深いしわに悪化する!?乾燥小じわは早めに撃退!

ちりめんじわ・小じわの原因は?5つの改善&予防策!

徳永理恵
監修者
逗子メディスタイルクリニック院長
徳永理恵

公開日:2023.05.18

ちりめんじわ・小じわは皮膚の浅い層である表皮の「乾燥」が最大の原因。乾燥しやすい目元(目尻・目の下)、口元や頬をしっかりケアして、新しいしわの予防&今あるしわを改善へ!深い真皮しわに悪化する前に対策しましょう。

監修者プロフィール:徳永理恵さん(美容皮膚科医)

徳永理恵さん

逗子メディスタイルクリニック院長。国立東京医科歯科大学医学部を卒業後、同大学形成外科所属。横須賀市立市民病院では美容レーザー外来の立ち上げを行う。都内美容皮膚科勤務を経て、『医療の力でQOLを上げる』をコンセプトに、2010年逗子メディスタイルクリニックを歯科医の夫と開院。3人男子の育児にも奮闘中。

所属学会:日本形成外科学会、日本美容皮膚科学会

ちりめんじわ・小じわとは?

ちりめんじわ・小じわとは?

ちりめんじわとは、皮膚の浅い層にできるしわのことです。

着物やちりめん細工などに使われる「ちりめん生地」のように小さく細かなしわのため、「ちりめんじわ」と呼ばれます。小じわと呼ばれることもあり、早い人の場合20代前半から目元や口元に現れることも。年齢とともに肌のキメが荒くなるため、ちりめんじわ・小じわができやすくなります。

人の皮膚は表皮・真皮・皮下組織の3層の構造になっており、ちりめんじわ・小じわに深く関わっているのが一番外側部分にある「表皮」です。

目のまわりの皮膚の表皮はわずか0.2〜0.3mmほどと非常に薄く、普段は表皮の最表面にある「角質層」がバリア機能・保湿機能によって外部からのダメージや水分の蒸発を防ぎ、肌を守っています。

表皮の下の層の真皮は皮膚の大部分を占める部分で、真皮にあるコラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸によって肌のハリや弾力が保たれています。

ちりめんじわ・小じわを放置すると深い真皮しわに!

しわの種類を大きく分けると、以下の3種類があります。

  • 表皮しわ……ちりめんじわ・小じわなど
  • 真皮しわ……まぶたの下やほうれい線など広い部分にできるしわ、たるみしわなど
  • 表情しわ……笑ったときにできる目尻のしわ、おでこのしわ、眉間のしわなど

ちりめんじわ・小じわは肌の浅い層にあるしわですが、ケアをせず乾燥が進むと悪化し、さらに深い層の真皮にまで達する深いしわになってしまうことも。気になるちりめんじわ・小じわは、早めの対策をするのがおすすめです。

ちりめんじわ・小じわの原因

ちりめんじわ・小じわの原因

ちりめんじわ・小じわをケアするためには、しわができてしまう原因を知ることが大切です。ここからは、ちりめんじわ・小じわの原因をご紹介します。

乾燥

ちりめんじわ・小じわの最大の原因が「乾燥」です。このことから、ちりめんじわは「乾燥小じわ」と呼ばれることもあります。

肌の表面から水分が失われ、乾燥することで肌の柔軟性が損なわれ、細かなしわにつながります。スキンケアによる対策をしっかり行うのはもちろん、空気の乾燥にも注意しましょう。

冷房や暖房は肌を乾燥させる原因になるため、乾燥しやすい時期は加湿器などを使って室内の湿度を調整すると、肌の乾燥防止につながります。また、エアコンの風が直接顔に当たらないようにしましょう。

加齢

人間の体には、もともと自ら保湿する力や、潤いをキープする力が備わっています。しかし、年を重ねると皮脂分泌や水分量が減っていき、肌を守るバリア機能を維持しにくくなってしまうことに。

また、ターンオーバー(肌が生まれ変わるサイクル)の周期は、年齢とともに長くなっていきます。新陳代謝が適切に行われず、古い角質が肌表面に長く留まることになり、角質機能が衰えるため乾燥が起こりやすくなります。

紫外線ダメージ

紫外線によるダメージは、あらゆる肌トラブルや肌の老化を引き起こす大きな原因の一つです。

紫外線には「UV-A」と「UV-B」があり、肌の真皮にまで影響を及ぼすUV-Aはしわだけでなく、セルフケアが難しい「たるみ」を引き起こす原因にもなります。

表皮に影響するUV-Bは肌のメラニンを増やしたり、炎症を起こしてシミ・そばかすを作り出す原因です。強い紫外線は活性酸素を発生させ、肌の老化が進んでしまうため、しっかりケアしましょう。

ちりめんじわ・小じわができやすい場所

ちりめんじわ・小じわはできやすい場所があり、特に多く見られるのが「目尻、目の下など目元」「口元」「頬」です。

目尻、目の下など目元

目尻、目の下といった目元の皮膚は、非常に薄くデリケートな部分です。皮下脂肪も少ないため乾燥が起こりやすく、保湿ケアを怠ると乾燥が起こり、しわが目立ちやすくなってしまいます。

口元

口元も、ちりめんじわ・小じわができやすい部分です。

口元は皮脂分泌量が少なく、乾燥しがち。さらに、食事や会話などで頻繁に動かすことが多いため、しわができやすいのです。

頬は表皮にも角質層にも十分な厚みがあるものの、日々のメイクやクレンジングなどによって刺激を受けることが多い部分です。こすったり叩いたりすると刺激になり、しわにつながるため注意しましょう。

また、頬の場合はちりめんじわ・小じわではなく、たるみ毛穴がつながってしわになる「帯状毛穴」のケースも考えられます。しわの状態を鏡でしっかりチェックしてみるといいでしょう。

ちりめんじわ・小じわの改善&予防法

ちりめんじわ・小じわの改善&予防法

ここからは、ちりめんじわ・小じわの改善&予防法をご紹介します。

念入りな保湿スキンケア

ちりめんじわ・小じわの最も大きな原因は乾燥であるため、正しい方法で毎日丁寧な保湿ケアを行うことが大切です。間違ったスキンケア方法、睡眠不足、ストレス、生活習慣や食生活の乱れなど肌の乾燥につながる原因にも注意するといいでしょう。

保湿作用がある成分としては、ヘパリン類似物質(ヒルドイドやビーソフテンなど皮膚科で処方される医薬品にも含まれる成分)、セラミド、ヒアルロン酸、プラセンタなどがあります。

しわ改善効果があるスキンケア化粧品を使う

スキンケアの際には、「しわ改善効果」が認められた有効成分が配合された化粧品を使うのがおすすめです。

「ニールワン」「ナイアシンアミド」「純粋レチノール」の3つの成分は厚生労働省によってしわの改善効果があることが認められており、今あるちりめんじわ・小じわの改善が期待できます。

また、化粧品を選ぶときは、刺激の少ないものを選ぶことも大切なポイント。ちりめんじわ・小じわができやすい目尻や目の下といった目元は、顔の中でも特に皮膚が薄く、デリケートな部分です。

エタノール(無水エタノール)や香料が肌荒れにつながることもあるため、敏感肌の人はしっかり成分をチェックして選ぶと安心でしょう。

徹底的な紫外線対策

保湿と合わせて、紫外線対策を徹底的に行うことも大切です。紫外線はちりめんじわ・小じわだけでなくあらゆる肌悩み・肌トラブルの原因になるため、日焼け止めや日傘、帽子、サングラスなどを活用して、しっかり紫外線ダメージから肌を守りましょう。

紫外線は一年を通して降り注いでいるため、紫外線の強い時間帯や場所に出かけるときだけでなく、毎朝紫外線ケアをする必要があります。朝のスキンケアと合わせて日課にするといいでしょう。

食べ物・飲み物で対策する

ちりめんじわ・小じわの改善におすすめなのが、ビタミンC、ビタミンE、コラーゲン、セラミド、オメガ3脂肪酸といった成分。

バランスの良い食事に加えて、これらの栄養素が含まれるものを毎日の食事に取り入れて、体の内側からケアするのもおすすめです。それぞれ、以下のような食材に含まれています。

  • ビタミンC……パプリカ、アセロラ、ゆず、ブロッコリー、レモン、いちご、キウイフルーツ など
  • ビタミンE……アーモンド、落花生、アボカド、納豆、卵、ごま、かぼちゃ など
  • コラーゲン……手羽先、鶏皮、牛すじ、カレイ、うなぎ、すっぽん、フカヒレ など
  • セラミド……こんにゃく、わかめ、ほうれん草、大豆、牛乳、ヨーグルト、米、小麦 など
  • オメガ3脂肪酸……青魚(サバ、イワシなど)、くるみ、亜麻仁油、エゴマ油 など

ちりめんじわ・小じわを治療する美容医療の施術

美容医療の施術でも、ちりめんじわ・小じわを治療できます。美容医療の施術を受ける際は、適切な病院・クリニックでの美容医療の施術を受けることが大切です。

ちりめんじわ・小じわを治療する美容医療の施術には、以下のようなものがあります。

  • レーザー治療
  • 光治療
  • マッサージピール(PRX-T33)
  • トレチノインなど医薬品による治療 など

ビタミンA誘導体の一種である「トレチノイン」はシミや肝斑、ニキビ治療などに使われる成分で、ターンオーバーを促す作用があります。レチノールよりも強い作用を持つトレチノインは市販されておらず、皮膚科など病院やクリニックで処方してもらう必要があります。

個人輸入(海外通販)で購入できる通販サイトなどもあるようですが、健康被害が起こるリスクがあるため、トレチノインを使用する場合は必ず信頼できる医療機関で診察を受けることが大切です。

ちりめんじわ・小じわを目立たなくするメイク方法

ちりめんじわ・小じわを目立たなくするメイク方法

ちりめんじわ・小じわの改善のためのケアには即効性はないため、コツコツとセルフケアを続ける必要があります。すぐに対処したい場合は、メイクでカバーするのがおすすめです。

メイク前にコットンパックする

メイク前に、ちりめんじわ・小じわが気になる部分にコットンパックをして、水分を補給しましょう。コットンパックのやり方は簡単で、普段使っている化粧水をたっぷりと染み込ませ、しわが気になる部分にパックするだけ。

2~3分ほど置いてから外し、美容液などを重ね付けした後は、乳液やクリームなど油分の多い化粧品で蓋をして乾燥を防ぎましょう。

保湿力の高い化粧品を使う

下地やコンシーラー、ファンデーションなどの化粧品の中には、保湿力の高い商品もあります。

保湿力が低いものは時間の経過によって乾燥してちりめんじわ・小じわが目立ちやすくなるため、メイクをしたときの乾燥が気になる場合は、保湿力の高いアイテムを選ぶといいでしょう。

ファンデーションなどベースメイクを薄めにする

50代のファンデーションは、薄塗りが基本です。ちりめんじわ・小じわをカバーするためにコンシーラーやファンデーションを厚塗りすると、かえってしわが目立ちやすくなってしまいます。

パウダーファンデーションの他にも、リキッドファンデーションやクリームファンデーション、クッションファンデーション、ミネラルファンデーションなどさまざまな種類があるので、自分の肌質に合うものを選びましょう。季節に合わせて使い分けるのもおすすめです。

ちりめんじわ・小じわは早めの対策がカギ!

ちりめんじわや小じわは、数あるしわの中でも皮膚の浅い層にできることが特徴です。最大の原因といわれる乾燥をしっかりケアすることで、効果的な対策ができるでしょう。

スキンケアアイテムを選ぶときには、しわ改善効果が認められた「ニールワン」「ナイアシンアミド」「純粋レチノール」が配合されているものを選ぶのがおすすめです。これらの成分を使用すればさらにしっかりと対策ができるでしょう。

※効果には個人差があります。試してみて異変を感じる場合はおやめください。

■もっと知りたい■

ハルメク365編集部

女性誌No.1「ハルメク」の公式サイト。50代からの女性の毎日を応援する「観る・聴く・学ぶ・つながる」体験型コンテンツをお届けします。
会員登録をすれば、会員限定動画を始めさまざまな特典が楽しめます!

マイページに保存

\ この記事をみんなに伝えよう /

いまあなたにおすすめ

注目の記事 注目の記事