目の下のクマを改善するには?症状・原因・治療法・よくある質問【医師監修】

目の下のクマを改善するには?症状・原因・治療法・よくある質問【医師監修】

公開日:2025年10月15日

目の下のクマを改善するには?症状・原因・治療法・よくある質問【医師監修】

目の下のクマでお悩みの50代・60代の女性のみなさんへ。この記事では、美容皮膚科医の小阪 捺稀先生の監修のもと、目の下のクマについて分かりやすくお伝えいたします。

小阪 捺稀
監修者
小阪 捺稀
監修者 小阪 捺稀 仙台N美容クリニック

この記事3行まとめ

✓目の下のクマは主に「青クマ」「茶クマ」「黒クマ」の3種類です。
✓50代・60代では加齢によるたるみが原因の「黒クマ」が多く見られます。
✓改善にはセルフケアと美容医療があり、原因に合った対策が重要です。

目の下のクマの正体は?

shimi / PIXTA

目の下のクマとは、目の周り、特に下まぶたに現れる色の変化や影のことを指します。疲れて見えたり、実年齢より老けて見られたりすることから、多くの方が悩まれています。

医学的には、クマはいくつかのタイプに分類され、それぞれ原因が異なります。50代・60代になると、長年の生活習慣の蓄積や加齢による身体の変化が顕著になり、クマが目立ちやすくなる傾向があります。ご自身のクマがどのタイプなのかを知ることが、適切なケアへの第一歩です。

よく見られる身体的症状

目の下のクマは、その原因によって見た目が異なります。主に以下の3つのタイプに分けられます。

  • 青クマ(血管性クマ): 青黒く見えるのが特徴です。目の下の皮膚は非常に薄いため、その下にある毛細血管が透けて見えやすいのです。血行不良になると、血液中の酸素が不足し、暗い赤色の血液が青っぽく見えてしまいます。寝不足や疲れがたまっている時に目立ちやすくなります。
  • 茶クマ(色素沈着性クマ):  茶色くくすんで見えるのが特徴です。目をこする癖や、メイクを落とす際の摩擦、紫外線ダメージなどが原因でメラニン色素が皮膚に沈着して起こります。シミの一種と考えることもできます。
  • 黒クマ(影クマ): 目の下のたるみ、ふくらみが原因で、その下に影ができて黒く見える状態です。50代・60代のクマの主な原因は、この黒クマであることが多いです。加齢により、皮膚のハリや弾力が失われたり、目の周りの筋肉(眼輪筋)や靭帯が衰えたりすることで、眼球を支えている脂肪(眼窩脂肪)が前に突き出し、ふくらみ(目袋)ができます。このふくらみの下が影になり、クマのように見えます。

これらのクマは、どれか一つだけではなく、複数が混在している「混合クマ」の場合も少なくありません。

心理的な変化

目の下のクマは、外見に大きく影響するため、「いつも疲れているように見られる」「不健康そうだと思われる」「老けて見られるのがつらい」といった心理的なストレスにつながることがあります。人と会うのが億劫になったり、自信をなくしてしまったりと、QOL(生活の質)の低下を招くことも少なくありません。

統計データ(厚生労働省調査より)

厚生労働省が直接「目の下のクマ」に関する大規模な統計調査は実施していませんが、関連するデータとして、国民生活基礎調査における「自覚症状の状況」があります。

中高年女性において「疲労感」や「ストレス」を訴える割合は高く、これらは青クマの要因となる血行不良と密接に関連しています。また、肌の悩みに関する民間の調査では、シミやたるみは常に上位にあり、茶クマや黒クマの原因と重なります。

目の下のクマの原因とメカニズム

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主な原因

目の下のクマの主な原因は、クマの種類によって異なります。

1. 生理学的要因

  • 血行不良(青クマ): 睡眠不足、疲労、ストレス、冷え、眼精疲労などにより、目の周りの毛細血管の血流が滞ることが原因です。特に50代・60代は基礎代謝の低下から体が冷えやすく、血行不良に陥りがちです。
  • 色素沈着(茶クマ): 紫外線、摩擦、乾燥、かぶれなどによる皮膚への刺激が、メラニン色素の生成を促し、排出が追いつかずに沈着してしまうことが原因です。加齢により肌のターンオーバーが遅くなることも影響します。
  • たるみ・ゆるみ(黒クマ): 加齢によるコラーゲンやエラスチンの減少で皮膚のハリが失われること、そして目の周りの眼輪筋が衰えることが最大の原因です。特に50代以降は、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が急激に減少します。エストロゲンは肌のハリや潤いを保つコラーゲンの生成を促す働きがあるため、その減少は皮膚の弾力低下に直結し、たるみを加速させる大きな要因となります。これにより、眼窩脂肪が突出し、影が生まれます。

2. 環境的要因

  • 紫外線: 紫外線は肌のコラーゲンを破壊してたるみ(黒クマ)を促進し、同時にメラニンを生成して色素沈着(茶クマ)の原因にもなります。長年の紫外線ダメージの蓄積が、50代以降の肌に現れてきます。
  • 乾燥: 空気の乾燥や保湿不足は、肌のバリア機能を低下させ、外部からの刺激に弱くなります。これにより、茶クマや小じわによる影(黒クマの一因)が悪化することがあります。
  • スマートフォン・PCの長時間利用: 画面を長時間見続けることで起こる眼精疲労は、目の周りの血行不良を招き、青クマを悪化させます。また、画面を見るときの姿勢やまばたきの減少も、目元の筋肉の衰えにつながる可能性があります。
  • マスク生活の影響: 近年では、長引くマスク生活で表情が乏しくなり、顔の筋肉、特に口元や頬の筋肉を動かす機会が減ったことも、顔全体のたるみを助長し、黒クマにつながる一因として指摘されています。

3. 心理社会的要因

50代・60代の女性は、子育ての終了、仕事上の立場の変化、親の介護など、ライフステージの変化に伴うストレスを感じやすい時期です。これらの精神的なストレスは自律神経のバランスを乱し、血行不良や睡眠の質の低下を引き起こし、青クマの大きな原因となります。また、更年期におけるホルモンバランスの変動も、心身の不調を通じてクマに影響を与えることがあります。

発症メカニズム

クマは、皮膚、筋肉、脂肪、血管といった複数の組織の状態が絡み合って現れます。

  • 青クマ: 皮膚の下の毛細血管が透けて見える現象です。目の下の皮膚は体の中で最も薄い部分の一つで、厚さは約0.6mmしかありません。そのため、疲労や冷えで血流が滞り、酸素を失って暗紫色になった血液の色が、そのまま透けて青黒く見えてしまうのです。
  • 茶クマ: 皮膚自体に色がついてしまう現象です。目をこするなどの物理的な刺激や紫外線によって、皮膚を守るためにメラノサイトが活性化し、メラニン色素が過剰に生成されます。通常、メラニンは肌のターンオーバーによって排出されますが、加齢でそのサイクルが遅れると、排出しきれなかったメラニンが皮膚に蓄積し、色素沈着となって茶色く見えます。
  • 黒クマ: 皮膚の構造的な変化による「影」です。加齢で眼輪筋や、皮膚のハリを支えるコラーゲン・エラスチンが減少すると、眼球をクッションのように支えている眼窩脂肪が、その重みに耐えきれずに前方へ押し出されます。これが目の下のふくらみ(目袋)となります。そして、そのふくらみの下に凹みができ、段差が生まれることで影となり、黒いクマとして認識されるのです。

リスク要因

  • 睡眠不足や不規則な生活
  • パソコンやスマートフォンを長時間使用する習慣
  • 目をこする癖
  • クレンジングや洗顔時の強い摩擦
  • 紫外線を浴びる機会が多い
  • 乾燥肌
  • 喫煙(血行不良を招き、ビタミンCを破壊する)
  • ストレスが多い生活
  • 親族にクマが目立つ人がいる(骨格や肌質が似るため)

診断方法と受診について

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次に、受診する場合の流れについて説明します。

いつ受診すべきか

以下のような症状が気になる場合には、美容クリニックなどで相談してみるのが良いでしょう。ただ、急激な変化を伴う場合や痛みが強い場合には早めに医療機関を受診しましょう。

  • セルフケアを続けても、クマが全く改善しない、あるいは悪化している
  • 目の下のふくらみやたるみが急に目立つようになった
  • クマだけでなく、かゆみ、痛み、腫れなどを伴う
  • 目の下のクマが気になり、日常生活や精神面に支障が出ている
  • 美容医療による積極的な治療を検討したい
  • 片方だけ急にクマがひどくなったなど、左右差が著しい場合(他の病気の可能性も考慮)

診断の流れ

美容皮膚科や美容外科では、主に視診によってクマの種類を診断します。

1. 問診で確認すること

医師は、診断の手がかりを得るために、以下のような質問をします。

  • いつからクマが気になり始めましたか?
  • 生活習慣(睡眠、食事、仕事環境など)について
  • 既往歴、アレルギーの有無、現在服用中の薬
  • 普段のスキンケアやメイクの方法
  • これまでに行ったクマ対策と、その効果
  • 治療に関するご希望(ダウンタイムは取れるか、費用はどのくらいまでかなど)

問診を通じて、クマの原因を探り、最適な治療法を一緒に考えていきます。

2. 身体検査

医師が実際に目の下の状態を詳しく観察します。

  • 指で皮膚を軽く引っ張る: 引っ張って色が薄くなる場合は青クマ、変わらない場合は茶クマの可能性が高いです。
  • 上を向いてもらう: 上を向いたときにクマが薄くなる、または消える場合は、影による黒クマと診断されます。
  • 肌の色や状態の確認: 色素沈着の範囲や、皮膚のハリ、たるみの程度を評価します。

プライバシーに配慮し、丁寧に診察を行いますのでご安心ください。

3. 代表的な検査例

通常、目の下のクマの診断で特別な検査を行うことは稀ですが、他の病気が疑われる場合など、医師の判断によっては血液検査などを行うことがあります。

美容医療を前提とする場合は、治療計画を立てるために、専用のカメラで肌の状態を撮影・分析し、シミュレーションを行うこともあります。

受診時の準備

  • メイクはせずに受診する: 正確な診断のため、可能であればノーメイクか、すぐに落とせる薄化粧で行きましょう。
  • 質問したいことをメモしておく: 聞きたいことや不安な点を事前にまとめておくと、診察がスムーズに進みます。「こんなふうになりたい」という希望を伝えるための写真などがあれば、持参するのも良いでしょう。
  • 普段使っているスキンケア用品の情報を控えておく: 成分などがわかるものがあると、より的確なアドバイスにつながります。
  • 自分の理想と現実的な目標を伝える: 「完全に消したい」「少し薄くなれば満足」「手術は避けたい」など、治療のゴールや希望について自分の考えを伝えておくことが、満足のいく治療への第一歩です。
  • 症状の記録: いつ、どんな時にクマが濃くなるか(例:夕方になると目立つ、寝不足の翌朝など)を簡単に記録しておくと、診断の助けになります。

受診すべき診療科

目の下のクマを治療したい場合、美容皮膚科や美容外科が専門となります。

  • 非外科的治療: レーザー治療、注入治療、外用薬など、主にメスを使わない治療をします。比較的ダウンタイムが短い治療を希望する場合に適しています。
  • 外科的治療: 手術による治療を行い、たるみやふくらみの根本的な改善を目指します。解剖学的な構造からアプローチするため、より効果の持続が期待できます。

どちらの科も備えているクリニックも多いです。まずはカウンセリングを受けて、自分のクマの状態と希望に合った治療法を提案してくれる医師を探すのが良いでしょう。お住まいの地域の医療情報サイトで、口コミなども参考にしながら、医療機関を探すことができます。

目の下のクマの治療法

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治療方針の決定

治療は、クマの種類、重症度、患者さんの希望、ライフスタイル、予算などを総合的に考慮して決定されます。医師とのカウンセリングを通じて、それぞれの治療法のメリット・デメリット、ダウンタイム、費用などについて十分な説明を受け、納得した上で治療方針を決定することが重要です。

薬物療法

主に茶クマや、炎症を伴う場合に行われます。

  • 外用薬: ハイドロキノンやトレチノインといった成分を含む塗り薬が処方されることがあります。これらはメラニンの生成を抑えたり、肌のターンオーバーを促進したりする効果がありますが、赤みや皮むけなどの副作用が出る可能性もあります。
  • 内服薬: ビタミンCやトラネキサム酸などの飲み薬が処方されることがあります。体の内側からメラニンの生成を抑制し、排出を助けます。

注意:これらの薬は、必ず医師の診断と処方の下で使用してください。自己判断での使用は、症状を悪化させる危険があります。

非薬物療法

美容医療による治療が中心となり、クマの種類に応じてさまざまな選択肢があります。

青クマに対して

注入治療(ヒアルロン酸など):

皮下の気になる部分にヒアルロン酸を注入し、厚みを出すことで血管が透けて見えるのを改善します。

茶クマに対して

1.レーザー治療・光治療(IPL):

メラニン色素に反応するレーザーや光を照射し、色素沈着を薄くします。複数回の治療が必要です。

  • メリット: 回数を重ねるごとに効果を実感できます。
  • デメリット: 1回では終わらず、複数回の通院が必要です。施術中に軽い痛みを感じることがあります。
  • 費用目安: 1回あたり1万円~3万円程度。

2.ケミカルピーリング:

薬剤を塗布して古い角質を取り除き、肌のターンオーバーを促進します。

黒クマに対して

1.注入治療(ヒアルロン酸):

たるみによってできた凹みや影にヒアルロン酸を注入し、段差をなめらかにします。

  • メリット: 施術時間が短く、ダウンタイムがほとんどないため手軽に受けられます。
  • デメリット: 効果は永久ではなく、半年~1年程度で吸収されます。注入量が多すぎたり、浅すぎたりすると、皮膚が青白く見える「チンダル現象」が起こるリスクがあります。
  • 費用目安: 5万円~15万円程度。

2.HIFU(ハイフ):

超音波を照射して皮膚の土台となる筋膜(SMAS)を引き締め、たるみを改善します。

  • メリット: メスを使わずにたるみにアプローチできます。
  • デメリット: 効果の現れ方には個人差があり、脂肪の量が多い場合は効果を感じにくいことがあります。施術中に骨に響くような痛みを感じることがあります。
  • 費用目安: 5万円~20万円程度。

3.手術(経結膜脱脂術、ハムラ法など):

目の下のふくらみの原因である眼窩脂肪を取り除く、または移動させる手術です。

4.経結膜脱脂術:

下まぶたの裏側から脂肪を取り除く方法。皮膚表面に傷が残らないのが最大のメリットです。ただし、脂肪を取りすぎると凹んでしまうリスクがあります。

5.ハムラ法・裏ハムラ法:

脂肪を凹んでいる部分に移動させて再配置する方法。ふくらみと凹みを同時に解消でき、自然な仕上がりが期待できます。皮膚を切開するハムラ法と、まぶたの裏から行う裏ハムラ法があります。

  • メリット: たるみを根本的に改善でき、効果は半永久的に持続します。
  • デメリット: ダウンタイム(腫れや内出血が1~2週間程度)がある施術ですので、施術の日程は慎重に決める必要があります。手術であるため、感染症などのリスクがゼロではありません。
  • 費用目安: 25万円~60万円程度。

注意:これらの治療は自由診療であり、健康保険は適用されません。治療を受ける際は、必ず専門の医療機関でカウンセリングを受け、リスクや費用について十分に理解した上で判断してください。

生活習慣による管理

  • 十分な睡眠: 質の良い睡眠を確保し、心身の疲労を回復させることが血行促進につながります。
  • バランスの取れた食事: 血行を促進するビタミンE、鉄分、肌の健康を保つビタミンA・C・Eなどを意識して摂取しましょう。
  • 適度な運動: ウォーキングなどの有酸素運動は、全身の血行を改善するのに効果的です。
  • 禁煙: 喫煙は血管を収縮させ、血行不良の大きな原因となります。
  • ストレス管理: 自分に合ったリラックス法を見つけ、ストレスを溜め込まないようにしましょう。

治療期間と予後

治療期間は、クマの種類や治療法によって大きく異なります。外用薬や内服薬、生活習慣の改善は、効果を実感するまでに数か月単位の時間が必要です。

レーザー治療や光治療は、数週間から1か月おきに複数回の治療を要します。

手術の場合は、一度で大きな効果が期待できますが、ダウンタイム(腫れや内出血が治まるまでの期間)が必要となります。

どの治療法も、その後のセルフケアや生活習慣が予後を大きく左右します。治療後も良い状態を維持するために、日々のケアを継続することが大切です。

予防法と日常生活での注意点

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一次予防(発症予防)

クマがまだ気にならないうちから、発症を予防するための習慣を心がけましょう。

  • 徹底した紫外線対策: 季節や天候を問わず、日焼け止めやUVカット効果のある下地、サングラス、帽子などで目元を紫外線から守りましょう。目元の皮膚はデリケートなので、専用のアイテムを使うのもおすすめです。
  • 毎日の保湿ケア: 目元は乾燥しやすいため、保湿効果の高いアイクリームで毎日ケアしましょう。セラミドやヒアルロン酸などの保湿成分が有効です。
  • 優しいクレンジングの徹底: ポイントメイクリムーバーをコットンに含ませ、数秒間まぶたに当ててメイクを浮かせてから、こすらず優しく拭き取ります。これを習慣づけることが、茶クマ予防の鍵です。
  • バランスの取れた食事と十分な睡眠: 体の内側から健康を保つことが、クマの最大の予防になります。

二次予防(早期発見・早期治療)

クマが気になり始めたら、悪化させないための対策を早期に始めましょう。

  • セルフチェック: 自分のクマがどのタイプかを見極め、原因に合ったセルフケア(温める、保湿する、UVケアを強化するなど)を試してみましょう。
  • 生活習慣の見直し: 睡眠不足や目の酷使など、思い当たる原因があれば改善しましょう。
  • 早めの受診: セルフケアで改善しない場合は、放置せずに専門医に相談しましょう。早期の治療は、時間的・経済的な負担も少なく済みます。

日常生活の工夫

目元を温める(青クマ対策)

蒸しタオルや市販のホットアイマスクで目元を5~10分程度温めると、血行が促進され、青クマの改善や眼精疲労の緩和に効果的です。

効果的なアイクリームの選び方と使い方(茶クマ・黒クマ対策)

  • 選び方: 茶クマには、メラニンの生成を抑えるビタミンC誘導体やトラネキサム酸、アルブチンなどが配合されたものを。黒クマ(たるみ)には、肌のハリをサポートするレチノールやナイアシンアミド、ペプチド、アスタキサンチンなどが配合されたアイクリームを選びましょう。
  • 使い方: 化粧水などで肌を整えた後、米粒大の量を薬指にとり、目の周りに優しく置くように塗布します。目頭から目尻に向かって、ピアノを弾くように軽くタッピングしながらなじませると、血行促進効果も期待できます。決して強くこすらないようにしましょう。

眼輪筋エクササイズ(黒クマ対策)

  1. 目をゆっくりと大きく見開いて5秒キープします。
  2. その後、ゆっくりと目を細めて5秒キープします。
  3. 最後に、ぎゅっと目を閉じて5秒キープし、ゆっくりと力を抜きます。これを1セットとして、1日に数回行いましょう。

コンシーラーを上手に使う

クマの色に合わせてコンシーラーの色を選ぶと、厚塗りしなくても自然にカバーできます。青クマにはオレンジ系、茶クマにはイエロー系がおすすめです。クマと肌の境目に線状にのせ、指やブラシで優しくトントンと叩き込むようにしてなじませるのがコツです。

ツボ押し

休憩時間などに、目の周りのツボ(眉頭にある攅竹<さんちく>、目頭と鼻の付け根の間にある晴明<せいめい>、黒目の真下にある承泣<しょうきゅう>など)を、気持ちいいと感じる程度の強さで優しく押して、血行を促しましょう。

家族・周囲のサポート

目の下のクマは、本人にとっては深刻な悩みです。「疲れてる?」「何かあった?」といった不用意な一言が、本人を傷つけてしまうこともあります。もしご家族が悩んでいる場合は、その悩みに寄り添い、「気にしすぎだよ」と否定するのではなく、「一緒に情報を探してみようか」と声をかけるなど、前向きなサポートを心がけてあげてください。

よくある質問(FAQ)

Nishihama / PIXTA

Q1: 目の下のクマにはどんな種類がありますか?

A: 主に3種類あります。1つ目は血行不良が原因の「青クマ」、2つ目は色素沈着による「茶クマ」、3つ目は加齢によるたるみが原因の「黒クマ」です。ご自身のクマがどのタイプか鏡でチェックしてみてください。

上を向いて薄くなるなら黒クマ、皮膚を引っ張っても色が変わらないなら茶クマ、引っ張ると薄くなるなら青クマの可能性が高いです。

Q2: 50代になってからクマが急に目立つ原因は何ですか?

A: 50代になると、加齢により肌のハリを保つコラーゲンが減少し、目の周りの筋肉も衰えがちになります。その結果、目の下の脂肪が前に出てきてたるみとなり、その影が「黒クマ」として目立つようになる方が非常に多いです。

また、更年期に女性ホルモンが減少することも、肌の弾力低下に拍車をかける一因と考えられます。

Q3: セルフケアでクマを改善することはできますか?

A: はい、クマの種類によってはセルフケアでの改善が期待できます。特に血行不良が原因の「青クマ」には、目元を温める、十分な睡眠をとるといった対策が有効です。

茶クマも、徹底した保湿と紫外線対策、美白成分配合の化粧品で改善の可能性があります。

ただし、たるみが原因の「黒クマ」をセルフケアだけで完全に解消するのは難しく、進行を遅らせる、という目的が主になります。

Q4: クマを隠す上手なメイク方法はありますか?

A: クマの色と反対の色(補色)のコンシーラーを使うのがコツです。青クマにはオレンジ系、茶クマにはイエロー系のコンシーラーを薄く重ね、指で優しくなじませます。厚塗りするとかえってシワが目立つので注意しましょう。

最後に明るい色のパウダーを軽くのせると、光で影が飛び、自然で明るい目元に仕上がります。

Q5: 美容クリニックではどのような治療ができますか?費用はどのくらいですか?

A: クマの種類に応じて、レーザー治療(茶クマ)、ヒアルロン酸注入(青クマ・黒クマ)、たるみを根本から改善する手術(黒クマ)など、さまざまな選択肢があります。費用は治療法やクリニックによって大きく異なり、数万円から数十万円以上と幅広いです。

例えば、ヒアルロン酸注入は5~15万円、レーザーは1回1~3万円(複数回必要)、たるみ手術は25~60万円程度が目安です。まずはカウンセリングでご自身の状態に合った治療法と見積もりについて相談することをおすすめします。

Q6: 寝不足ではないのにクマが消えないのはなぜですか?

A: クマの原因は寝不足だけではありません。長年の紫外線ダメージや摩擦による色素沈着(茶クマ)や、加齢によるたるみ(黒クマ)が原因の場合、睡眠時間に関わらずクマは存在します。

また、自覚がなくてもデスクワークによる眼精疲労やストレス、体の冷えなどで血行が悪くなっている(青クマ)可能性もあります。

Q7: クマに効く食べ物や栄養素はありますか?

A: 特定の食べ物だけでクマが消えるわけではありませんが、バランスの取れた食事はクマの予防・改善に役立ちます。血行を促進するビタミンE(ナッツ類、アボカド)や鉄分(レバー、ほうれん草、あさり)、皮膚や粘膜を健康に保つビタミンA(緑黄色野菜)、コラーゲンの生成を助けるビタミンC(パプリカ、ブロッコリー、果物)などを意識的に摂ると良いでしょう。

Q8: 目の周りのマッサージは効果がありますか?やりすぎは逆効果?

A: はい、優しいマッサージは血行を促進し、青クマの改善に効果が期待できます。しかし、強い力でこすると摩擦で色素沈着(茶クマ)が起きたり、皮膚を支える線維を傷つけてたるみを助長したりする危険があります。

必ず滑りの良いアイクリームやオイルを使い、薬指で優しくなでるように、ごく軽い圧で行うのがポイントです。

Q9: 目の下のクマは何科を受診すればよいですか?

A: 美容に関するお悩みですので、美容皮膚科または美容外科が専門となります。レーザーや注入などの非外科的治療を希望する場合は美容皮膚科、たるみの手術など外科的治療を検討したい場合は美容外科を受診するのが一般的です。

どちらが良いか分からない場合は、両方の治療法を提案できる総合的な美容クリニックに相談すると良いでしょう。美容クリニックではさまざまな利用方法が案内可能ですので、予算やダウンタイムの希望をしっかりと伝えるようにしましょう。

Q10: 一度できてしまったクマは、もう元には戻らないのでしょうか?

A: そんなことはありません。原因に合った適切なケアや治療を行えば、クマを目立たなくすることは十分に可能です。特に美容医療は日々進歩しており、様々なお悩みに対応できるようになっています。

セルフケアで限界を感じても、諦める必要はありません。まずは専門医に相談してみてください。前向きな一歩が、明るい目元と自信を取り戻すきっかけになりますよ。

まとめ

Suetsumu Sato / PIXTA

大切なポイント

  • 目の下のクマには「青」「茶」「黒」の3タイプがあり、原因が異なります。
  • 50代以降は加齢による「黒クマ(たるみ)」が主な悩みとなります。
  • 改善にはセルフケアと美容医療があり、自分に合った方法を選ぶことが大切です。
  • 悩みを一人で抱え込まず、専門医に相談することが解決への近道です。

目の下のクマは、私たちが重ねてきた人生の証でもありますが、それが心の曇りになる必要はありません。今の時代、正しい知識とケアで、その悩みは改善できます。この記事が、あなたが明るい笑顔を取り戻すための一助となれば、これほど嬉しいことはありません。


健康に関するご相談は最寄りのかかりつけ医へ

この記事の健康情報は一般的な内容です。ご自身の症状や体調について心配なことがある場合は、必ずかかりつけ医にご相談ください。

適切な診断・治療には専門医による個別の判断が不可欠です。自己判断せず、まずは信頼できる医師にお話しすることをおすすめします。

かかりつけ医について詳しく知る(厚生労働省)

 

監修者プロフィール:小阪 捺稀 先生

監修者プロフィール:小阪 捺稀さん

日本医科大学卒業。大手美容クリニックにて院長経験後、2024年に仙台駅前で「仙台N美容クリニック」を開業。カウンセリングからアフターサポートまで全て院長自らが行い、県外からも指名多数の人気クリニック。目元整形の症例は年間1500件以上を誇る。

 

HALMEK up編集部
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