命にも関わる3つの「肺疾患」治療法と対策
命にも関わる3つの「肺疾患」治療法と対策
更新日:2025年09月08日
公開日:2025年08月24日
教えてくれた人:宮崎雅樹(みやざき・まさき)さん
みやざきRCクリニック(東京都品川区)院長。2006年、群馬大学医学部卒業。慶應義塾大学病院呼吸器内科助教などを経て、16年から現職。日本呼吸器学会呼吸器内科専門医。著書に『長生きしたけりゃ肺を鍛えなさい』(エクスナレッジ刊)がある。
肺からのSOSを逃さない!症状が進む前に受診を
50代から特に注意したい3つの肺の病気。重症化すると命に関わることもあるので侮れません。「特に肺炎や誤嚥性肺炎は、65歳以上では肺炎と気が付かないうちに重症化することも多いので注意してください」と宮崎さん。
喘息では、症状がよくなったり悪くなったりを繰り返しながら、肺の機能低下が進みます。「症状がおさまった後も気管支の炎症は続いているため、気管支自体が徐々に狭くなり、喘息が悪化していくのです」
病気に早く気付いて適切な治療を受けることは、肺を若々しく守る一番のケア法。心当たりのある人は、できるだけ早く呼吸器内科や内科で診てもらいましょう。
「肺炎・誤嚥性肺炎」の治療法と対策
治療は?
肺炎の原因を調べ、 細菌感染なら原因菌に応じた抗菌薬を、ウイルス感染なら抗ウイルス薬を投与します。軽症の場合は外来治療で自宅での療養が可能ですが、重症の場合は入院治療となり、酸素投与や点滴での水分補給なども行われます。
生活で気を付けることは?
「65歳以上になったら5年に1回、肺炎球菌ワクチンの接種をおすすめします。65歳の方などは公費助成(1回のみ)の対象になります」と宮崎さん。睡眠や栄養を十分とって免疫力を維持すること、風邪やインフルエンザの予防も重要です。
「喘息」の治療法と対策
治療は?
気管支の炎症を抑えるのが、口から薬剤を吸い込む吸入ステロイド薬。「症状がないときも続けます。正しく使えば副作用の心配はほとんどありません」と宮崎さん。気管支を広げて呼吸を楽にする気管支拡張薬の併用も。
生活で気を付けることは?
ダニやハウスダスト、花粉、喫煙、受動喫煙、風邪、寒暖差、気圧の変化、ストレスなどが引き金に。こまめな掃除や環境変化に注意しましょう。
「肺NTM症」の治療法と対策
治療は?
「複数の抗菌薬を継続的に服用して、症状の改善と重症化予防を目指します。定期的に検査をして経過を観察することが重要です」と宮崎さん。
生活で気を付けることは?
原因菌はぬめりや蒸気の中にいるので、浴室は十分に乾燥させて清潔に保ち、なるべく追い炊きを避けて毎日湯の入れ替えを。不要な土いじりを控えることも重要です。
テレビなどでよく聞く、他の病気にも注意!
「睡眠時無呼吸症候群」(すいみんじむこきゅうしょうこうぐん)

呼吸の病気で他にも気を付けたいのが、睡眠中に気道が狭くなって呼吸が一時的に止まるこの病気。女性は閉経後に発症しやすくなります。「放置すると心筋梗塞などの病気を招くことも。いびきがある、睡眠中に呼吸が止まっていると言われた方は早く受診を」。
「間質性肺炎」(かんしつせいはいえん)
“間質”とは肺胞の壁のこと。「この壁が炎症による損傷で厚く硬くなり、酸素を取り込みにくくなる病気です。呼吸困難で生活にも支障を来すようになります」(宮崎さん)。関節リウマチなどの膠原病に合併したり、薬の副作用で起こったりすることも。原因不明の「特発性間質性肺炎」もあります。
命を支える最重要臓器の一つ、「肺」。今回の記事を参考にしたケアで、肺の健康と若々しさを維持しましょう。
取材・文=佐田節子、イラストレーション=モリナオミ、構成=大矢詠美(ハルメク編集部)
※この記事は、雑誌「ハルメク」2025年1月号を再編集しています




