張りつめた心と体のゆるめ方#4
だる重疲れに!ハーブティーで心身の緊張をゆるめる
だる重疲れに!ハーブティーで心身の緊張をゆるめる
更新日:2024年06月19日
公開日:2024年06月06日
教えてくれた人:橋口玲子さん(はしぐち・れいこ)さん

1954(昭和29)年、鹿児島県生まれ。東邦大学医学部卒。東邦大学医学部客員講師・薬学部非常勤講師、国際協力事業団専門家を経て、94年より「緑蔭診療所」(神奈川県南足柄市)で現代医学と漢方を併用した診療を行う。循環器専門医、認定内科医、医学博士。ハーブ療法やアロマセラピーを用いたセルフケア法も伝えている。
心身の不調を抱えている方が多い50代以上の女性たち

緑豊かな場所にある、医師・橋口玲子さんの診療所。子どもから大人まで多くの方が通う中、50代以上の大人女性たちも訪れます。
「50代以上のハルメク世代は、親に『がんばれ』『早くしなさい』と言われて育ってきた方が多い。平均寿命が延びた今、親の世代よりも老後の時間が長くなり、子どもが巣立つ時期も遅くなっています。70代で初めて孫ができる方もたくさんいますね。
体力が落ちてくる中、孫の世話などをするのが当たり前、とがんばっている方もいます。そんな状況でうつ病までいかなくても、心身の不調を抱えている方が多いと感じます」
ハーブティーは、心身の緊張を解くセルフケア法

病と診断される前の段階で、心身ともに張りつめた状態の人に、橋口さんがすすめていることの一つがハーブティー。
「“リラックスしなくては”と頭で思っても、何らかの手段がないと、ゆるめるのは難しいでしょう? 嗅覚は、脳に瞬間的に作用するので、香りをかぐのは心身をゆるめるのに効果的です」
嗅覚で察知した情報は、脳の扁桃体という場所に伝わります。
「扁桃体は、危険を察知して体を緊張させたり、逆にリラックスさせたりする司令塔のような場所。ほっとする香りをかげば、扁桃体と、扁桃体の近くにある、自律神経をコントロールする視床下部という場所にも連動します。だから、嗅覚を意識的に活用するのは、実際に効果のあるセルフケア法なのです」

橋口さん自身も愛用しているのが、ジャーマンカモミールティー。
「ハーブティーは、水に溶ける有効成分も活用できます。ジャーマンカモミールに含まれるアピゲニンという成分(フラボノイド)は、精神を安定させるマイルドな作用があって依存性もありません。
筋肉の緊張をゆるめる効果もあるので、体がこわばっていて肩が凝る方、歯を食いしばっている方などは試してみるとよいでしょう。私も仕事の合間、帰宅後などにお湯を沸かし、ハーブティーをいれて飲むのが気分転換になっています」
メリハリのある暮らしが、質のよい睡眠につながる
多くの人たちを診てきた橋口さんがすすめるのは、メリハリのある暮らし方。
「若い頃と同じように寝られないと悩む方もいますが、年を取るとまとまった時間、眠る力は落ちてきます。そんなときは普段慣れないことをして頭や気を使うと、疲れてよく眠れるのです。
メリハリのある暮らし方をして、時にはリラックスする手段をいくつか持っておく。それが病気の予防にもつながります。そんなふうに健やかに年を重ねていきましょう」
心をゆるめるカモミールティーを取り入れてみて

胃の粘膜も保護する万能ハーブの“ジャーマンカモミール”。ポットを湯で温めておき、湯200mLに2~3gのハーブをいれ、3~5分ほど置く。湯気の中に含まれる揮発成分を十分に吸い込んで。レモンバームやレモングラス、リンデン、ペパーミントもおすすめ。
飲み終わった茶葉は煮出して、エキスをお風呂に入れて

ジャーマンカモミールティーを飲んだ後の茶葉は、鍋に入れ、適量の水で煮出したエキスをお風呂の湯の中に入れます。アロマオイルは原液のまま使用すると刺激が強過ぎて、緊張が高まることも。ハーブティーから漂う香りなら穏やかに作用します。
頭を使ったり、慣れないことをすると眠りやすくなる

快眠のコツは、脳と体の適度な疲れ。自分が普段あまりしない、語学の勉強やボランティア活動など新たなことに挑戦するとよく眠れます。個人差はありますが、約4時間熟睡し、さらに1~2時間ウトウトして計6時間くらい眠れば十分回復できます。
以上、全4回にわたり、張りつめた心と体のゆるめ方を紹介しました。自律神経を整えて、暑い夏を乗り越えましょう!
取材・文=野田有香(ハルメク編集部)、撮影=中西裕人
※この記事は、雑誌「ハルメク」2023年6月号を再編集しています。




