続けるほど体が変わる!「すごい野菜スープ」#2
味付け無しでもおいしい!高血圧・高血糖に“塩分ゼロ野菜スープ”の力
味付け無しでもおいしい!高血圧・高血糖に“塩分ゼロ野菜スープ”の力
更新日:2025年11月21日
公開日:2025年11月13日
教えてくれるのは、天野惠子(あまの・けいこ)さん

医学博士・内科医。女性の健康問題に対応する「女性外来」を全国に広めた性差医療・女性医療研究・実践の第一人者として、現在も診療の現場で患者と向き合い続けている。著書に『82歳 、現役女医が教えるすごい野菜スープ』(飛鳥新社刊)など多数。
※本記事は、書籍『82歳 、現役女医が教えるすごい野菜スープ』より一部抜粋して構成しています。年齢は2025年11月13日現在
塩分を一切入れない野菜スープで体は変わると実感!
前回は、更年期の不調に「食べて整える」健康習慣を紹介しました。今回は、塩なし野菜スープの効果や作り方を解説していきます。
野菜スープのことを知ったのは、75歳のとき健康診断で訪れた病院内の書店でした。
高血圧と高血糖気味であることを指摘され「何か体のために取り組めることがないかな?」と本を見て回ったとき、抗がん剤の世界的権威であった前田浩先生の著書『最強の野菜スープ』が目に入ったのです。
読んでみると、野菜を細かく切ってじっくり煮ることで、過剰な活性酸素を抑える働きのある「ファイトケミカル」などの有効成分がとれ、免疫活性や不調改善に役立つとのこと。
内科医として私がより着目したのは、この野菜スープが「塩分を一切使わない」こと、そして「作り方も簡単」だったことです。
塩分の取りすぎは高血圧につながります。血圧が高い状態が続くと血管や循環機能にダメージを与え、さまざまな病気や障害を引き起こしますが、摂取する塩分量を日常的に抑えられれば血圧を下げる効果が期待できます。
さらに食物繊維をたくさん摂れれば、血糖値の急上昇を抑えられたり、便通を改善して肥満予防も期待できるに違いありません。
野菜を切って煮込んだスープを飲むだけで、高血圧や高血糖に起因する生活習慣病を遠ざけられるとしたら、「こんなによいことはないな」「今の私にもってこい」だと感じ、すぐに本の通りに実践。
すると、3か月ほどで140台だった血圧は120台に安定し、血糖値も改善傾向が見られました。以来、7年間ほとんど毎日、野菜スープを飲み続けています。
そのとき手に入る野菜を使って一度に3回分ほどの量を作り、小分けして保存。2~3日で食べきるようにしています。
スープの効果で驚くのは味覚の変化。味付けをしないことで、野菜の甘みやうまみが感じられ、おいしく飲めるようになります。外食の味が濃いと感じるようになれば減塩は難しくありません。
味付けしないのにおいしいの?その答えは…

野菜を切って水から煮るだけですから、最初は「味がなくて続けられるかな?」と少々不安でしたが、スープを飲み始めると、野菜の自然な甘みと旨味が溶け出してとてもおいしいのです。
味付け無しのスープに慣れていくと、今度はそれまで食べていた食事の味付けの濃さ……塩味や甘みが気になるように。味覚が鋭敏になっていったのです。
必然的に野菜スープだけでなく、普段の食事全体がグッと薄味になって過分に塩分を摂らずに済むようになりました。食事やお惣菜に添付される調味料やソースも“1人前”として付いてくる分量の3分の1〜半分ほどしか使いません。それで十分なのです。
舌の感覚が変わることは、野菜スープの大きなメリットの一つです。塩けのない味に抵抗のある方もいるかもしれませんが、飲み続けるうちに野菜の甘みも旨味もちゃんとわかるようになりますから大丈夫。
何より、野菜スープを飲むだけで薬に頼らなくても健康になれるのなら、こんなによいことはないでしょう? 患者さんにすすめる際も「これは食事というより薬だと思って」と伝えています。大切なのは、1週間に1回とかではなく毎日続けること。その点も薬と同じですね。
5種類ほど飲んでいた漢方薬も、副作用を感じるようになってストップ。スープを飲み始めたら、漢方の必要性も感じなくなりました。
飲む量は厳密に決めていません。スープは、いってみればみそ汁を置きかえたようなもの。いつもの献立の汁もの、という感覚で試すといいと思います。
【レシピ】簡単!基本の「塩分ゼロ野菜スープ」の作り方
玉ねぎ・にんじん・キャベツ・かぼちゃ4つの野菜を切って水に入れ、コトコト弱火で煮るだけですから、難しいことはありません。切り方もざくざくと大きく切って構いません。煮る時間も20分ほどと短めで完成です。
いつどのくらい飲むか、厳密な決まりはありませんが、私は大きめのお椀にたっぷり盛り、毎日いただきます。特に最初の3か月は、朝・昼・晩と3食欠かさずに。確実に体の変化を感じられますよ。
・玉ねぎ
皮に多く含まれるケルセチンは抗酸化作用や血管を強くする作用があるので、皮も使います。
・にんじん
強力な抗酸化作用のあるβ-カロテンが豊富。皮膚や粘膜を健康に保つ効果も期待できます。
・キャベツ
多く含まれるビタミンCは水溶性なので、スープにするとムダなく摂取できます。
・かぼちゃ
β-カロテン、ビタミンC、Eなど、老化予防にかかわる栄養素がたっぷり。
<作りやすい分量>
キャベツ…1/8個(100g)
玉ねぎ…1/2個(100g)
にんじん…小1 本(100g)
かぼちゃ…1/8個(100g)
水…5カップ
前田浩先生オリジナルの免疫力を上げるための野菜スープでは、ファイトケミカルを取り出しやすくするため「野菜は小さく切り、30~40分煮る」と提唱されていますが、高血圧や高血糖改善ならば「ざく切りで20分煮る」でOKです。
次回の記事では、「塩分ゼロ野菜スープ」の4大効能と続け方のコツを紹介していきます。
※本記事は、書籍『82歳 、現役女医が教えるすごい野菜スープ』より一部抜粋して構成しています。
※効果には個人差があります。試してみて合わない場合はおやめください。
────────────────────────────────────────
■「続けるほど体が変わる!すごい野菜スープ」をもっと読む■
#1:更年期の不調は「食べて整える」健康習慣の秘訣
#2:高血圧・高血糖に“塩分ゼロ野菜スープ”の力
#3:「塩分ゼロ野菜スープ」の4大効能と続け方のコツ
もっと詳しく知りたい人は、天野さんの書籍をチェック!
毎日飲める野菜スープで高血圧や高血糖、体の不調を遠ざける秘訣を紹介。基本レシピ7種+アレンジ15種&栄養解説付きで、料理初心者でも簡単に始められます。健康を支える手軽なスープ習慣、この一冊から。




