『肺炎球菌』の予防接種を受けませんか?
50代以上の方へ「予防接種」のすすめ……その2「肺炎球菌ワクチン」
50代以上の方へ「予防接種」のすすめ……その2「肺炎球菌ワクチン」
公開日:2025年12月25日
助成金が出ることになったよ!!
以前、肺炎球菌肺炎で9日間も入院する羽目になった記事を書きましたが、なんと『肺炎球菌』も私の住む自治体で助成金が出るようになりました。
お隣の市ではずいぶん前から助成金が出ており、市議会議員の選挙や市のアンケートの折などに、助成金を出してほしいと要望を出しておりましたので、市からお知らせが届いたときは「やったあ」と思いました。
『肺炎球菌』は、莢膜(きょうまく)という厚い膜に包まれています。そのため、体の免疫からの攻撃に強く、退治するのが難しいともいわれる細菌です。しかも、抗菌薬(抗生物質)が効かない耐性菌も登場しており、『肺炎球菌』感染症は重症化しやすく注意が必要です。
接種の対象者とスケジュールは以下の通りです。
- 65歳の方
- 60~64歳で対象となる方(※)
※心臓、腎臓または呼吸器の機能に障害があり、身の回りの生活が極度に制限される方、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫の機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能な方
※過去に23価肺炎球菌ワクチンの接種を受けたことがある方は定期接種の対象となりません。
『肺炎球菌』ってなんだろう?

『肺炎球菌』は主に気道の分泌物に含まれる細菌で、唾液などを介して飛沫感染します。体内に入り込むと、気管支炎や肺炎などの呼吸器感染症を引き起こすことがあります。
重症化すると敗血症などの重い合併症を引き起こすことがあります。なんと肺炎は、わが国の死亡原因の第5位となっていることをご存じですか?
成人の肺炎のうち4分の1~3分の1は、『肺炎球菌』が原因と考えられています。『肺炎球菌』は、90種類以上のタイプがあるのだそうです。成人が日常でかかる肺炎の原因菌として、『肺炎球菌』がもっとも多いと言われています。
肺炎で亡くなる方の大半が65歳以上であることから、特に65歳以上の方は『肺炎球菌』などによる肺炎を予防することが重要です。
また、子どもは症状がないまま保菌していることが多く、特に保育園、幼稚園などの集団生活が始まると保菌率が高まると言われていますので、お孫さんがいらっしゃる方は『肺炎球菌』ワクチンの接種を考えられるといいと思います。
実際に私は2024年1月に病み上がりで孫たちと遊んだ後、『肺炎球菌』肺炎で入院をすることになりました。免疫が落ちているとき、睡眠不足のときなど子どもから『肺炎球菌』をもらってしまう危険があることを、ぜひ認識してください。
成人の『肺炎球菌』ワクチンに「プレベナー20」の登場

『肺炎球菌』ワクチンは、PPSVとPCVの2種類あります。PPSVは、日本語で「肺炎球菌多糖体ワクチン」、PCVは「肺炎球菌結合型ワクチン」です。現在の高齢者の定期接種にはPPSV、「ニューモバックスNP(PPSV23)」を主に使用しています。
「ニューモバックスNP(PPSV23)」の効果持続期間は短く、約5年毎の追加接種が望ましいといわれています。日本の高齢者の定期接種では、これまで主にPPSV23が用いられてきましたが、最近では「プレベナー20(PCV20)」など結合型ワクチンの成人適応が広がっていて、自治体や年度によって取り扱いが更新されています(※最新の実施要項をご確認ください)
ハルメク世代の65歳未満の方は、65歳を待たず、はじめから任意接種で「プレベナー20」を検討してもいいかもしれませんね。




