たるみに効く美容医療

2024年06月27日

フェイスラインのリフトアップ、治療法は? 費用は?

名医を紹介!顔のたるみ対策のための美容医療入門

40代以降、崩れ始めたものをどうせき止めるかがエイジングケアの大きな課題。老けた印象をもたらす、たるみの対策には、スキンケア<美容ツール<サロンケア<美容医療の4段階があります。つまり美容医療は、たるみ対策と治療の最高峰です。

復習:たるみが生じるメカニズムと原因

顔たるみの原因は下記の5点です。
1.コラーゲンやエラスチンなどが減少することによる、皮膚の脆弱化
2.脂肪組織の下垂
3.筋肉と筋膜の緩み
4.皮膚と骨をつなぎとめるアンカーであるリテイニングリガメントの緩み
5.顔面骨の骨量の減少


このうち

スキンケアは1のみ

美容ツールでのケアは1・2・3

サロンケアは1・2・3・4

医療は全てに対応することができます。

もちろん例えば皮下組織に作用するとしても、美容ツール&サロンと美容医療とでは、作用の度合は異なります。美容医療のほうが圧倒的に作用が強い、つまり効くことは疑いようがありません。

効果の期待度によって、 治療には4つの段階がある!

たるみの深度と期待する変化のレベルで、 治療には4つの段階があります。

第一段階  照射治療
美容医療初心者が最初に検討することが多いのは、腫れや傷が残ることはまずない、照射系の治療です。

ラジオ波の「サーマクール」、HIFUの「ウルセラ」などがよく知られています。例えば真皮に働きかけてコラーゲンの再構築を促すサーマクールの場合、日本上陸時は400ショットで30万円程度が目安でしたが、多くの医療機関で行われることになったためか、7万円前後で行うクリニックも出てきています。

「サーマクール」は痛みを伴うマシンですが、その後痛みを伴わないラジオ波のマシンも多数出てきています。SMASと呼ばれる緩んだ筋膜を引き締めて皮膚全体のリフトアップを叶える「ウルセラ」は、「ウルセラ」「ウルセラ3D」「ウルセラ4D」とグレードにより料金が異なります。クリニック間の価格をサラリと比較すると、間違える場合があるので気をつけましょう。


たるみの自覚があるなら、40半ばまではサーマクールだけでも。それ以降は一度に、または時間差で、両方を試すことをすすめられる可能性が多くなるようです。またすべての施術は、誰にお願いするか、で結果は著しく異なります。可能なら、照射系の治療に定評がある医師にお願いすると、後悔しないで済む可能性が高くなります。

・照射治療の達人
あきこクリニック 田中亜希子医師 03-5717-3444

ドクタースパ・クリニック 鈴木芳郎医師 0120-022-118

クリニックF 藤本幸弘医師 03-3221-6461

 

第2段階 注入治療によるたるみ対策

ボツリヌス毒素(ボトックス)やヒアルロン酸は、シワや凹みの治療に用いられるだけではありません。口角や目尻などが下がることで生じるたるみ現象を、筋肉の動きをコントロールすることで引き上げることができます。

マイクロボトックスリフトと呼ばれる治療法は、ボトックスを浅層に広く注入することで、ほうれい線の横、目の下、あごから首にかけての筋肉の表面線維の働きを弱め、たるみを目立たなくします。

またヒアルロン酸によるたるみ治療は、顔骨の萎縮で減ったボリュームを補い、緩んだリガメントを補強することで、顔全体のたるみ解消を狙います。

どの治療も1か所だけに針を刺すわけではありません。また最高の仕上がりを狙うために、ヒアルロン酸とボトックスの両方の注入をすすめられることもあります。費用は、注入系は薬剤の単位量あたりに針代をプラスしたものになることが多いので、治療箇所(面積)とたるみの進行度合いにより、また治療が必要なシワの有無によっても大きく違ってきます。

注入によるたるみ治療は、経験が浅かったりセンスに欠ける医師に当たると、違和感のある顔つきになってしまうことがあります。正確な知識と経験が求められるため、注入系治療に定評がある医師にお願いしたいものです。また技術や経験があっても、「自然な仕上がり」の「自然」のレベルの感覚が合わない医師もいらっしゃいます。

クリニックのスタッフの顔をよくよく見て、危険を感じたら相談だけで帰りましょう。ちなみに医師自身のお顔も、常に何かしらの人体実験中であることが多いです。

・注入治療の達人
神田美容外科形成外科医院 征矢野進一 03-3257-0111
自由が丘クリニック 古山登隆医師 0800-808-8200
今泉スキンクリニック 今泉明子医師 0120-006-762

 

第3段階 糸で引き上げるスレッドリフト

アンカーやコブなどがついた糸を、こめかみや頭皮などに穴を開け、マリオネットラインやほうれい線近くまで皮膚直下を通し、皮下組織ごと物理的にたるみを引き上げる治療法です。フェイスリフトでは効果が出にくいほうれい線やマリオネットライン、あご下からあごにかけてのたるみ改善に有効とされている反面、効果を疑問視する声もあるなど、一般化しているとはいいがたい治療法です。

第4段階 メスで切開するサージカル治療

たるむのはフェイスラインだけではありません。フェイスラインなど頬から下のたるみには照射、注入など、切らなくてもその前に試したい治療法があります。しかしながら上瞼の下垂やたるみ、下瞼のたるみやふくらみには、照射系くらいしか治療法がなく、たるみが進行すると、変化もいまひとつに。どうしても気になるのなら、切開を伴う外科的な手段を選択することになります。


切らない美容医療が著しい進化を続ける昨今、切る治療を決意するのは、なるべく遅くしたいものです。例外は上瞼が下がったまま、もともとある場所まで戻せない状態が普通となり、明らかに視界が狭まったままになる「眼瞼下垂」です。健康保険が適応になるクリニックもありますが、保険外の治療と比べると、仕上がりの美的レベルに差がある場合が少なくないことを知っておきましょう。

番外編 顔面骨の萎縮も防ぐ「更年期治療」

女性は閉経に伴い、顔だけでなく全身の骨量が減っていきます。顔は美的ダメージに過ぎませんが、体の骨量の減少は、歩くと痛い、階段の上り下りが辛い、骨が折れやすくなるなど、これから先の「QOL(クオリティ オブ ライフ)」に深く関与する可能性があります。骨量の減少は自覚に欠けるものですが、相談する診療科は、美容医療を行う「形成外科」や「美容皮膚科」などの美容系のクリニックではなく、「婦人科」です。40代以降であれば更年期やホルモン補充療法などの治療を始めれば、もれなく顔面骨を含めた全身の骨対策にもなります。


相談のタイミングはできれば閉経前に。もちろんそれ以降でもできることはいくつもあるので、何もしていない人はなるべく早く相談することをおすすめします。また婦人科の多くの医師の専門は「腫瘍」です。「更年期治療」や「ホルモン補充療法」に詳しいとは限りません。

日本女性医学学会(旧:日本更年期医学会)のホームページには専門医が紹介されているので参考にするとよいでしょう。

また、更年期外来を設置している婦人科専門のクリニックなら、保険適応の治療から天然型ホルモンを用いるような保険外の治療まで、多くの選択肢を提案していただけます。

・更年期治療に詳しいクリニック
フェニックスメディカルクリニック 賀来宗明 医師  03-3478-3535
北里大学北里研究所病院 03-3444-6161
飯田橋レディースクリニック 03-3556-8333


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柳田美由紀
柳田美由紀

やなぎた・みゆき 大手化粧品メーカーで商品開発、宣伝PR業務を経て、独立。『プレシャス』、『婦人画報』、『美的GRAND』を始め、女性誌などで美容記事を執筆するほか、商品開発のコンサルティング、宣伝物の執筆なども手掛ける。@beauty_cosme_from_japan

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