健康診断の数値がよい人の食生活

早期発見でリスク減!50代が「健康診断」で注意すべき3つの数値と病気

早期発見でリスク減!50代が「健康診断」で注意すべき3つの数値と病気

更新日:2025年08月18日

公開日:2025年08月02日

早期発見でリスク減!50代が「健康診断」で注意すべき3つの数値と病気

50代女性が健康診断で気にしたい3つの数値は、肝臓の働きを示すγ-GTP、糖尿病リスクを表すHbA1c、体調に関わる鉄の状態。それぞれの意味と健康維持のポイントをわかりやすく解説します。自分の数値と比べてみましょう。

教えてくれたのは、森 由香子(もり・ゆかこ)さん

管理栄養士・日本抗加齢医学会指導士。管理栄養士として医療機関をはじめ幅広い分野で活動中。食事からのアンチエイジングを提唱し、クリニックで栄養指導、三國清三シェフととともに病院食や院内レストランのメニュー開発、料理本制作の経験を持つ。最新著に『健康診断の数値がよい人は何を食べているのか』(廣済堂出版刊)

「γ-GTP」は肝硬変やがんリスクのサイン

「γ-GTP」は肝硬変やがんリスクのサイン
AomOra / PIXTA

第1回は、「骨粗鬆症」、第2回は「脂質異常症」のリスクを下げる食生活について紹介しました。今回は、健康診断の3つの数値の見方について解説していきます。

γ-GTP(ガンマ・ジーピーティー)は肝臓にある酵素です。肝臓の細胞がダメージを受けていると血液中にあふれだして数値が上がります。検査値上昇は、肝臓がオーバーワークしている可能性を示すサインです。 

肝臓の働きは、大きく分けて3つあります。

1.解毒

アルコールや薬物、ウイルスなどの有害物質を分解し、無害なものにする働きです。

2.栄養素の代謝

糖質をグリコーゲンや中性脂肪という形で貯蔵したり、脂溶性ビタミンや食事から摂取した脂肪を中性脂肪として蓄えたりしています。

3.胆汁の合成

これはコレステロールを材料につくられます。胆汁は、脂肪の消化を助ける消化液で胆ん嚢に貯められます。

γ-GTPの値は、飲酒量が多い人ほど上がりやすい傾向が見られます。他に、サプリメントの摂り過ぎや薬、過食などによる脂肪肝も上昇の原因になります。

肝臓は、再生能力が大きい臓器です。お酒を飲み過ぎても禁酒すれば、肝機能の数値はよくなります。とはいえ、再生能力にも限界があります。再起不能になると肝硬変になり、さらには肝臓がんへと移行していきます。

■γ-GTP値の目安

男性:50IU/L以上
女性:30IU/L以上
になると要注意
で、100IU/L以上になると治療が必要になります。

肝臓がんのリスクは、純アルコール量で男性は週450g以上、女性は週150g以上。栄養指導では、まず純アルコール量で男性が一日20g以下、女性が10g以下に節酒するようにアドバイスしています。

肝臓は痛みを感じる神経がないため、自覚症状が現れにくい特徴があります。健康診断の結果を見て異常値でなくても、γ-GTPの値が毎年、少しずつ上がるようでしたら、ぜひとも飲酒量を見直すことをおすすめします。

「HbA1c」でわかるのは糖尿病リスク!

「HbA1c」でわかるのは糖尿病リスク!
Yotsuba / PIXTA

HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)。糖尿病のリスクを判別する指標の一つで、健康診断の検査項目になっています。

■Hba1C値の目安

基準値は、年齢、性別を問わず5.6%未満。HbA1cの値が高いと、高血糖状態が慢性化、血管がダメージを受けているとされ、6.5%以上になると糖尿病の可能性が高いと考えられます。

検査値の改善には、適正なエネルギー摂取をして適正な体重を保つことが基本です。

摂取エネルギー量算定の目安
一日の適正エネルギー(kcal)=目標体重(kg)×エネルギー係数(kcal/kg)
目標体重(kg)※65歳未満= 身長(m)×身長(m)×22
目標体重(kg)※65歳以上= 身長(m)×身長(m)×22~25

エネルギー係数は、目標体重1kgあたり、
・軽い労作(大部分が座位の静的活動)の人→25~30kcal/kg
・普通の労作(座位中心だが通勤、家事、軽い運動を含む)の人→30~35kcal/kg
・重い労作(力仕事、活発な運動習慣がある)の人→35~ kcal/kg

次に、食事内容や食べ方について説明しましょう。

まず、一度の食事量が多いと血糖が上昇しやすいため、欠食せず、一日3食で毎食、均等に食べるようにします。また、早食いだと、食べ過ぎることが多いので、ゆっくりよく噛んで食べることを心がけ、腹八分目で満足できるようにしましょう。

食事の構成は、主食、主菜、副菜の組み合わせとします。食べる順番は、野菜からあるいは、主菜のおかずから食べるようにし、主食は最後に食べるようにします。副菜の野菜は、一日350g以上、毎食120g以上。野菜料理は、少なくとも一品は食べるようにします。

ちょっと食べ過ぎたかなと思ったら、すぐに横にはならず、食後30分ぐらいしたら、家事をする、ストレッチする、軽く体を動かすなどして、血糖値の上昇を抑えてください。

「電解質」は体が送る酸素不足のサイン

「電解質」は体が送る酸素不足のサイン
アン・デオール / PIXTA

電解質は、血清(血液の液体成分)にあるミネラル類を言い、生命活動の維持に必要不可欠なものです。

例えば、鉄。血清鉄の基準値は、40~188μ/dL。低いと鉄欠乏性貧血、高いと溶血性貧血や白血病、肝硬変などが疑われます。

貧血の中で最も多いのが鉄欠乏性貧血です。文字どおり鉄が不足している状態。鉄は、赤血球中のヘモグロビンの構成成分で、鉄が不足するとヘモグロビンも同様に不足します。

ヘモグロビンは、肺で受け取った酸素を全身に運搬し、体内の二酸化炭素を回収し、再び肺に受け渡す働きをしています。そのため鉄不足になると酸素の運搬、二酸化炭素の回収がうまくいかなくなってしまい、息切れ、動悸、めまいなどの症状が現れます。

レバーを食べても鉄不足は解消されない?鉄の種類と違い

midori_chan / PIXTA

鉄欠乏性貧血の予防には、食事から鉄分を過不足なく摂ることが重要になりますが、そもそも鉄は、日本人に不足しがちなミネラル。食事で上手に鉄を摂るために、食品中に含まれる鉄が構造の違いにより「非ヘム鉄」と「ヘム鉄」の二種類に分けられることを知っておきましょう。

非ヘム鉄とヘム鉄の含有比率は、食品により異なります。植物性食品や卵(無精卵)、牛乳、貝類は、100%非ヘム鉄が含まれています。肉や魚(特に血合いに多い)などの動物性食品は、非ヘム鉄とヘム鉄の両方が含まれていますが、ヘム鉄が圧倒的に多いです。

ただし、例外もあります。鉄が多いと有名なレバー。意外かもしれませんが、非ヘム鉄の含有量のほうが高いのです。へム鉄が約15%、対して非ヘム鉄は、なんと約85%という比率です。鉄補給のためにと、苦手なレバーをせっせと食べていた方には衝撃的な事実かもしれません。

まとめると、食事から鉄を摂るには、肉(内臓を除く)や魚などたんぱく質が多い動物性食品を選んだ方が効率的ということになります。

また、非ヘム鉄が100%を占めるアサリ、生牡蠣、納豆を食べるときは、ビタミンCが含まれる野菜や果物と一緒に食べると吸収率が上がります。鉄の構造の違いを理解し、食事から鉄を上手に摂りましょう。

※本記事は、書籍『健康診断の数値がよい人は何を食べているのか』より一部抜粋して構成しています。

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#2:「LDLコレステロール」値が下がらない落とし穴
#3: 健康診断の3つの数値を解説&改善法

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HALMEK up編集部
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