質の良い睡眠で気持ちよく目覚めるために#3

“睡眠”博士・柳沢正史さんに聞く!「睡眠」にまつわる7つのウソ・ホント

“睡眠”博士・柳沢正史さんに聞く!「睡眠」にまつわる7つのウソ・ホント

公開日:2026年03月19日

“睡眠”博士・柳沢正史さんに聞く!「睡眠」にまつわる7つのウソ・ホント

睡眠への注目が高まって、いろいろな情報が広がりつつありますが、根拠のない情報や誤解されて広まった通説などもあり、何が正しいのかわからないことも。そこで、“睡眠”博士の柳沢正史さんに聞いてみました!

教えてくれた人:柳沢正史(やなぎさわ・まさし)さん


筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構(WPI・IIIS)機構長・教授。株式会社S’UIMIN取締役CSO会長。医学博士。主な研究テーマは、睡眠・覚醒機構の解明と医薬への応用。紫綬褒章、朝日賞、慶應医学賞、文化功労者、ブレークスルー賞など受賞多数。

Q1:目覚まし時計より早く目が覚めるのは睡眠不足?

ウソ:日中眠くならなければ就寝時間が早過ぎる可能性も

早く目が覚めても日中眠くなって困ることがなければ、睡眠時間は適正といえます。逆に就寝時刻が早過ぎて、目が覚めてしまう可能性も。寝る時間を少し遅くしてみるなど、調整してみましょう。

Q2:寝る前にスマホを見るのはよくない?

ウソ:使い方次第ではよい睡眠の助けにも

スマホで気を付けるべきなのは、光の影響より「何を見るのか」です。情報検索やチャットなどを避け、リラックスや癒やしにつながるコンテンツをゆったり視聴すれば、良い睡眠への助けにもなります。

Q3:睡眠時間によって認知症リスクが高まる?

ホント:短過ぎても長過ぎてもダメ。認知症リスクが高まります

1日の睡眠時間が短過ぎる(3~5時間)、長過ぎる(9時間以上)人は、睡眠時間が1日6~7時間の人に比べて認知症リスクが4倍以上高いということが明らかになっています。

Q4:夢を見るのは睡眠の質が悪い証拠?

ウソ:夢を見るのは自然な現象。睡眠の質が高まります

夢を見るのはレム睡眠中のことがほとんどです。レム睡眠は脳の血流量を増加させて老廃物の除去を促すなど、健康維持に重要なこと。したがって夢を見ることは健全な睡眠で、睡眠の質を損なうものではありません。

一方「夢を見なかった」と感じるときは、夢を見た後も深い眠りが続いて目覚める前に記憶が薄れてしまったと考えるのが妥当です。

Q5:ぐっすり眠るために寝る前にお酒を飲んでもいい?

ウソ:アルコールを分解する過程で睡眠の質が下がる!

アルコールが体内で分解される過程で浅い睡眠になったり覚醒につながることがわかっています。寝酒よりも晩酌で、寝る3〜4時間前に食事とともに適量をたしなむことをおすすめします。

Q6:横になって目をつぶっていれば、眠ったことになる?

ウソ:睡眠と同じ効果は得られません

横になっていることで体は多少休まるかもしれませんが、睡眠と同じ効果は得られません。特に寝床について30分以上たっても眠れないときに横になったまま無理やり目をつぶっていると、寝床が眠れない場所だと条件付けされてしまいます。

「今は眠る必要がないんだ」と気分を切り替えて、リビングに行って読書をしたり、音楽を聴くなどして眠くなるまで待つのがおすすめです。

Q7:眠れないときに睡眠薬に頼ってもいい?

ホント:依存性の低い薬がおすすめ

長過ぎる床上時間や眠れない要因を排除しても眠れないときは、睡眠薬に頼るのも手です。ただしずっと睡眠薬に頼ってしまうと睡眠の質に問題が出ることも。最近では依存性が低い「オレキシン拮抗薬」と呼ばれる睡眠薬もあるので、睡眠外来で相談してみましょう。

取材・文=三橋桃子、大門恵子(ともにハルメク編集部)

※この記事は、雑誌「ハルメク」2025年8月号を再編集しています。
 

HALMEK up編集部
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