続けるほど体が変わる!「すごい野菜スープ」#3

更年期の不調に!「塩分ゼロ野菜スープ」4つの効能と続け方のコツ【レシピ】

更年期の不調に!「塩分ゼロ野菜スープ」4つの効能と続け方のコツ【レシピ】

更新日:2025年11月28日

公開日:2025年11月13日

更年期の不調に!「塩分ゼロ野菜スープ」4つの効能と続け方のコツ【レシピ】
mits / PIXTA

82歳現役女医・天野さんがすすめる「塩分ゼロ野菜スープ」には、血圧・血糖値の安定から便通改善までうれしい効果がたっぷり。抗酸化作用で血管をしなやかに保ち、体の中から元気を取り戻します。続けるコツや飽きずに楽しめるアレンジスープ2品もご紹介。

教えてくれるのは、天野惠子(あまの・けいこ)さん

教えてくれるのは、天野惠子(あまの・けいこ)さん

医学博士・内科医。女性の健康問題に対応する「女性外来」を全国に広めた性差医療・女性医療研究・実践の第一人者として、現在も診療の現場で患者と向き合い続けている。著書に『82歳 、現役女医が教えるすごい野菜スープ』(飛鳥新社刊)など多数。

※本記事は、書籍『82歳 、現役女医が教えるすごい野菜スープ』より一部抜粋して構成しています。年齢は2025年11月13日現在

塩分ゼロの“野菜スープ”が効く!更年期にうれしい4つの効果

第1回は、更年期の不調に「食べて整える」健康習慣。第2回は基本となる「塩分ゼロ
野菜スープ」
の作り方を紹介しました。

■効能(1)抗酸化作用により血管を丈夫に

野菜にはビタミンC、E、β-カロテンのほか、ポリフェノールなどさまざまなビタミンや抗酸化物質が含まれ、活性酸素を除去し、血管の細胞が酸化によって傷つくことを予防。血管の弾力性を保ち、血管の炎症を抑えるなど、中高年に起こりやすい血管トラブルを未然に防ぐ働きが期待されています。

■効能(2)食物繊維で便通をよくする

野菜を煮込んでスープにすると、食物繊維の摂取量が格段に増えて、便通が改善されたという人も多いそう。温かいスープで血行が促進され、腸の動きも活性化されます。ほか、水溶性食物繊維には中性脂肪やコレステロールを体内にたまりにくくする働きがあります。

■効能(3)塩分ゼロ、カリウムの作用で血圧を下げる

抗酸化作用やビタミンの摂取で血管がしなやかになると、血圧の変動にも対応しやすくなります。過剰になりがちな塩分を無理なく減らして血圧コントロールできるようになります。また野菜に豊富に含まれているカリウムも、体内の余分なナトリウムを排出する助けに。

■効能(4)血糖値の急上昇を防ぐ

たくさんのおかずを並べなくても、1品でたっぷりの野菜を食べられるのが野菜スープのいいところ。多量の食物繊維をとることで糖質の消化や吸収がゆるやかになり、食後血糖値の急激な上昇を防ぎ、血糖値全体の変動幅を小さくする効果があります。

続けるほど体が変わる!基本スープを3か月続けてみよう

続けるほど体が変わる!基本スープを3か月続けてみよう

塩分、油分を一切入れないので、最初はものたりなく感じるかもしれませんが、それも慣れるまでのこと。野菜の種類を変えながら食べると、意外と飽きません(基本の野菜スープのレシピ)

■入れる野菜は多いほどいい

ビタミンや抗酸化成分は、野菜によってさまざま。そのため、多種類の野菜を使うほど有効成分が連携して、活性酸素を消去する力が強くなります。

■新鮮なもの、旬のものを使う

野菜の栄養は季節、育て方、品種などで含有量が大きく変わります。特に意識したいのは、栄養価が高まる旬の季節や鮮度。新鮮なうちに調理する習慣をつけましょう。

■塩分は使わない

基本のスープには一切の味付けをしません。それは、塩分を入れないことで高血圧の予防につながり、味覚がリセットできるからです。

■やわらかくなるまで煮る

活性酸素を除去する働きをもつファイトケミカルは硬い細胞壁の中にあるため、包丁で刻む程度では有効成分が吸収できません。ポイントは時間をかけて煮ること。細胞壁が壊れると有効成分が溶け出すので、弱火でじっくり煮ます。

飽きずに続ける!アレンジスープで“ごちそう化”するコツ

飽きずに続ける!アレンジスープで“ごちそう化”するコツ

だし汁や豆乳などベースに変化をつけたり、スパイスや油脂、トッピングなどでほんの少し塩分や油分をプラス。少し味に変化をつけると飽きずにスープ生活が続けられます。

■だしを使う

スープの水分を昆布だしに変えると、うまみ成分のアミノ酸で深みと奥行きのある味になります。特にきのこなど旨味の強い食材と組み合わせると、相乗効果で風味が強く感じられ、ほぼ塩分無しでもおいしく食べられます。

■トッピングする

食べるときにのり、ナッツ、いりごま、フライドオニオンなどのトッピングをのせるだけでも、風味や食感に変化がついてひと味違うスープに。いろいろな種類を常備しておくと便利です。

■油やスパイスを使う

油で炒めてから煮たり、最後にごま油やオリーブ油を回しかけると風味やコクが出ます。七味唐辛子、こしょう、バジル、みょうがなど香りのあるものも、食べるときにふりかけると風味アップ。

■トマトジュースや豆乳を使う

煮込む水分をトマトジュースや豆乳に替えると、一気にごちそうスープに変身! 抗酸化物質のリコピンが豊富なトマトジュース、大豆由来の栄養素がとれる豆乳はともにグルタミン酸が含まれ、深みのある旨味が加わります。

【アレンジレシピ】かぶと長ねぎのスープ

【アレンジレシピ】かぶと長ねぎのスープ

にんじんやかぶの葉の抗酸化成分、ねぎの血行改善などうれしい薬効がたくさん。シンプルで滋味深い味わいです。

・かぶ
葉には鉄やカルシウムが多く、茎より栄養価が高いので、葉も捨てずに生かして。

・長ねぎ
アリシンが血行を促進し、ビタミンBの吸収を助けます。加熱で甘みが増してスープもおいしく。

・えのきだけ
えのきだけのGABAは血圧を安定させる作用が。日光に当てるとうまみが増します。

・にんじん
含有するカリウムは水溶性ですが、スープは溶け出た栄養を逃さずいただけます。

<作りやすい分量>
かぶ(葉つき)… 2個
にんじん…小1本(100g)
長ねぎ… 1本(100g)
えのきだけ…小1パック(100g)

<作り方>
1. 材料を切る 

【アレンジレシピ】かぶと長ねぎのスープ

かぶは6等分のくし形に切り、葉はざく切りにする。長ねぎは6等分のぶつ切りにする。にんじんは4cm長さに切り、縦4等分に切る。えのきだけは根元を落として2~3cm長さに切る。

2 .煮る

【アレンジレシピ】かぶと長ねぎのスープ

厚手の鍋ににんじん、長ねぎ、えのきだけ、水5カップを入れ、ふたをして強火にかける。煮立ったら火を弱め、ふたをして15分ほど煮る。かぶを加え、ふたをして5分煮る。かぶの葉を加え、ふたをして2分煮る。

3 .完成!
 

【アレンジレシピ】かぶと長ねぎのスープ

かぶの葉は最初から煮込むと色が悪くなってしまうので、火を止める少し前に入れるときれいに仕上がります。

【アレンジレシピ】コロコロ野菜のカレースープ

【アレンジレシピ】コロコロ野菜のカレースープ

体を温めるスパイスが入ったカレー粉は、血行を促進し、新陳代謝を高める効果が期待できます。マメ科のさやいんげんには必須アミノ酸のリジンが含まれ、たんぱく質の吸収を助けます。

<作りやすい分量>

【アレンジレシピ】コロコロ野菜のカレースープ

玉ねぎ…1/2個(100g)
トマト… 1個(150g)
じゃがいも…1個
さやいんげん…7~8本(50g)
カレー粉…小さじ1
植物油…大さじ1

<作り方>
1.玉ねぎは2cm四方に切り、皮はお茶パックに入れる。トマト、じゃがいもは2cm角、さやいんげんは2cmの長さに切る。

2.厚手の鍋に植物油、カレー粉を入れて中火にかけ、香りが出てきたら玉ねぎの皮を除くすべての野菜を加えて炒める。

3.全体に油がまわったら水4カップ、玉ねぎの皮を加え、強火にかける。煮立ったらふたをして弱火で20分煮る(玉ねぎの皮のパックは煮たあと取り出す)


※本記事は、書籍『82歳 、現役女医が教えるすごい野菜スープ』より一部抜粋して構成しています。
※効果には個人差があります。試してみて合わない場合はおやめください。

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■「続けるほど体が変わる!すごい野菜スープ」をもっと読む■

#1:更年期の不調は「食べて整える」健康習慣の秘訣
#2:高血圧・高血糖に“塩分ゼロ野菜スープ”の力
#3:「塩分ゼロ野菜スープ」の4大効能と続け方のコツ

もっと詳しく知りたい人は、天野さんの書籍をチェック!

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HALMEK up編集部
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