ふくらはぎの効果的なマッサージ方法とは?やり方・注意点・よくある質問【医師監修】

ふくらはぎの効果的なマッサージ方法とは?やり方・注意点・よくある質問【医師監修】

公開日:2025年09月30日

ふくらはぎの効果的なマッサージ方法とは?やり方・注意点・よくある質問【医師監修】

ふくらはぎのケアに関心のある50代・60代の女性のみなさんへ。この記事では、整形外科医の鞆浩康先生の監修のもと、ふくらはぎの効果的なマッサージ方法やセルフケアについて、分かりやすく丁寧にお伝えいたします。

鞆浩康
監修者
鞆浩康
監修者 鞆浩康 オルソグループ

 

この記事3行まとめ

✓ 「第二の心臓」ふくらはぎをほぐす重要性とうれしいメリット
✓ 50代・60代女性がご自宅で安全にできるマッサージ方法
✓ マッサージ効果をさらに高めるための日常生活のポイント

ふくらはぎは「第二の心臓」?

blanche / PIXTA

ふくらはぎは、私たちの足のすねの後ろ側にある、とても大切な筋肉です。正式には「下腿三頭筋(かたいさんとうきん)」と呼ばれ、浅い層にある「腓腹筋(ひふくきん)」と、その深層にある「ヒラメ筋」から構成されています。

歩く、走る、ジャンプする、つま先立ちするなど、日常のあらゆる動作を支える重要な役割を担っています。

特に注目すべきなのが、血液を心臓に送り返す強力なポンプとしての役割です。心臓から送り出された血液は、動脈を通って全身に栄養や酸素を届けた後、静脈を通って心臓に戻ります。特に足は心臓から最も遠く、重力の影響を強く受けるため、血液が滞りやすい場所です。

このとき、ふくらはぎの筋肉が収縮・弛緩を繰り返すことで、静脈をリズミカルに圧迫し、血液を力強く上へと押し上げるのです。この働きから、ふくらはぎは敬意を込めて「第二の心臓」とも呼ばれています。

しかし、デスクワークや立ち仕事で長時間同じ姿勢でいることが増えたり、年齢とともに筋力が低下したり、静脈弁の機能が低下したりすると、このポンプ機能は徐々に衰えてしまいます。その結果、血行不良を招き、さまざまな身体の不調の原因となることがあるのです。

ふくらはぎをマッサージすることで得られるメリット

ふくらはぎを優しく丁寧にマッサージしてあげることは、50代・60代の女性の心と体にとって、多くのうれしいメリットをもたらします。

  • つらい「むくみ」の改善:ポンプ機能を助け、足に溜まった余分な水分や老廃物の排出をスムーズにします。夕方になるとパンパンに張っていた足がすっきりし、ブーツや靴も楽に履けるようになります。
  • 気になる「冷え」の対策:血行が促進されることで、温かい血液が体の隅々、特に滞りやすい足先までしっかりと届くようになります。つらい手足の冷えが和らぎ、心地よい温かさを感じられるでしょう。
  • 足のだるさ・疲労回復:筋肉の緊張がじんわりとほぐれることで、一日中体を支えてくれた足の重さやだるさが軽減されます。まるで羽が生えたように、軽やかな足取りを取り戻せます。
  • こむら返りの予防:血行不良や筋肉の疲労、冷えなどが原因で起こりやすい、睡眠中の突然の激痛「こむら返り」。マッサージで血流を良くし、筋肉を柔軟に保つことで、そのつらい症状を予防する効果が期待できます。
  • 血流促進と健康維持:「第二の心臓」の働きを活性化させることで、全身の血の巡りが良くなります。これにより、体全体の健康維持にも貢献します。

厚生労働省の「国民生活基礎調査」などを見ると、50代以上の女性の多くが、具体的な病気ではないものの「手足の冷え」「むくみ」「だるさ」といった、いわゆる「不定愁訴」に悩んでいることがわかります。また、スポーツ庁の調査では、年齢とともに運動習慣を持つ人の割合が二極化する傾向が見られます。ふくらはぎのセルフケアは、特別な運動が苦手な方でも手軽に始められ、こうした多くの女性が抱える日々の悩みに直接アプローチできる、非常に有効で大切な生活習慣なのです。

ふくらはぎの不調で起こる心身のトラブル

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ふくらはぎの筋肉が硬くなったり、ポンプ機能が低下したりすると、それは足だけの問題にとどまらず、私たちの心身にさまざまな影響を及ぼします。「いつものことだから」と見過ごさず、ご自身の体からの大切なサインに耳を傾けてみましょう。

血行不良が招く身体的な問題

ふくらはぎの不調は、まず「血行不良」という形で身体に現れ、さまざまなトラブルを引き起こします。

  • 慢性的なむくみと冷え:血液やリンパの流れが滞ることで、細胞の間に余分な水分が溜まり、足は常にむくんだ状態になります。また、温かい血液が足先まで届かず、夏でも靴下が手放せないほどの冷えに悩まされることもあります。
  • 足のつり(こむら返り):筋肉の疲労や血行不良、汗などで失われがちなカルシウムやマグネシウム、カリウムなどの電解質不足が重なると、睡眠中などに突然、筋肉が異常収縮を起こし、激しい痛みに襲われることがあります。
  • 下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう):足の静脈にある、血液の逆流を防ぐための「弁」がうまく機能しなくなり、血液が滞留して血管がこぶのように浮き出て見える状態です。長時間の立ち仕事などをしている方に多く見られ、血行不良が長く続くことが一因とされています。
  • 全身のだるさ・疲労感:全身の血流が悪くなることで、体中に酸素や栄養が届きにくくなり、老廃物も排出されにくくなります。その結果、十分な休息をとっても疲れが取れにくかったり、常に体が重く感じられたりすることがあります。

身体の変化が心に与える影響

足の不調は、私たちの気持ちの面にも影を落とすことがあります。夕方になるとお気に入りの靴がきつくなる、足のだるさで友人との旅行や買い物を心から楽しめない、むくんだ足を見られるのが嫌でおしゃれを諦めてしまう…。

こうした日々の小さなストレスや我慢が積み重なると、知らず知らずのうちに気分が落ち込んだり、新しいことに挑戦する意欲が削がれたりすることもあるのです。

関連する他の不調やトラブル

ふくらはぎの血の巡りが悪くなることで、肩こりや腰痛といった慢性的な痛みを悪化させる可能性が指摘されています。健康で若々しい毎日を送るためにも、ふくらはぎのケアは非常に重要だと言えるでしょう。

マッサージを始める前の注意点

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安全にマッサージを始めるために

ご自宅で手軽にできるセルフマッサージですが、ご自身の体を守るために、いくつか大切な注意点があります。特に、以下のような方は、自己判断でマッサージを始める前に、必ずかかりつけ医に相談してください。

  • 下肢静脈瘤や深部静脈血栓症の診断を受けている方、またはその疑いがある方:足の血管内にできた血栓(血の塊)が、マッサージの刺激によって剥がれ、血流に乗って肺へ運ばれて血管を詰まらせる「塞栓症(そくせんしょう)」という命に関わる状態を引き起こす危険性があります。「片足だけが急に赤く腫れて痛む」といった症状がある場合は、特に注意が必要です。
  • 重度の心臓病、腎臓病、肝臓病などの持病がある方:マッサージによって血流が急に変化することが、体に負担をかける可能性があります。
  • 悪性腫瘍(がん)の治療中の方
  • 皮膚に炎症、湿疹、傷などがある場合:症状を悪化させる恐れがあります。
  • 体調がすぐれない、熱がある、食後すぐ、飲酒後:これらの場合もマッサージは避けましょう。

専門家(理学療法士、あん摩マッサージ指圧師など)に相談するメリット

自己流のマッサージは、やり方によっては十分な効果が得られなかったり、かえって筋肉の繊維を傷つけてしまったり(揉み返しなど)することもあります。特に、強いマッサージは症状を悪化させる可能性があるため注意しましょう。

症状がなかなか改善しない場合や、ご自身の症状に合った正しいケアの方法を知りたい場合は、専門家に相談するのが最も安全で確実な方法です。

専門家は、解剖学や運動学の知識に基づき、一人一人の体の状態や生活習慣を評価した上で、最適なマッサージ方法やストレッチ、必要な筋力トレーニング、生活習慣のアドバイスなどを提供してくれます。つらい症状の裏に隠れた、根本的な原因を見つけてくれることもあります。

こんな症状が出たら病院へ

特に心不全は要注意です。息苦しさや、呼吸でヒューヒューと音が出るときはすぐに病院に行ってください。甲状腺機能低下などの内分泌疾患の可能性もあります。先ずは整形外科医に相談しましょう。

ふくらはぎの具体的なマッサージ方法

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マッサージ方針の決定

まずはご自身の目的をはっきりさせましょう。「パンパンのむくみをすっきりさせたい」「歩き疲れた足を回復させたい」「一日の終わりにリラックスしたい」など、その日の体調や目的に合わせてマッサージのやり方や時間を調整すると、より効果を実感しやすくなります。どのマッサージも、血行が良くなっているお風呂上がりなど、体が温まっている時に行うのが最も効果的です。

1. 基本的なセルフマッサージ

準備:床や椅子に座り、リラックスできる姿勢をとります。片方の脚をもう片方の膝の上に乗せるとやりやすいでしょう。滑りを良くし、肌への負担を減らすために、マッサージ用のオイルやクリームをたっぷりと手にとり、ふくらはぎ全体に優しくなじませます。

  1. リンパの流れを促す準備運動(各脚1分) 両手で足首を優しく包み込むように持ち、膝の裏側にある「膝窩(しっか)リンパ節」に向かって、ゆっくりと体液を送り届けるイメージでなで上げます。これを5〜10回繰り返します。あくまで優しく、皮膚の表面をなでるくらいの力加減です。
  2. ふくらはぎ全体をほぐす(各脚2分) 両手のひらでふくらはぎ全体を包み込み、雑巾を絞るように、あるいは手のひらでこねるように、優しく揉みほぐしていきます。特に硬いと感じる部分は、少し時間をかけて丁寧に行いましょう。
  3. 内側と外側を刺激する(各脚1分) 両手の親指を使い、すねの骨の内側と外側のキワに沿って、足首から膝に向かってゆっくりと圧をかけながらポイントを移動させていきます。「痛い」と感じるほど強く押す必要はありません。「痛気持ちいい」と感じるくらいの力加減で、息を吐きながらゆっくり押しましょう。
  4. アキレス腱まわりをケアする(各脚30秒) アキレス腱のまわりは、意外と凝り固まっている場所です。親指と人差し指でつまむように、優しくほぐします。

マッサージができない人やあまり時間のない人は、足趾(足の指)を1本ずつこねるようにマッサージすると血流が良くなります。

よくある間違いと正しいやり方

  • 間違い:早く効果を出したいからと、ゴシゴシと力を入れて、あざができるほど強く揉んでしまう。
  • 正しいやり方:強い力は絶対に必要ありません。強い刺激は、筋肉の防御反応を引き起こしてかえって硬くなったり、毛細血管や筋膜を傷つけて炎症を起こしたり(揉み返し)する原因になります。あくまで「優しく、ゆっくり、心地よく」を基本に、心臓に向かって血液を戻してあげるイメージで行いましょう。

2. 器具を使ったマッサージ

準備:フォームローラーやテニスボール、ゴルフボール、あるいは麺棒など、ご自宅にあるものを活用できます。

  • フォームローラー 床に座り、両手をお尻の後ろについて体を支えます。フォームローラーの上にふくらはぎを乗せ、お尻を少し浮かせて体重をかけながら、前後に体を動かし、ふくらはぎ全体をゆっくりとほぐします。膝を少し曲げ伸ばししたり、足を左右に傾けたりすると、刺激する場所を変えることができます。
  • テニスボール・ゴルフボール 椅子に座った状態で、床に置いたテニスボールなどをふくらはぎの下で転がします。特に凝っていると感じる場所で動きを止め、20〜30秒ほどゆっくりと圧をかける「トリガーポイント療法」も効果的です。

よくある間違いと正しいやり方

  • 間違い:痛みを感じるほど、全体重をかけて長時間グリグリと押し付け続ける。
  • 正しいやり方:器具を使うと、意図せず強い圧がかかりやすいので注意が必要です。手で体を支えながら体重のかけ方を細かく調整し、「痛気持ちいい」と感じる範囲で行いましょう。強くすると逆に痛めてしまうので、ちょっと物足りない程度で留めるようにしてください。

マッサージの頻度と期間の目安

毎日5分でも良いので、歯磨きのように生活習慣の一部として継続することが、体質改善への一番の近道です。特に、むくみや疲れを感じやすい日の夜、寝る前に行うと、リラックスして質の良い睡眠にもつながり、翌朝の足の軽さを実感しやすくなります。

数週間から1か月ほど続けることで、慢性的なむくみや冷えが改善されるなど、うれしい体質の変化を感じられるでしょう。

マッサージ効果を高める生活習慣

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1. 食事のポイント(カリウム、水分、タンパク質など)

  • 塩分は控えめに:塩分の多い食事は、体内に水分を溜め込み、むくみの直接的な原因になります。漬物や加工食品、麺類の汁などは少し意識して控えるようにしましょう。
  • カリウムを積極的に摂る:カリウムは、体内の余分な塩分(ナトリウム)を水分と一緒に体外に排出してくれる、むくみの強い味方です。きゅうり、なすなどの夏野菜や、バナナ、アボカド、ほうれん草、ひじきなどの海藻類に多く含まれています。
  • 良質なタンパク質を:筋肉の材料となるタンパク質が不足すると、筋力が低下し、ふくらはぎのポンプ機能も弱まります。肉、魚、卵、大豆製品などを毎食バランス良く取り入れましょう。
  • 適切な水分補給:「むくむから」と水分を控えるのは逆効果です。水分が不足すると、体は危険を感じてかえって水分を溜め込もうとします。血行も悪くなります。一度にがぶ飲みするのではなく、こまめに常温の水やお茶を飲むようにしましょう。

2. 休息と回復の重要性

足を休ませることも、マッサージと同じくらい大切なケアの一つです。夜寝る時に、クッションや丸めた座布団、たたんだタオルなどを足の下に置き、心臓より10〜15cmほど少し高い位置にすると、重力によって足に溜まった水分や血液が心臓に戻りやすくなり、翌朝のむくみ解消に非常に効果的です。

その時に、足首や足趾を動かすと更に効果がアップします。

3. 日常生活で意識するべきこと

  • 長時間同じ姿勢を避ける:デスクワークなら1時間に1回は立ち上がって少し歩く、立ち仕事なら屈伸運動をするなど、こまめに体を動かしましょう。座っている時に足首を回したり、かかとの上げ下ろし(カーフレイズ)をしたりするだけでも、ポンプ機能を刺激できます。貧乏ゆすりも効果的です。
  • 体を締め付けない服装:きつい下着やガードル、スキニージーンズなどは、血行やリンパの流れを妨げる原因になります。特にそけい部(足の付け根)を圧迫しない、ゆったりとした服装を心がけましょう。
  • 体を温める「温活」:シャワーだけでなく、38〜40℃くらいのぬるめのお湯にゆっくりと湯船に浸かる習慣をつけましょう。全身の血行が良くなり、リラックス効果も高まります。夏でも冷房で体は冷えがちです。靴下やレッグウォーマーを活用するのも良いでしょう。

よくある質問(FAQ)

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Q1: マッサージはどのくらいの強さが良いですか?

A: 目安は「痛気持ちいい」と感じる程度が最適です。痛みを我慢するほど強く押すのは絶対にやめましょう。強すぎる刺激は筋肉を傷つけ、「揉み返し」という炎症や痛みを引き起こす可能性があります。優しくなでるだけでも血行は十分に促進されますので、ご自身が心地よいと感じる強さを見つけてください。

Q2: 効果はどのくらいで現れますか?

A: その日のむくみや疲れであれば、一度のマッサージでも足が軽くなる感覚を実感できることが多いです。冷えやむくみの改善を目指す場合は、個人差はありますが、まずは2〜3週間から1か月、毎日続けてみてください。継続することで、徐々に変化を感じられるはずです。

Q3: マッサージは1日に何回、どのくらいの時間やれば良いですか?

A: 1日に1〜2回、1回のマッサージは両脚合わせて5〜10分程度で十分です。長時間やりすぎる必要はありません。特におすすめなのは、体が温まりリラックスしている夜のお風呂上がりの時間です。習慣化しやすいタイミングを見つけるのが長続きのコツです。

Q4: 年齢的に、マッサージをしても大丈夫か不安です。

A: はい、この記事で紹介しているような正しい方法で行えば、年齢に関係なく安全で非常に効果的なセルフケアです。ただし、年齢とともに皮膚は薄く、乾燥しやすくなっています。摩擦で肌を傷つけないよう、必ずオイルやクリームを使い、優しい力加減から始めて、ご自身の体の声を聞きながら行ってください。

Q5: 静脈瘤があるのですが、マッサージしても良いですか?

A: 静脈瘤がある場合、自己判断でのマッサージは絶対に避けるべきです。特に血管がこぶのように浮き出ている部分を強く刺激すると、症状を悪化させたり、まれに血栓のリスクを高めたりする可能性があります。

まずは、かかりつけ医や血管外科の専門医に相談し、適切なケアの方法について指導を受けてください。

Q6: マッサージ中に痛みを感じたらどうすれば良いですか?

A: すぐにマッサージを中止してください。痛みは体からの「それ以上はやめて」という危険信号です。もし痛みが続く場合や、押した場所にひどいあざができるような場合は、筋肉や血管を傷めている可能性も考えられますので、整形外科などの医療機関を受診しましょう。

Q7: 手でやるのと、道具を使うのはどちらが良いですか?

A: それぞれに素晴らしい利点があります。手で行うマッサージは、ご自身の指先で筋肉の硬さや状態を繊細に感じ取りながら、力加減を微調整できるのが最大のメリットです。

一方、フォームローラーなどの道具を使うと、手の力を使わずに、体重を利用して手の届きにくい場所や、より深い部分を効率的にほぐすことができます。その日の気分や体の状態で両方を賢く使い分けるのがおすすめです。

Q8: マッサージで足は細くなりますか?

A: マッサージで脂肪細胞が直接消えてなくなるわけではありません。しかし、むくみの原因である余分な水分や老廃物が排出されることで、見た目が驚くほどすっきりとし、本来の足のラインを取り戻すことができます。結果として、足が細く見える効果は大いに期待できます。

Q9: マッサージの時にオイルやクリームは必要ですか?

A: はい、ぜひ使用することをおすすめします。一番の目的は、肌の滑りを良くし、摩擦によるダメージや黒ずみを防ぐことです。さらに、保湿成分の入ったものを選べば、乾燥しがちなすねや踵のケアも同時にできます。

ご自身が好きな香りのアロマオイルなどを加えれば、リラックス効果も高まり、マッサージがより楽しい時間になります。

Q10: なかなか毎日続けられません。何かコツはありますか?

A: 完璧を目指さなくても全く問題ありません。「毎日10分やらなきゃ」と気負うと、それが負担になってしまいます。「テレビを見ながら、CMの間だけ」「お風呂の中で体を洗いながら」「寝る前に布団の上で1分だけ」など、ご自身の生活スタイルの中に無理なく組み込める「ながら時間」を見つけるのがコツです。

「今日は疲れたから、なでるだけ」という日があっても良いのです。

Q11: 友人よりむくみがひどい気がして落ち込みます。

A: 体質や骨格、生活習慣は本当に人それぞれです。他人と比べる必要は全くありませんよ。比べるべきは、昨日のご自身です。

ご自身の体と向き合い、昨日より少しでも足が軽くなったら、その小さな変化に気づけたご自身をたくさん褒めてあげてください。その積み重ねが、自信につながります。

Q12: どんなオイルやクリームを選べば良いですか?

A: まずは保湿力が高いこと、そして滑りが良いことが大切です。ベビーオイルや、ホホバオイル、スイートアーモンドオイルなどのキャリアオイルは肌に優しくおすすめです。

また、ご自身が「良い香り」と感じる精油(アロマオイル)を数滴加えると、自律神経も整い、心身ともにリラックス効果が高まります。

Q13: お風呂の中でマッサージしても良いですか?

A: はい、とてもおすすめです。体が温まり血行が良くなっているので、筋肉がほぐれやすく、マッサージの効果が格段に高まります。石鹸やボディソープで滑りが良い状態で行うと、肌への負担も少なく効率的です。

湯船の中で足首を回すだけでも効果がありますよ。

Q14: ストレッチとマッサージはどちらを先に行うべきですか?

A: 一般的には、まずマッサージで筋肉の緊張をある程度ほぐしてから、仕上げにストレッチを行うと、筋肉がスムーズに伸びやすくなり、相乗効果が期待できます。お風呂上がりにマッサージをした後、壁に手をついてアキレス腱をゆっくり伸ばす、といった組み合わせが理想的です。

Q15: 日常生活で簡単にできるふくらはぎケアはありますか?

A: はい、意識すると驚くほどたくさんあります。エスカレーターを階段にする(特に上り)、信号待ちや歯磨きの最中にかかとの上げ下げをする、座っている時に足首を内外にくるくる回す、貧乏ゆすり(実は血行促進にとても良い動きです)など、少し意識するだけで立派な「貯筋」ならぬ「貯健」になります。

Q16: このセルフケアを続けると、将来どんないいことがありますか?

A: ご自身の足で、行きたい場所に、会いたい人に、いつまでも会いに行ける…そんな素晴らしい未来につながります。何より、日々ご自身の体を慈しみ、大切にする時間は、心にも潤いと自信を与え、これからの人生をより豊かで輝かしいものにしてくれるはずです。

まとめ

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大切なポイント

  • ふくらはぎは血液を心臓に戻す「第二の心臓」。
  • マッサージの基本は「優しく、ゆっくり、心臓に向かって」。決して強い力は必要ありません。
  • 食事や休息、体を温める習慣、日常のちょっとした工夫が、マッサージの効果をさらに高めてくれます。
  • 体からの「痛み」というサインを無視せず、不安な時や症状が続く時は、一人で悩まず専門家に相談しましょう。

あなたの全体重を支え、毎日がんばってくれているふくらはぎ。今日の終わりに、ほんの5分だけ、温かい手でご自身の足に触れてみることから始めてみませんか。その時間は、きっと明日への新しい活力を、静かに、でも確かに与えてくれるはずです。


健康に関するご相談は最寄りのかかりつけ医へ

この記事の健康情報は一般的な内容です。効果には個人差があります。体調の変化に注意しながら取り組んでください。また、運動中に痛みや違和感を感じた場合は、すぐに中止し、必要に応じて医師にご相談ください。

かかりつけ医について詳しく知る(厚生労働省)

 


監修者プロフィール:鞆 浩康先生

大阪府出身。高知医科大学医学部卒業後、岸和田徳洲会病院や大阪市立大学附属病院で整形外科医として経験を積む。手技療法に強い関心を持ち、2004年12月24日にオルソグループを設立。「医療と健康を通じて、笑顔と元気を届ける」を理念に掲げ、健康寿命の延伸と平均寿命との差を縮めることを使命とし、休息療法・栄養療法・運動療法・手技療法・地域医療を連携させた「究極の医療グループ」を目指して活動している。
 

 

HALMEK up編集部
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