睡眠の悩みはマットレスが原因かも?

プロが解説!腰にいいマットレス・寝具の選び方

公開日:2021.08.16

更新日:2023.09.20

朝なんだか目覚めがスッキリしない、腰がつらい……。そんな人は、体に合う寝具を使っていますか? マットレスの種類と素材、特徴について、睡眠に詳しい「エマ・スリープ」カントリーマネージャー、小原拓郎さんに聞きました。おすすめのマットレス3選も!

取材先・監修:小原拓郎さん(エマ・スリープ カントリーマネージャー)

おはら・たくろう 2020年Emma Sleep Japan合同会社(エマ・スリープ)へ入社。日本進出プロジェクトを推進、2020年12月より自社D2Cサイトを立ち上げ。ドイツ発のスリープテック企業として本社の睡眠研究をもとに日本の睡眠改善に取り組んでいる。スリープテック・ブランドの専門家としてマットレスや睡眠の知見を発信。

「睡眠の質」をチェックしよう!あなたの寝具は大丈夫?

睡眠の質チェックリスト

たっぷり寝たはずなのに、スッキリ目覚められない人は要注意! 睡眠不足が蓄積して脳や体にダメージを与える「睡眠負債」という言葉もあるように、睡眠は長さよりも質が重要です。

「体に合わない寝具を使ったり、耐用年数を超えた寝具を使ったりすると、心身にさまざまな悪影響があると言われています」と話すのは、Emma Sleep Japan合同会社(以下、エマ・スリープ)のカントリーマネージャー、小原拓郎さん。

エマ・スリープは、睡眠先進国であるドイツ発のスリープテック・ブランド。小原さんはその専門家として、本社の睡眠研究をもとに、マットレスや睡眠に関する知見を発信しています。

小原さんいわく、以下のような睡眠の悩みがある人は、寝具を見直した方がいいそう。

  • 寝るまでに時間がかかる
  • 夜中に何度も目が覚める
  • 腰の痛みで目が覚める
  • 隣の人の動きで目が覚める
  • 寝苦しさを感じる
  • 十分に寝ていても疲れを感じる

「特に、朝起きて腰がつらいという人は要注意。体の中で最も重たいのは腰なので、マットレスも腰が当たる部分に一番最初にへたりが表れます。耐用年数を過ぎている場合は、性能に影響が出ているサインかもしれません」

一般的にマットレスは価格=品質と言われており、3万円以下の安価なマットレスの場合、耐用年数が1~5年と短い製品が多いので、注意が必要とのこと。

「買い替えの目安としては、マットレスのへたりをチェックすることが大切です。朝起きたときに少しへこんでいる分には問題ないですが、夜寝る前にチェックして頭の部分や腰の部分がへこんでいる場合は、買い替えをおすすめします」

マットレスの種類と素材、特徴をチェック!

そうは言っても、さまざまな種類があるので「どのマットレスが自分に合うのかわからない」という人も多いはず。そこでまず、小原さんにマットレスの種類と特徴を教えてもらいました。

スプリングコイルマットレス(ポケットコイル・ボンネルコイル)

スプリングコイルマットレス(ポケットコイル・ボンネルコイル)
スプリングコイルマットレス

「スプリングマットレスは、中にバネ(=スプリング)が入っています。ポケットコイルは、1つずつのコイルが独立して配列されており、柔らかい寝心地が特徴です。ボンネルコイルは、連結されたコイルが体を面で支えるため、硬い寝心地で、振動や横揺れが気になる人もいます」

ウレタンマットレス(低反発・高反発)

ウレタンマットレス(低反発・高反発)の素材
ウレタンマットレス

「ウレタンマットレスは、スポンジの素材としても知られるウレタン素材で作られています。体にフィットした寝心地の良さが特徴で、高反発マットレスと低反発マットレスの2つがあります。反発力について明確な区分はなく、柔らかいもの=低反発、硬いもの=高反発とされます」

ファイバーマットレス

ファイバーマットレスの素材
ファイバーマットレス(素材)

「ファイバーマットレスは、ポリエチレンを糸状にして絡め合うように編んだもの。ファイバーマットレスの一番のメリットは、中が空洞のメッシュ素材なので、水洗いできることです。反発力が高い一方で、商品によっては、硬さを感じる場合もあります」

ラテックスマットレス

ラテックスマットレスの素材
ラテックスマットレス(素材)

「ラテックスマットレスはゴムからできた柔らかい素材で、ソフトかつ高反発な寝心地が特徴です。100%天然ラテックス製のものは自然抗菌効果もあり、とても衛生的なのですが、10万円以上と高額になりがちなのがデメリットです」

マットレスの選び方のポイントは?

マットレスの種類がわかったところで、いよいよ自分の体に合うマットレスを選んでいきましょう。小原さんいわく、マットレスの選び方のポイントは、大きく5つあるそう。

  1. 硬さ
  2. 腰への負担軽減
  3. 通気性
  4. 耐久性
  5. 寝返りしやすいもの

それぞれ重視する点を教えてもらいました。

マットレス選びのポイント1:硬さ

「5つのポイントの中で最も重要なのが、マットレスの硬さです。ウレタンマットレスの場合、消費者庁からの指示で品質表示ラベルにニュートン(N)という単位で記載することが義務付けられています」

  • 75N未満:柔らかい
  • 75~120N未満:普通
  • 120N以上:硬い

「体重・体型・好みなどがあるので、一概にどれが良いとは言えないのですが、50代女性の標準体型(身長155cm、体重55kgくらい)だと、普通くらいの硬さがおすすめだと言われています」

マットレス選びのポイント2:腰への負担軽減

マットレス選びのポイント:腰への負担軽減

「寝ている間にしっかり体を回復するためには、背骨がまっすぐな状態であることが重要です。柔らかいと背骨が真っすぐに保てず腰に負担をかけてしまうため、腰がつらい人は硬い寝心地の、ボンネルコイル・高反発のウレタンマットレス・ラテックスマットレスがおすすめです」

マットレス選びのポイント3:通気性

マットレス選びのポイント:通気性

「通気性もマットレス選びでは重要です。人は眠りに落ちるときに体温を0.5~1℃下げる必要があるため、汗をかくのですが、この体温調整のプロセスがうまく進まないと寝つきが悪くなってしまいます。布団なども、できるだけ熱を逃しやすく通気性のある素材を選びましょう」

マットレス選びのポイント4:耐久性

「毎日使うものなので、耐久性があるものがおすすめです。エマ・マットレスは25cmの厚みで耐用年数は10年ですが、他社製品を見てもやはり厚めのマットレスの方が、素材がしっかりしていて耐用年数が長い印象です」

マットレス選びのポイント5:寝返りしやすいもの

マットレス選びのポイント:寝返りしやすいもの

「人は一晩で30~60回の寝返りをすると言われています。寝返りは生理現象で、体の圧迫を防いだり、体温を調節する役目があります。肩幅+30cm以上あれば寝返りできますが、寝相が悪い人は40~50cmあると安心です」

編集部が厳選!腰がつらい人におすすめの寝具4選

もし、すぐにマットレスの買い替えが難しい場合は、一時的に薄手のマットレスやオーバーレイを重ねるのもおすすめです。

「ただし、薄手の寝具は耐用年数が短いのが欠点。すでにへたりを感じている場合は、できるだけ早めにマットレスを買い替えることをおすすめします」

ここでは、腰がつらい人におすすめのマットレス&寝具をまとめてご紹介します。

エマ・マットレス(シングル)

エマ・スリープ ベッドマットレス(シングル)1名様

ドイツのフランクフルトで2013年創業、2020年12月に日本に上陸したばかりの「エマ・スリープ」のエマ・マットレスは、2019年に欧州で最も多くの賞を獲得するなど、品質の高さが魅力の高反発ウレタンマットレス。

25cmの厚み、3層に分かれたウレタンフォームが、しっかり腰をサポート。体圧分散機能と高い通気性で、快適な睡眠を実現します。100日間のお試し期間中は送料無料で返品可能! 10年の品質保証付きで安心・安全に使用できるマットレスです。

東京西川 マットレス(敷布団タイプ) シングル

東京西川 マットレス(敷布団タイプ) シングル アフィット

東京西川 マットレス(敷布団タイプ) は、腰をしっかり支える「Afit(アフィット)」シリーズの敷布団。厚み8cmで敷布団にしてもマットレスに重ねて使ってもOK! 2層構造のウレタンフォームが、体をしっかりサポートします。

硬めのウレタンフォームの上に2cmのソフト層を載せることで、「しっかり」と「ふんわり」をいいとこどり。体圧を分散して、体への負担を軽くします。三つ折タイプなので、コンパクトに収納できて便利です。

MyeFoam マットレス

MyeFoam(メイフォーム)のマットレスは、優れたクッション性と復元性を兼ね備えた、高反発ウレタンフォームを採用。全身をバランスよく支えて、頭・腰・肩・背中に負担が掛からず、爽やかな目覚めを得られます。

厚さ3cmで手持ちの寝具に重ねるだけで寝心地アップ! 専用の収納袋丸めて収納できる他、3つに折り畳んでも収納できるため、使わないときも場所を取りません。

日本製 洗濯機で洗えてオーバーレイにもなる敷きパッド(シングル)

日本製 洗濯機で洗えてオーバーレイにもなる敷きパッド(シングル)

日本製 洗濯機で洗えてオーバーレイにもなる敷きパッド(シングル)(※販売終了)の「オーバーレイ」とは、マットレスや敷き布団に重ねて使う、という意味。布団に“載せるだけの敷きパッド”なのに、腰の負担を減らせる優れモノです。

中材には重みがかかっても潰れにくい特殊素材「V-Lap(R)」を採用。体の重みを一点集中させずに分散する効果で、重量のある腰の沈み込みを予防。腰がラクになります。ネットに入れれば洗濯機で丸洗いOK!(※1)

※1:洗濯機のサイズによっては入らない場合もあります。
※販売終了

プロに聞く!寝具・睡眠についての疑問Q&A

プロに聞く!寝具・睡眠についての疑問Q&A

最後に、小原さんに寝具・睡眠についての素朴な疑問をぶつけてみました! マットレスのお手入れ方法も、ぜひ覚えておきましょう。

布団で寝るのとベッドで寝るのはどちらが良い?

「布団は薄いので床付き感が気になる場合も。もし、朝起きて腰がつらいという人は、ベッドの方がおすすめです。また、布団は吸湿性が良い一方、フローリングや床に直置きすると、湿気が逃げずカビが発生する原因になります。畳の上か、フローリング用マットレスの上で使用しましょう」

マットレスの厚さはどのくらいがおすすめ?

「3~5cm程度の厚みのものはトッパーと言われ、布団と併せて使うためのもの。薄いと床付き感が気になると思うので、マットレス単体として使う場合は、厚みが10cm以上のものがおすすめです」

マットレスはちゃんと寝て試した方がいいの?

「体に合うマットレスを選ぶことは簡単ではありません。お店で数分横になっただけではわからない場合が多いので、できればお試し期間があるマットレスを選ぶのがおすすめです。条件は各社異なりますがエマ・マットレスの場合、100日間のお試し期間中は返送時の送料も全国無料です」

へたり予防にマットレスは定期的に裏返すべき?

マットレスは定期的に裏返すべき?

「最近のマットレスは裏返す必要がないものが多いようです。特に体圧分散機能のあるマットレスの場合は、表と裏で硬さが違うため、裏返すのはNG。ただ腰の部分がどうしてもへたるので、3か月に1回程度上下(頭と足の位置)を入れ替えると、マットレスの寿命を延ばせます」

マットレスのカビ予防にできることは?

「大型で重さもあるマットレスは、布団のように屋外で干すことはできませんが、1か月に1回程度、風通しの良い場所に立てかけて乾かすと、カビ予防に役立ちます。エマ・マットレスのように、マットレスの横に取っ手が付いていると、立てかける際に便利です」

寝具以外で良い睡眠につなげるコツは?

「睡眠に入る前の部屋の明るさが、睡眠の質に影響しているという研究データもあります。体に合う寝具を使うとともに、寝る2時間前からは間接照明にする、スマホを使わないなど、工夫してみてくださいね!」

取材・文=竹下沙弥香(ハルメクWEB)

※本記事で提供する情報は、診療行為、治療行為、その他一切の医療行為を目的とするものではなく、特定の効能・効果を保証したり、あるいは否定したりするものではありません。腰痛など、ご自身の医療上の問題の解決を図りたい場合は、医師や専門家等に相談の上、適切な医療機関をご受診ください。
※この記事は2021年8月の記事を再編集して掲載しています。
※商品の情報は2023年9月時点のものです。

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