今日から実践!専門医が教える栄養学テクニック#3
知らないと損!本当に「健康にいい食品」「効果のない食品」勘違い3選
知らないと損!本当に「健康にいい食品」「効果のない食品」勘違い3選
更新日:2025年11月04日
公開日:2025年09月08日
教えてくれるのは、牧田 善二(まきた・ぜんじ)さん

AGE牧田クリニック院長。糖尿病専門医。医学博士。AGEの研究を約5年間行い、血中AGEの測定法を世界で初めて開発。2003年より、生活習慣病、肥満治療のための「AGE牧田クリニック」を東京・銀座で開業。雑誌、テレビにも出演多数。最新著に『すぐに実践したくなる すごく使える栄養学テクニック』(日本実業出版社刊)
※本記事は、書籍『すぐに実践したくなる すごく使える栄養学テクニック』より一部抜粋して構成しています。
【勘違い1】おやつ=甘いお菓子と思っている
第1回は「甘いものでストレス解消は逆効果? 3つの間違い」第2回は「健康リスクを減らす食生活のヒント」を紹介しました。今回は、本当に「健康にいい食品」「効果のない食品」を解説していきます。
「おやつは食べずに我慢するのが一番良いのでは?」と思っている人もいるかもしれません。
でも、そんなことはないのです。おやつを我慢して、空腹の状態でドカ食いすると、血糖値が急激に上がってしまい、かえって健康を損ねてしまうからです。
おやつを食べないせいでひどく空腹になるなら、おやつを選んで食べるのが賢明です。
まず、「おやつといえばお菓子」という思い込みを捨てるようにしましょう。
多くの人が、おやつとしてはクッキーやまんじゅうなどの甘いものを食べています。あるいは、せんべいやスナック菓子などを食べる人もいるでしょう。
甘かろうと甘くなかろうと、そうしたお菓子はほぼ糖質ですから、いたずらに血糖値を上げます。お腹がすいたときに食べればなおさらです。
一方で、積極的におすすめしたい「おやつ」はナッツ類です。ナッツ類は、血糖値をあまり上げずに、かつ気軽に口にできる栄養価の高い食品です。
死亡率が低下⁉ナッツの健康効果&注意点
アメリカの研究(ダナファーバーがん研究所、ハーバード大学公衆衛生大学院など)によれば、毎日ひとつかみのナッツを食べる人は、まったく食べない人に比べて(30年間の追跡期間中の)死亡率が20%も低いことがわかりました。それどころか、週に1回食べるだけでも死亡率は7%低下したそうです。
アメリカ人と日本人では、そもそも1回に食べる量に違いがありますから一概に言えないものの、30g程度のナッツをおやつ代わりに食べるのはおすすめです。ただし、塩分摂取量を増やさないために無塩のナッツを選んでください。
なお、カシューナッツは糖質が多く含まれているので避け、アーモンド、クルミ、ヘーゼルナッツなどを選ぶと良いでしょう。ちなみに、ピーナッツはナッツではなくマメ科の落花生の実なので、ナッツの効能を得たいならば、アーモンドなどを選んでください。
【勘違い2】コラーゲンを摂ればお肌がぷるぷるに
「潤いと弾力がある肌を手に入れたいならコラーゲンが効く」と、聞いたことがある人も多いでしょう。
コラーゲンは皮膚の表皮の下にある「真皮」の主成分で、その存在のおかげで肌のハリや弾力が保たれています。コラーゲンは、確かに肌の潤いにつながります。
ただし、大変残念ながら、「コラーゲンを食べれば自分の肌にもハリや弾力が出る」と考えるのは間違いです。
というのも、タンパク質の1種であるコラーゲンを口にしても、胃で消化されてアミノ酸に分解されてしまうからです。そのときには、もはやコラーゲンではなくなっています。
コラーゲンの誤解と肌ケアに効果的な栄養は?
もつ鍋やスッポン、フカヒレなどを食べても同じです。そうした食材には他の優れた栄養素も含まれているので、食べること自体は良いのですが、「コラーゲンをたくさん摂ったから、明日の朝はお肌つるつるだろう」などと期待しても叶いません。
もし、「コラーゲンを食べたおかげでお肌が絶好調」と感じたなら、それはプラセボ効果(本来は薬として効き目がない偽薬=プラセボを服用して、効果を実感する現象)です。
そもそもコラーゲンは、体の外から入れるものではなく、体の中で作られるものです。
体の中で十分な量のコラーゲンを作り出すために必要なのは、ビタミンやミネラルなどの重要な栄養素をバランス良く摂取することです。
サプリメントを買う代わりに、ビタミンやミネラルが豊富な食材を手に入れて、体の中でコラーゲンを作りましょう。
【勘違い3】プロセスチーズも健康によいチーズ?
ひと口にチーズといっても、「選ぶべきチーズ」と「避けるべきチーズ」があります。
チーズはナチュラルチーズとプロセスチーズに大きく分けられます。ここで言う「選ぶべきチーズ」はナチュラルチーズ一択です。
ナチュラルチーズは、牛や羊、山羊のミルクに微生物を加えて固めたものを発酵熟成させるチーズです。原料となるミルクや使用する微生物の違いによって、世界中に1000種類以上もあるといわれています。
一方のプロセスチーズは、ナチュラルチーズに乳化剤を加えて溶かし、再形成したチーズです。つまり、不自然に加工されたチーズともいえます。日持ちがするチーズが欲しいというニーズによってアメリカで作られました。
「プロセス」という名は、防腐処理や、成分改造という製造過程を指しているのです。
ちなみに、プロセスチーズを「避けるべきチーズ」と紹介しましたが、雪印メグミルクの「さけるチーズ」はナチュラルチーズであり、「選ぶべきチーズ」だと言えます。
ナチュラルチーズをさらに分類すると、チェダー、ゴーダ、パルミジャーノなど熟成が進んでいて黄色の濃いものと、カッテージ、モッツァレラ、マスカルポーネなどフレッシュで白っぽいものがあります。
熟成が進んだ色が濃いタイプは、どうしても塩分が強く、老化促進物質であるAGEが多くなるので、積極的に食べるべきではないでしょう。
チーズ選びで健康を左右するポイント
私のおすすめは、カッテージ、モッツァレラ、マスカルポーネなどフレッシュな白いチーズです。黄色いチーズに比べて、塩分もAGEも控えめな傾向にあります。
白いチーズは、サラダの具にしても良いですし、脂肪分が胃粘膜を保護してくれるのでお酒を飲むときのつまみとしても最適です。トマトとモッツァレラにバジルを添え、オリーブオイルをたっぷりかけたカプレーゼは健康面でも申し分なく、ワインにも合うのでおすすめです。
ちなみに、長寿者が多いことで知られるイタリアのサルデーニャ地方では、羊や山羊のミルクから作られたチーズがよく食べられています。
牛の場合は、飼育環境によってミルクの質に不安がないとは言い切れません。そういった意味でも、放牧されて育てられることが多い羊や山羊のミルクから作られたチーズにもっと注目し、食卓に取り入れたほうが良いでしょう。
日々の食事は健康に大きく影響します。紹介したテクニックを今日から実践し、栄養の正しい知識を身につけて、自分の力で健康な毎日を目指しましょう。
※本記事は、書籍『すぐに実践したくなる すごく使える栄養学テクニック』より一部抜粋して構成しています。
※HALMEK upの人気記事を再編集したものです。
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「健康に良い」と信じて実践していることが、実は健康に良くなかったり、なんとなく習慣化していることが健康を損なう結果につながっていたりします。健康の悩みを解決するには「栄養学の正しい知識」が必要。「最新の医療データ」を統合した栄養学をもとに健康になるための食事の習慣を77のテクニックで紹介します。




