健康診断の数値がよい人の食生活
「LDLコレステロール」高めの人!数値が悪化する“あるある勘違い”とは
「LDLコレステロール」高めの人!数値が悪化する“あるある勘違い”とは
更新日:2025年08月11日
公開日:2025年08月02日
教えてくれたのは、森 由香子(もり・ゆかこ)さん
管理栄養士・日本抗加齢医学会指導士。管理栄養士として医療機関をはじめ幅広い分野で活動中。食事からのアンチエイジングを提唱し、クリニックで栄養指導、三國清三シェフととともに病院食や院内レストランのメニュー開発、料理本制作の経験を持つ。最新著に『健康診断の数値がよい人は何を食べているのか』(廣済堂出版刊)
脂質異常症、LDLコレステロール値が高い人が見直すべきは2つ!
前回は、「骨粗鬆症」リスクを下げる正解食材・注意食品について解説しました。今回は「脂質異常症」を取り上げます。
中性脂肪(トリグリセライド)値150mg/dL以上(空腹時)、あるいは175mg/dL以上(空腹時でない)で脂質異常症と診断されます。
また、LDLコレステロールは「悪玉コレステロール」と呼ばれ、血管壁にとどまり血管を傷つけます。
LDLコレステロール値が高いと指摘を受けた方は、高い状態を放置しておくと心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化性疾患の発症につながるため、検査値の改善に取り組む必要があります。
検査値を下げるポイントは 食品から摂取する飽和脂肪酸とコレステロールを減らすこと。
ある調査によりますと、飽和脂肪酸は、肉類34.1%、乳類14.5%、油脂類10.6%、菓子類6.7%、魚介類6.1%の割合で摂っていることがわかっています。
特に飽和脂肪酸が多く含まれる食品は、鶏皮やバラ肉などの脂身、加工肉、バターや生クリームなどの乳製品など。
また、コレステロールは、卵類51.1%、肉類20.9%、魚介類17%、乳類4%の割合で摂取しており、卵黄、手羽先や鶏皮、レバーなどの内臓類、魚卵、ウナギ、ウニなどに多く含まれています。
“鶏むね肉はヘルシー”は間違い!コレステロールが下がらない理由
検査値改善のため努力をしているにもかかわらず、思うほど検査値の改善が見られない方が少なからずいらっしゃいます。
「えっ! 私もそうだけど」と思った方、この表をごらんください。
肉の中でも比較的ヘルシーだと思われている「鶏のむね肉」を見ていきましょう。皮の有り無しで比較してみますと、脂質や飽和脂肪酸の含有量は大きく変わりますが、コレステロール含有量は、あまり差がないことがわかります。
つまり、コレステロールは脂身や皮以外にも含まれています。脂身の少ないヒレ肉、鶏のささみにもコレステロールがしっかり含まれているということです。
肉に関して言えば、肉の部位の他に摂取量そのものも減らすことが不可欠。LDLコレステロールが高い方においては、食事からのコレステロールを1日あたり200mg未満にすることが推奨されています。
くれぐれも、ヒレ肉や鶏むね肉、ささみを食べているから安心と思わないでください。
LDLコレステロール対策、食事で実践する5つのコツ
LDLコレステロール値を下げるために、普段の食事で気を付ける5つのポイントを解説します。
1:適正エネルギー量の食事をする
肥満の方は、250kcalぐらい減らすことから始めましょう。月に1kg程度減量できます。揚げ物などの料理を減らし、脂身や乳脂肪を含む食品の摂取量も見直してください。
2:飽和脂肪酸を制限する
肉や魚、乳製品は脂質の少ない食品を選びます。アイスクリームやスナック菓子、菓子パンなどの加工品に使われるパーム油、ヤシ油にも多く含有しているので注意。また、トランス脂肪酸(マーガリン、ショートニングなど)も過剰摂取を控えましょう。
3:コレステロールを制限する
レバー、手羽先、ウナギの蒲焼き、シシャモ、魚卵を控えます。卵は一週間に3個程度、食べる場合は一日1個とします。卵を使っている洋菓子類も控えます。
4:大豆・大豆製品、野菜を摂る
植物ステロールは、血中コレステロールの低下作用があります。また、食物繊維は、食品に含まれるコレステロールの吸収を阻害する働きもあります。
大豆・大豆製品の場合、納豆なら一日1パック、豆腐なら100~150g。野菜は毎食120g以上。生野菜なら両手にのる程度、温野菜なら片手にのる程度です。
5:植物油を摂る
植物油に多い不飽和脂肪酸は、LDLコレステロールの上昇を予防または改善作用があります。揚げ物や炒め物に利用するなど積極的に摂り入れましょう。
中性脂肪が高い人は要注意!6つのNG食事と改善ポイント
中性脂肪が高くなりがちな6つのNG食事例と、それぞれの改善ポイントを見ていきましょう。
■NG食事1:青魚を食べない
お刺身などの匂いが苦手という方は、缶詰やつみれを利用。青魚に多い多EPAやDHAなどのn-3系多価不飽和脂肪酸は、血液の循環をよくし、血栓を予防します。週に1~2回は摂りたいところです。
■NG食事2 :砂糖、果物、ハチミツ、菓子など甘いものをよく食べる
砂糖やハチミツをラカントなどのカロリーを抑えた甘味料に替えたり、煮物は砂糖を使わず、みりんだけで調理することをおすすめします。果物は、一日200g程度が適量です。
■NG食事3 :飲酒量が多い
アルコール自体が中性脂肪を上げますので、糖質オフなどの商品を選んでも改善に期待できません。アルコール度数の低いものに変えていきましょう。
■NG食事4:ご飯などの炭水化物を食べ過ぎる
こんにゃく米を入れて炊く、キノコを入れるなど低カロリーのものを混ぜて、かさ増しします。また、チャーハン、ラーメンなどの一品料理よりも、主食(穀類)、主菜、副菜の構成である定食料理を選びましょう。
■NG食事5 :レンコン、芋、カボチャ、小豆、栗、トウモロコシをよく食べる
糖質が多い食品です。主食のごはんか、おかずのこれらのどちらかの食べる量を調整したほうが無難です。
■NG食事6 :揚げ物をよく食べる
揚げない唐揚げなどができるオーブンを利用して調理します。また、炒めたり、焼いたり、煮たり、蒸したりする料理を選びます。揚げ物は一週間に1~2回に抑えたいところです。
そして、注意が必要なのが、意外でしょうが「糖質オフ」が効果的という勘違いです。
LDLコレステロール高値を指摘されたみなさんの中に、自己流で糖質制限を実践されている方はいないでしょうか。もし、そうであれば、今すぐにでもやめていただきたいと思います。
糖質制限をやめるだけでも検査値が改善されるかもしれません。というのは、糖質を減らした分、おかずをいっぱい食べている場合が多いからです。
そうなると、飽和脂肪酸やコレステロールの摂取量が適量を超える場合があります。飽和脂肪酸やコレステロールは、肉類や乳製品、魚卵などの動物性食品に多く含まれ、LDLコレステロールを増やす原因だからです。
上記のコツを頭に入れて、本当に正しい、効果的な食改善を実践しましょう。
次回の記事では、「早期発見でリスク減!50代が健康診断で注意すべき3つの数値と病気」を紹介していきます。
※本記事は、書籍『健康診断の数値がよい人は何を食べているのか』より一部抜粋して構成しています。
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#1:「骨粗鬆症」リスクを下げる正解食材・注意食品
#2:「LDLコレステロール」値が下がらない落とし穴
#3: 健康診断の3つの数値を解説&改善法
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