質の良い睡眠で気持ちよく目覚めるために#2

50代からの「睡眠の悩み」読者3人の傾向からプロが対策を解説!

50代からの「睡眠の悩み」読者3人の傾向からプロが対策を解説!

公開日:2026年03月19日

50代からの「睡眠の悩み」読者3人の傾向からプロが対策を解説!

50代以降になると多くの人が抱えている睡眠の悩み。今回は、具体的な悩みに対して、睡眠ウェルネスアドバイザーの谷明洋さんに対策を教わります。

教えてくれた人:谷 明洋(たに・あきひろ)さん

谷 明洋さん

睡眠ウェルネスアドバイザー。株式会社S’UIMINで睡眠改善プログラムの開発、実施に従事。プロスポーツ選手から一般の人まで年間200名以上の睡眠に関わり、睡眠改善アドバイスを行う。

睡眠を“見える化”して自分の眠りを知る!

睡眠が脳と体にとっていかに大切か、そして加齢によってどう変化するのか、前回の記事で筑波大学教授・柳沢正史さんに解説していただきました。

50代以降になると多くの女性が抱えている睡眠の悩み。具体的な睡眠傾向は、この3つ。

  • 眠ろうとしても眠れない日がある
  • 夜中に何度も目が覚める
  • なんとなく十分眠れていない気がする

「自分の睡眠の状態を客観的にデータで見てみると、悩みが解消されやすくなります」と言うのは、柳沢さんとともに睡眠の事業に携わる谷さんです。

今回、株式会社 S’UIMINの睡眠計測サービスを利用して、読者の睡眠を“見える化”しました。測定したデータは大きく二つ。一つ目は睡眠時の脳波です。脳波データを解析すると、寝つきまでの時間、途中で目が覚めていた時間、ノンレム睡眠・レム睡眠の時間が示され、睡眠の質がわかります。「測定してみると、自分が思っているより眠れているとわかって、睡眠への不安が和らいだという方もいました」と谷さん。

もう一つ測定するのが血中酸素。急激な低下が何度も見られる場合、睡眠時無呼吸症候群で呼吸が一時的に止まっている可能性があります。「男性に多いと思われがちな睡眠時無呼吸症候群ですが、実は閉経後の女性にも多いのです」と谷さんは言います。

次から、読者3人の睡眠測定データをもとに、よりよい睡眠のための対策を提案してもらいます。

悩み1:眠ろうとしているのになかなか眠れません(S・Yさん)

【対策】寝室環境や毎日の習慣を見直してみましょう

S・Yさんの場合、データを見ると、寝床に入ってから眠れるまでに30分近くかかっていました。目が覚めてから眠れなくなる時間もあり、眠れた時間が4時間半ほどと短くなっています。眠っている間の睡眠の質はよいので、「眠れない時間」を減らすことが重要。また、どうしても眠れないときは布団から出て気分転換をするのもよいでしょう。

眠れない原因は人それぞれですが、まずは寝室の環境を整える(音、照明)、緊張を覚えるようなことを眠る前に考えない、そして日中は昼寝を避け、頭と体を適度に動かすことも大切です。

中には自分が眠れる以上の時間を眠ろうとして、逆に眠れなくなってしまっている方も。心当たりがあれば、布団にいる時間を短くして、睡眠の中身を濃いものにしていきましょう。

改善してみたら…

「眠れなかった翌日、友人と会う約束をしていたので、ランチをしておしゃべりして活動的に過ごしました。昼間は眠くなることもなく、夜はいつも以上に早く眠りにつけました」(S・Yさん)

悩み2:何度も目が覚めて、よく眠れていない気が(T・Mさん)

【対策】自分の睡眠に自信を持って心配し過ぎないことが大切

睡眠時に何度か目が覚めるのは、この世代によく見られること。ただT・Mさんのデータを見ると、目が覚めてもすぐまた眠れているので、自分が思っているほど眠れていないわけではないのです。目覚める前後の睡眠は安定しており、血中酸素も大きくは低下していません。

繰り返しますが、途中で目が覚めるのは、50代以降は加齢に伴い普通のこと。心配し過ぎると、睡眠に対する不安が強くなって本当に眠れなくなってしまうことがあるので、あまり気にしないのが一番です。

ただし、短時間で再び眠れていても、血中酸素の低下が認められる場合は要注意。「睡眠の悩み3」も参照してください。

改善してみたら…

「夜中に目が覚めるとまた眠るまでに時間がかかると思っていましたが、気にしないようにしたら翌朝気持ちよく起きられるようになりました」(T・Mさん)

悩み3:いびきがうるさいと言われます(S・Kさん)

【対策】軽度なら横向き寝を試してみてもよいでしょう

S・Kさんのデータを見ると、血中酸素ウェルネスの低下が目立ちました。睡眠時無呼吸症候群について、睡眠外来(※)などに相談してみましょう。

睡眠時無呼吸症候群の人は、眠っている途中で睡眠が不安定になって目覚めてしまうことも多く、S・Kさんは自覚的な目覚めまではいかないものの、浅い睡眠が何度も出てきています。自分では気付きにくいため、検査を受けたり、家族にいびきや呼吸を確認してもらうことが大切です。

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠時に気道がふさがったり、狭くなることで起こります。気道が狭まるのは、あごの骨格や首まわりの形状により、舌がのどの奥に落ち込む舌根沈下が主な原因です。

特に年齢を重ねると、舌の筋力が衰えるため舌根沈下を起こしやすくなるといわれています。対策の一つとして横向きで眠ることが考えられます。「抱き枕」を使うと横向きで眠る時間が増えやすくなります。

※睡眠外来は、ネットで検索をすれば、地域の医療機関の睡眠クリニックや睡眠専門外来を探すことができます。かかりつけの病院があれば、相談して紹介状を書いてもらうことも可能です。

改善してみたら…

「本当は実際にお店で選んだ方がよいのでしょうが、時間が取れなかったので、ネットで吟味して、抱き枕を購入しました。それがとても自分に合っていて、夫にいびきがうるさいと言われることが減りました。しばらく様子を見て、これ以上改善しなければ睡眠外来にも行くつもりです」(S・Kさん)

その他のよくある悩み:忙しくて睡眠時間が短く、日中よく眠くなる

【対策】睡眠不足が原因。積極的に必要時間を確保しましょう

仕事や介護などで忙しくて睡眠時間が短くなっている人は、「睡眠不足」の可能性も。「睡眠時間が足りていない場合は、質よりもまずは時間を確保することが最優先です。起床時刻から逆算して、必要な睡眠時間をとれるタイミングで布団に入るようにしましょう。


取材・文=三橋桃子、大門恵子(ともにハルメク編集部)、撮影=中西裕人、ヘアメイク=榊 美奈子

※この記事は、雑誌「ハルメク」2025年8月号を再編集しています。

HALMEK up編集部
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