目が覚める」(夜中、寝ているとき)、「朝起きたときにぐっすり感がない」(起床時)と、眠りに関しての悩みを抱えていることがわかりました。やはり睡眠は大事。こうなると、やはり何かしらの対策が必要になってきますね。そこで、対策をしているかどうかを聞いてみると……。

睡眠の質を上げるために対策をしているか?

睡眠の質や起床時の体の痛みに悩む人は多いものですが、悩みを解決するために対策をしているという人は全体の4割にとどまっています。対策を取っているという人の多くは、「枕の買い替え」を行っており、首や肩の痛みの対策しか取れていないことがわかりました。

「朝、寝起きの腰が痛い」という声はよく聞きますが、腰についての対策をしている人は少ないようです。また、対策をしていない人いその理由を聞いてみると、「腰はつらいけど、どうやって対策すればいいの?」という声が。

つまり、「腰がつらくても、その原因も対策の仕方もわからない」というのが実情なのです。

では、どうすれば「朝、寝起きの腰がつらい」のを防ぐことができるのでしょうか。上級睡眠改善インストラクターの安達直美(あだち・なおみ)さんと、理学療法士の青木涼平(あおき・りょうへい)さんに原因と対策を教えてもらいました。

安達直美(あだち・なおみ)

安達直美(あだち・なおみ)
日本に4人しかいない上級睡眠改善インストラクター。国際線客室乗務員、寝装品メーカーの研究所での開発主任を経験。現在は睡眠環境の研究や寝具の開発などにかかわっている。

 

青木涼平(あおき・りょうへい)

青木涼平(あおき・りょうへい)
理学療法士。大学病院、スポーツクリニック、慢性疼痛専門クリニック、オリンピック強化スタッフ(医・科)などを経験し、現在は馬車道でケアとトレーニングを受けられるパーソナルトレーニングジムの代表。

 

「朝、寝起きの腰がつらい」原因は寝具にも

「朝、寝起きの腰がつらい」原因は寝具にも

朝起きたときに体、特に首や肩、腰に痛みや違和感のある人は多いです。首や肩は枕を調節すれば、軽減できる、というのは何となく想像できる人が多いでしょう。そうすると問題は、やはり腰です。

「実は、朝起きたときに腰がつらい原因の多くは、寝ているときに寝具に体が沈み込んでしまい、腰に圧力が集中してしまうことなんです」と安達さんは話します。

寝具に体が沈みこんでしまうと、寝返りが打ちにくくなります。その結果、仰向けの場合は内臓が腰を圧迫して、背骨の外側にある血管が押しつぶされ、筋肉に炎症が起こることもあります。横向き寝、うつ伏せ寝の場合も背骨に負担がかかります。

まずは、いつも寝ている布団やマットレスを触ってみましょう。

「布団に凹凸があったり、背中とお尻の部分が他の部分に比べてやわらかくなったりしていませんか? これが“寝具の寝ぐせ”。 寝ているときは、体の重さの約4割は腰が支えています。気持ち良く寝ているはずが、経年劣化をした布団に体が沈み込むと、寝返りが打ちにくくなります。また、薄い布団にも注意。くびれた腰の部分に隙間ができたまま寝ていると、緊張状態が続くので腰や背中の痛みの原因に。知らぬ間に腰に大きな負担がかかっているのです」

実は、敷き布団やマットレスの買い替え年数の目安は、3~10年。でも、いざ買い替えるとなると「今使っている寝具をどうやって処分しようか」「新しいのを買うとお金もかかる」と躊躇する方も多いのでは。

「寝具の寝ぐせは見た目ではっきりとわかるものではありません。そんなこともあってか、ついつい同じ布団を使い続けて、寝起きの腰が痛い、となっている人が多いのです」(安達さん)

「寝具に寝ぐせがないか、敷き布団やマットレスの腰部分を触ってみましょう」と安達さん。
「寝具に寝ぐせがないか、敷き布団やマットレスの腰部分を触ってみましょう」と安達さん

では、寝起きの腰がつらくなるのを防ぐためには、どんなことができるのでしょうか?

「寝具を見直すのも大事ですが、まずは、体をほぐすことが大事です。寝る前・起床後にストレッチをして対策しましょう」と話すのは、理学療法士の青木涼平さんです。

寝る前・起床後のストレッチで寝起きの腰のつらさを軽減

寝起きの腰のつらさを軽減する方法として、おすすめのストレッチをご紹介します。

体の中心にある腰は寝ていても、普段の暮らしの中でも負担がかかりやすい場所。腹筋と背筋をバランスよく整えて、前後の偏りをなくしてあげることが大事です。就寝前や起床後に、1分ほどのストレッチをするだけで、腰の痛みや違和感がすっきりしますよ。まずは背中(背筋)側のストレッチをご紹介します。

背中のストレッチ 

背筋を伸ばす意識を持ちましょう。

ひざをついて四つん這いの姿勢に。手は肩幅より少し広げます。このとき、きちんと背筋が伸びていることが大事です。この時点で背中が丸まらないように注意しましょう。肩がつらい人は少し手を手前に引いて、左右に広げてください。少し肘を曲げてもいいですよ。

お尻をかかとにつける意識でぐーっと。
お尻をかかとにつける意識でぐーっと

そこからお尻をかかとにくっつけるようにします。手の位置はそのまま。お尻から腰、背中、首にかけて伸びていることを意識してください。この姿勢を2秒保って、元の位置に戻します。これを10回1セット。寝る前にやると腰や首がほぐれてすっきりします。

お腹側のストレッチ

今度はお腹(腹筋)側のストレッチをご紹介します。

寝起きの腰が痛いのを防ぐストレッチ1

ひざは90度。しっかりと正面を向き、体はまっすぐ。

片ひざを立てて、もう片方のひざは下につけます。この時、ひざは両方とも90度になるようにしてください。この状態から腰をぐーっと少しずつ前に出します。

腰をぐーっと前に。体が前に倒れないように注意。
腰をぐーっと前に。体が前に倒れないように注意。

この姿勢を2秒保ち、元に戻す、これを10回で1セットです。右足を前にして10回、左足を前にして10回やりましょう。このストレッチの際に手を挙げると肩まわりもすっきりしますよ。

「ばんざーい!」と腕を真上に。
「ばんざーい!」と腕を真上に
 腕を組んで腕に伸ばしつつ、腰を前に。これができればいうことなし!
腕を組んで腕に伸ばしつつ、腰を前に。これができればいうことなし!

写真のように手を組み、上にぐーっと伸ばすと、いっそう効果が高まります。

就寝前に背中(背筋)側、起床後はお腹(腹筋)側と、この2つのストレッチをバランスよくやりましょう。ストレッチをする際には、布団やベッド(マットレス)の上ではなく、絨毯やカーペット、ヨガマットの上で行うのがおすすめです。

寝具を変えて寝姿勢を改善!

寝具を変えて寝姿勢を改善!
「寝姿勢を意識するのはとても難しいかもしれませんが、大事なことなのです」と話す安達さん

 体を整えたら、今度は寝姿勢を整えましょう。寝ているときも、首から背中、腰にかけてまで自然な“S字”を描くのが理想。そのためには、仰向けに寝ても横向きに寝ても、布団と腰の間にすき間ができないことが大事です。布団やマットレスを見直してみましょう。

また正しい寝姿勢に導くグッズとして「腰枕」という腰専用の枕があります。腰枕は、体の曲線に沿う形で、仰向けで寝ても横向きで寝ても体に沿ってフィットするものを選ぶといいでしょう。

安達さんは「寝ているときは何時間も横たわり、しかも睡眠中は姿勢を意識できないので、こういったちょっとした寝具で寝姿勢を正すという視点がとても大切です」と話します。


正しい寝姿勢を作るためプロが監修した腰枕

正しい寝姿勢を作るためプロが監修した腰枕

青木さんと安達さんが監修して、どんな姿勢でもフィットする腰枕を作りました。人の体は「猫背」「反り腰」「反り腰+猫背」とおおまかに3タイプに分けることができます。

「猫背」の人は腰の下に腰枕を敷き、「反り腰」「反り腰+猫背」の人は膝の下に敷くことで、布団と体のすき間が調節されます。手に持ってみるととても薄いため「本当にスキマが埋まるのかな……」と心配になるかもしれませんが、これが「これ以上厚くても薄くてもダメ」という絶妙な厚みなのです。

安達さんも「この腰枕の良さはこの形と絶妙な厚さにあります。体の曲線に沿う形になっていて、しかも部分によって厚さを変えています。これなら仰向けで寝ても横向きで寝ても、しっかり体に沿ってフィットします」と太鼓判を押しています。

寝起きの腰のつらさは予防が大事。つらさがなくても実践して!

寝起きの腰のつらさは予防が大事

「まだつらさや違和感のなくても、「予防」という観点からストレッチや寝具の見直しは行いましょう」と青木さん。たとえ、今は腰が痛いと感じていなくても、二足歩行である限りは、必ず腰に負担がかかっているのだそう。

「不調を感じない状態を保つためにも、改めて体と向き合ってみてください。特に今はコロナ禍で、家で過ごす時間が長く、筋力が落ちていることが想像されます。体に変化が出やすくなっているのです。つらさや違和感が出てしまうと治療が必要に。それは身体的にも精神的にも、経済的にも本当に大変です。少しでもできることがあるなら、それを続けて、健康な体を長く保っていられればいいですね」(青木さん)
 

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※本記事で提供する情報は、診療行為、治療行為、その他一切の医療行為を目的とするものではなく、特定の効能・効果を保証したり、あるいは否定したりするものではありません。腰痛など、ご自身の医療上の問題の解決を図りたい場合は、医師や専門家等に相談の上、適切な医療機関をご受診ください。

取材・文=宮沢淳、撮影=中西裕人


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