三日坊主にならない!脳を活性化する5つの活動習慣
2024.11.182024年11月12日
一生歩ける脳と体をつくる#1
運動嫌いでも歩ける体をキープ!簡単「ながら」習慣
ずっと歩ける体を維持するために、運動は大切。でもなかなか習慣にしづらいものですよね。そこで、何かのついでの「ながら」でOK!日常の動きにひと工夫加えるだけの簡単な動きをご紹介します。
教えてくれたのはこの2人
中野(なかの)ジェームズ修一(しゅういち)さん
フィジカルを強化することで競技力向上やけが予防、生活習慣病対策などを実現するフィジカルトレーナーの第一人者。
加藤俊徳(かとう・としのり)さん
脳内科医、医学博士。加藤プラチナクリニック院長。株式会社「脳の学校(R)」代表。専門は脳科学およびMRI脳画像診断。『イラスト図解 脳とココロのしくみ入門』(朝日新聞出版刊)他、著書多数。
「運動嫌いの人」は何かのついでに体を動かせばOK
筋力を衰えさせないためには、体を動かすことが一番。でも「運動は嫌い、なかなか続かないという人は、まずは日常生活の中でできることから始めましょう」と中野さんは言います。
「日常生活のいつもの動作に、ついでの“ワンアクション”を加えるだけでいいのです。そうやって体の使い方を変えるだけで、筋力を維持しやすくなり、姿勢が改善し、腰痛、ひざ痛などの不調も改善できます」(中野さん)
また「日々の習慣をちょっと変えるだけで、脳の衰えを予防できます」と加藤さんは言います。「毎日の習慣で脳が活性化すれば、歩く気力も湧いてくるはずです。歩くことで脳も筋力も維持できれば、好循環が生まれますよ」
回数や時間は自分のペースや都合に合わせて。運動習慣がない人でも取り入れやすい、日常生活のいつもの動作をする中で“ついで”にできることを紹介します。
1.電車など、移動しながらできる動き
ふくらはぎを動かして血流改善、つまずき予防に!【足首上げ下げ】
いすに浅く座り、両足を前に出す。かかとは床に着けたまま、片方のつま先をできるだけ高く上げ、足首を曲げます。
ふくらはぎや関節を大きく動かす意識で、足首を左右交互にリズミカルに上げ下げします。
背骨を動かして腰痛を防ぐ!【背骨の曲げ伸ばし】
背中を丸めて、いすの背もたれに腰を当てます。お尻より少し上あたりに重心がのるようなイメージで。
次に背中を伸ばして腰を少し反るようにして重心をお尻に戻します。これらの動きを何度が繰り返します。
2.いすに座りながらできる習慣
タオルで背中を支えて猫背を解消する!【タオル挟み】
フェイスタオルを丸めて2回結びます(下写真参照)
腰のカーブといすの背もたれの間に結んだタオルを挟み、そのタオルで背中を支えるようにして姿勢を維持します。
肛門が動くのを意識して骨盤底筋を鍛える!【タオル団子】
フェイスタオルを1回結んでタオル団子を作ります(上写真参照)。
タオル団子をいすの上に置いて、結び目が肛門のあたりに当たるようにして、1~2分座ります(痛みを感じる場合はやめてください)。
タオルを外し、同じ姿勢のまま尿道と肛門をキュッと締めます。
3.ソファに座りながらできる動き
関節を動かして変形性膝関節症を予防する!【ひざの曲げ伸ばし】
ひざ痛の原因となる「変形性膝関節症」は、関節を動かして軟骨の新陳代謝を促すことで予防できます。
ソファの背もたれに寄りかかって座り、ひざを左右交互にリズミカルに曲げ伸ばしします。伸ばす際にはかかとを直角にしましょう。
脚裏を伸ばして老化姿勢を正す!【ひざ伸ばし】
ソファの座面の真ん中あたりに背中を伸ばして座り、片方の足首を直角に曲げ、ひざを伸ばして前に出します。
ふくらはぎと太ももの裏側が伸びていることを意識しましょう。
背中を伸ばしたまま、手首を曲げて両手を前に出して前傾姿勢でキープします。左右交互に。
前傾する際に、背中が丸くなってしまうと脚をうまく伸ばせないので注意しましょう。
4.立ちながらできる動き
足指を動かして関節、筋肉を鍛える【足指もぞもぞ】
はだしの状態で、かかとに体重をのせて、背すじを伸ばして立ちます。
片足ずつ足の指全体を曲げたり広げたりして、もぞもぞと動かします。反対側の足も同様に。不安定な場合は壁に手を付けて支えながら行いましょう。
足指の付け根に重心をかけてバランス感覚を養う【母趾球上がり】
母趾球は、足裏の親指の付け根にある丸いふくらんだ部分です。手すりを持ち、階段に足の前部分だけをのせるようにします。
お尻の筋肉をギュッと締めながら、階段にのせた前足の母趾球に体重をのせ、かかとを少し上げます。
反対の脚も同様に繰り返しながら階段を上ります。
次回は脳を覚醒させる習慣【活動編】をお伝えします。
取材・文=三橋桃子、田島良子(ともにハルメク編集部)、撮影=中西裕人、モデル=明石千種、ヘアメイク=榊美奈子、イラストレーション=秋葉あきこ
※この記事は、雑誌「ハルメク」2024年2月号を再編集しています。
※ご紹介している動きは、無理のない範囲で行いましょう。