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目が開かない。「まぶたの下垂」どうすれば戻る?
東京皮膚科・形成外科品川院 院長
松宮詩依
公開日:2018.08.08
更新日:2023.06.30
ぱっちり目を開く時に額の筋肉を使っていませんか?額の筋肉で目を開けていると、まぶたの筋肉がどんどん落ちていきます。するとアイメイクがしづらく若々しい印象が失われるだけでなく、日常生活でも支障をきたす可能性も。原因と対策をお伝えします。
まぶたのたるみ、どのぐらい進んでる? Check&check!
□額にシワができている
□目が開きにくくなった気がする
□二重や奥二重のラインが広がっきた
□眉の下の眼球との境め部分が凹んできた
額にシワができているなら、まぶたの下垂は着々と進行中です。その他の項目は、老化によるたるみでも生じる変化です。目が開きにくいという感覚は、美容的な側面だけでなく、日常生活でも不快なもの。放置しておくと、徐々に視野が狭まり、肩こりにつながったり、車の運転などに支障をきたすことになるかもしれません。また、眼瞼下垂は肩こりや、片頭痛、冷え症、不眠、自律神経失調症につながる可能性もあります。
まぶたが開きにくくなるのはなぜ?
簡単なテストをしてみましょう。
正面を向き、目をつむり、右手の中指を右の眉の上に、左手の中指を左の眉の上に置きます。その状態で目をしっかり開いてみましょう。
眉の上の皮膚が動くようであれば、まぶたを持ち上げる上眼瞼挙筋(じょうがんけんきょきん)が衰えています。
額の筋肉の力を借りないと、まぶたを開きにくい状態です。眼瞼下垂(がんけんかすい)という病気かもしれません。
ハードコンタクトレンズを長年愛用している、パソコン画面を長時間凝視するなどで慢性的に目が疲労している、また目をこするクセがあると上眼瞼挙筋周囲で炎症を起こし、まぶたを持ち上げる働きが弱くなることがあります。眉の下が凹み、二重の幅が広くなるなどの変化を伴う腱膜性眼瞼下垂(けんんまくせいがんけんかすい)で、日常生活に支障をきたす場合は健康保険が適応された治療になる場合があります。
まぶたが開きにくくなる理由は、病気だけではありません。まぶたが目にかぶさってきても、単に老化によるたるみである可能性があります。
眼瞼下垂への対策と予防法
眼瞼下垂が疑われ、見えにくいなど日常生活に支障をきたしている場合は、形成外科か眼科の医師の診察を受けて指示に従ってください。健康保険適用の手術で、まぶたを上がりやすくすることができます。ただし健康保険を適用する場合は、機能の回復が目的になります。手術に伴い一重まぶたの人も二重になりますが、二重の幅など、外見の美しさに関する要望には沿ってもらえないと思ったほうがよいでしょう。
◆日常生活での対策をする
日常生活に支障がない場合は、これ以上、下垂を進行させないように心がけることで将来に差がつきます。
ハードコンタクトレンズの人は、取り外すときに指でまぶたを引っ張らないで、スポイトを使うようにする。目が疲れたと感じたら、眼精疲労に効く目薬の助けを借りる。紫外線が強くなる季節はUVカット機能があるサングラスをかける、など。まぶたを傷めず、目を酷使せず、労わりながら回復を助ける、そんな日常生活を送りましょう。
◆たるみの予防と対策をする
加齢に伴い目の周りでは様々な変化が起きています。顔面骨はアイホールが拡大し、眼球を支える組織は緩み、まぶたを挙げる筋は弱り……。とはいえ決定的な理由は、加齢によりコラーゲンが変性し、少なくなったために生じる皮膚のゆるみです。
対策は、強靭な皮膚を育むことに尽きます。目元用の美容液やクリームなどのスキンケアは、目尻や目の下だけでなく、まぶたにもしっかりつけるようにしましょう。また眼精疲労は眼だけに影響を及ぼすわけではありません。美容ツールを用いて回復の手助けを。目周りの肌に効くサプリメントを摂ることも有効です。
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