目の下のたるみ・クマの原因別解消法を医師が解説!

2023年11月15日

なぜくぼむの? 目の下のたるみをどう戻せばいいの?

目の下のたるみ・クマの原因別解消法を医師が解説!

気になる目の下のクマ。血行不良ではなく、「たるみによる影」かもしれません。まずは、目元をしっかりチェックしてみましょう。老け顔の原因となる、目の下のたるみの原因と対処法を解説します。たるみ、クマ改善には、表情筋トレーニングもおすすめです!

目元のくぼみ、クマ、たるみをチェック!

  • 目の下のクマが慢性化している
  • 目の下のクマ部分に段差がある気がする
  • 目の下のクマ部分が陥没するように凹んでいる
  • 陥没した影の線と目の間の部分がふくらんできた

上の写真のように、目の下の慢性化しているクマの下を指の腹で軽く押し上げてみましょう。クマが消えるようなら、血行不良によるクマではなく「たるみによる影」です。

年齢を重ねるほど影は長くなり、いずれは目頭から目尻近くまで、大きな半円を描くことになります。この窪みをバギーアイと言います。

ちなみに上のチェックリストは、たるみレベルが軽いものから並んでいます。

目の下のたるみの原因は?

リガメントのある場所
白い部分がリガメントのある場所(※イメージ)。
皮膚から骨までを貫き、アンカーの役割を果たしています

目の下がたるむ主な原因は、以下の2つです。

  • 目元の筋肉、組織の衰え
  • 肌のハリや弾力に関係する組織の減少

下まぶたには、眼球を守るように脂肪が入ったクッションが存在しています。

クッションとなっている眼窩脂肪は、眼窩隔膜(がんかかくまく)と呼ばれる袋の中に詰まっているのですが、加齢でこの袋が弱くなって緩むため、眼球の奥にあるはずの眼窩脂肪が皮膚近くまで落ちてきてしまうのです。

当然ながら、皮膚も眼輪筋も老化が進んでいるので、脂肪が入ったクッションが飛び出さないように支えるのが難しくなります。

同時に、目周りの顔面骨が萎縮し、骨から皮膚までをつなぎとめアンカーの役割をするリガメントが緩みます。

これらが合わさって、目の下のたるみの原因となっているのです。

目の下のたるみを予防するには

目の下のたるみを予防するには、眼窩隔膜と眼輪筋と皮膚の若々しさを保つことが大切です。目の周りの眼輪筋を鍛え、目の下のたるみ、くまにアプローチする表情筋トレーニングを行うのがおすすめです。

とはいえ、眼窩隔膜に直接何かをすることはできません。

そのため、目元用の美容液やクリームなどのスキンケアを徹底し、肌疲れを癒し、健康なハリのある目元肌を育みましょう。また眼精疲労は、眼だけに影響を及ぼすわけではありません。美容ツールを用いて回復の手助けを。目周りの肌に効くサプリメントを摂ることも有効です。

目の下のたるみを取る最終手段は、美容外科、美容医療

目の下のたるみがどこまで進行しているかで、有効な手段は違ってきます。とはいえ化粧品や美容ツールを駆使しても、1度できてしまった影や凹みを目立たなくすることは困難を極めます。化粧品や美容ツールでできるのは、今後の老化を遅くすることです。

一度できた目の下の影や凹みを目立たなくするには、美容医療に頼るしかありません。

影や凹みの治療には、ヒアルロン酸(※1)やベビーコラーゲン、脂肪などの注入、自己血液から抽出した成分を注入するPRP皮膚再生療法(※2)などの再生医療があります。

目の下の老化が進行すると、線と凹みだけでなく、脂肪によるふくらみが混在してきます。ふくらみを目立たなくしたいということになると、注入では対応できず、眼窩脂肪を摘出するなど外科的手術を検討することになります。いずれにせよ、信頼できる美容外科の医師に相談してください。

(※1)ヒアルロン酸注入
目の下、こめかみ、ほうれい線など、へこみが気になる部分に注入し、凸凹を目立たなくする治療法。薬剤のメーカーと種類、必要とする量、用いる針、また誰に治療をお願いするかで料金は大きく異なる。

(※2)PRP皮膚再生療法
自己血液から血小板を抽出し、目の下やほうれい線やシワが目立つ部分の肌に戻すことで、組織を再生させる注入系の治療法。元の状態に戻るまでは半年から7年程度という話もあり、どこで治療するかにより結果は大きく異なる。線維芽細胞を入れた場合数年とされていたが、しこりの問題もあり、PRPだけでは数か月しかもたないという意見も多数出ており、最近は下火になってきた手法。

人物撮影=中西裕人、ヘアメイク=小島けさき、モデル=桂智子、イラストレーション=並河泰平

※この記事は2018年8月の記事を再編集して掲載しています。


 

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柳田美由紀
柳田美由紀

やなぎた・みゆき 大手化粧品メーカーで商品開発、宣伝PR業務を経て、独立。『プレシャス』、『婦人画報』、『美的GRAND』を始め、女性誌などで美容記事を執筆するほか、商品開発のコンサルティング、宣伝物の執筆なども手掛ける。@beauty_cosme_from_japan

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